名古屋対局結果

今週の順位戦は、両者1分将棋に突入する大熱戦の末に辛勝。
序盤から大乱戦で、中盤はずっと方針が難しく、形勢が良いと感じた場面も、苦しいと感じた場面もどちらもありました。
そして最終盤もお互いの詰む・詰まないが複雑に絡み合って難解でした。
当夜のツイートに補足する形で、図面を載せます。


まず①の変化は最初に考えるべきことですが、これは▲7一銀△9二玉▲9三香△同玉▲8二銀打(変化図1)という順で詰みます。

・△8四玉は▲7六桂△7四玉▲7五歩△同玉▲8六金以下(※最後▲6六金だと打ち歩詰めで失敗)
・△9二玉は▲8一銀不成△9三玉▲8二銀不成△同玉▲7一馬以下
いずれも長いですが詰みます。
また②は7六や8五に駒を打てなくする意味ですが、これは同じように追って、8四まで逃げてきたときに▲7五金と打てるので詰みます。

③は▲7一馬と捨てるのが手筋で、△同玉に▲6二銀△8二玉▲7三銀不成(変化図2)△同桂▲7二金以下の詰みです。


▲7三銀「不成」が大事なところで、成ると△9三玉で詰まなくなります。
ここまでは、なんとか自分でも読めたのですが・・


途中△8五銀(変化図3)と捨てる手が、かなり気づきにくい手です。


本譜120手目との違いは、7六に後手の歩がいるかどうかだけ。
歩がいれば、▲8五同玉は△8四金▲8六玉△7五角で先手玉が詰みます。しかし、この図だとそこで▲7七玉と引けるので詰みません。
わざわざ詰まなくしている、というところが発見を困難にしていると思います。

ところが▲8五同玉に△7八飛成と取った局面は、▲7一銀△9二玉▲9三香に△同桂が逆王手、▲7三成銀にも△同桂が逆王手になるので後手玉が詰まず、先手負けです。
また上の図で▲9七玉も△7八飛成で、今度は7筋に竜が通っているので後手玉が詰みません。
けっこう奇跡的な筋だと思います。

当夜に書かなかった他の変化もいろいろあって、たとえば118手目に△7六歩でも△7六銀でもなく、△6六銀(変化図4)という妙手風の一着もあります。

これには▲同歩△5七竜に▲6七銀が限定合で、わずかに詰まず先手勝ちですが、他の対応は詰まされてしまいます。

また122手目に△7五角と王手する手も目につきます。▲8六銀合に△7八飛成の瞬間は後手玉が詰まなくなっていますが、▲7五銀と角を取って、先手玉は際どく詰みません。
などなど、対局中いろいろな順を気にして読んでいたものの、変化図3には気づけませんでした。

非常に難解で面白い終盤戦の一端に触れていただけたらと思い、久々に図面を多く使いました。
ミスはあったものの、それなりに納得のいく内容の将棋になり、結果もついてきたので良かったです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です