近況など

前のエントリにも書いた通り、この1週間ほどは(来期)NHK予選の季節につき、公式戦の中継はやや少なめ、自分の対局もそれを除くと次は来月の順位戦という状況です。

NHK予選では、今年もテキスト(「将棋講座」)の付録を担当させていただくことになりました。
これから全棋譜に順番に目を通して、おそらく順位戦が終わってから、執筆に取り掛かることになると思います。
発売は1回戦が佳境という頃になるのではと思います。改めて告知しますので、ぜひお読みいただければ幸いです。
なおテレビ放映のほうは今日が準々決勝の最後の1局、来月に入って準決勝・決勝へと進んでいくところですね。

ということでいま載せられる将棋はないのですが、すこし前に研修会指導で指した二枚落ちの将棋がなかなか面白かったので、ちょっとご紹介。

飛車が成れそうで成れないので上手ペースのはずの局面ですが、ここで▲5五銀!が強手。
研修会でなければすぐに△同金と取って、▲7五歩△6五角▲7七桂までは進みそうですが、ここは上手もしっかり時間を使って△4六歩と切り返しました。
対して▲6四銀△4七歩成▲5三銀成が読みの入った手順でした。

二枚落ちという手合を考えるとどう見ても上手ペースですが、△3八とは▲5八金で後続がなく、△5八歩▲同金△同と▲同玉△3八角成は▲4四歩△7八金▲4八金に△2九馬が詰めろにならず(一歩千金!)、上手が勝てません。
研修会指導では、けっこうこういうギリギリの終盤戦になりがちな印象があります。

普段の指導対局とは違って、研修会指導の上手は定跡通り指すことはまずないので、30手ぐらい進むとだいたい見慣れない形になります。
必然的に読みの力が鍛えられる、という面はあるように思います。あとは、上手も一生懸命負かそうとするので(棋士よりも奨励会員のほうがより顕著)、その気迫を肌で感じられるというのは大きいのかなと。

普段表に出ることはない、鬼モードの駒落ち戦。
実はけっこう面白いコンテンツなのかなと思って、昔から機会があるごとにできるだけ棋譜を残しています。
通常の多面指しでは、こうやって読みを入れてややこしい手を指すことはないので、くれぐれも安心してください。(?)

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