竜王戦

竜王戦は間もなく各組ランキング戦がすべて終わるところですがそれに先立ち、今期七番勝負の開催地が発表されました。
第32期竜王戦七番勝負 日程・開催地の発表

第1局のセルリアン東急は3年連続ということで、名人戦の椿山荘同様、恒例になってきました。
一方第2局の仁和寺は、たしか将棋が行われるのは初めてではないかと思います。また第5局の津和野も初めてのはずですが、先日はすぐそばの萩で名人戦が行われたばかりで、なんだかあの地域が急に活気づいてますね。

広島出身(しかも両親は山口県出身)の僕にとって、松陰先生ゆかりのあのあたりはわりと身近な場所なんですが、「萩・津和野」はセットで語られることが多いだけに「萩市は山口県で津和野町は島根県」なのはうっかりしやすい事実です。豆。
ちょっと東京から行くには大変な場所ではあるんですが、チャンスがあれば現地に行ってみたいところです。

ファンの方にとっては観戦の予定が立てやすいので、こうやって早めに発表があるとありがたいという声はよく聞きます。
主催紙の都合もあるのですが可能な範囲で他の棋戦も発表が早まると良いですね。

 

ランキング戦は各組決勝戦が順次行われているところで、一昨日が5組、昨日が2組でした。
竜王戦の決勝というのは自分も経験がありますが本当に大きな勝負で、特に一昨日の5組決勝は兄弟弟子同士のカードでもあったのでお互い期するものがあったことと思います。
内容的にも両者死力を尽くした大熱戦で最後まで形勢のはっきりしない、後から振り返ってもどこで優劣がついたか分からない、素晴らしい将棋でした。

対局予定を見るとこの後は明日(日曜日)が6組、月曜が3組、水曜が1組、金曜が4組。で、間の火曜が1組の5位決定戦、木曜が3位決定戦ということで、来週は毎日1局ずつ竜王戦の大一番が指されるようです。
一斉対局も良さがありますが、こうやって日をばらけさせるのも一考で、この日程が偶然なのかうまく調整したのかはわかりませんが、観る側にとってはありがたい配慮と思います。

では今日はこのへんで。

最終日、タイ記録、プレーオフ

昨日の王位リーグ最終日、注目された羽生ー谷川戦は羽生九段が勝って最多勝タイ記録を達成。
羽生先生がこういう数字的なものに対して「目標としてやってきた」とコメントするのは珍しい気がするので、やはり積み重ねに対する感慨や、先人に対する敬意や目標とする気持ちなどがあったのだなあと思いました。
改めて考えても、信じられないような大記録です。
関係ないけど、自分の当面の目標は300勝です。それだって決して簡単なことではありません。

他に「将棋はルールはずっと変わらないけど、戦術はどんどん変化している」というコメントもとても印象に残りました。おそらく、この事実こそが羽生先生という偉人の知的好奇心を満たす源泉なのだと思います。

無冠になってからの羽生九段は、変な言い方かもしれませんがいままで以上に楽しく将棋を指しておられる気がします。
このことは自分から見ると、ある意味これまでの数々の大偉業以上にうらやましく思うことで、特に最近は毎局違った戦型、違った指し方に挑戦しておられて、もちろん勝負へのこだわりと同時に何かタガが外れたような一面も見せているように感じています。
僕も修行時代、数多く羽生先生の記録を取ったものですが、心底楽しそうに感想戦をする姿を何度も見てきて印象に残っています。

昨日の一斉対局の結果、リーグ戦は紅白ともプレーオフになりました。
全体的に上位が苦戦しているかに見える将棋が多い中、永瀬叡王が徳俵でギリギリ残したのが印象に残りました。
あの先手玉は本当に寄ってなかったのか?見ていてびっくりしました。

誰が挑戦者になっても楽しみ、というファンの声をネット上ではよく目にしていますが、勝ち上がるのは一人だけ。
どういう結果になるのか楽しみですね。

防衛

昨日のマイナビ第4局は、西山さんが勝って女王防衛。
「最近は自信を失っていたけれど、この結果が大きな自信になった」というコメントは印象に残りました。
女流タイトル戦で里見さんに勝つというのはたしかに大きな実績です。
逆に里見さんはなんと、挑戦者として敗退するのは初めてのことだそうですね。

番勝負全体としては、やはり第1局の逆転が大きかったですね。
昨日の将棋も、序盤のワカレは里見さんがやや指せそうな感じでしたが、端の攻防で競り合ってからは振り飛車の良いところが出たように思いました。
並行して行われている女流王位戦のほうはどうなるでしょうか。

モバイル中継は昨日は6局、今日は8局!と豪華です。これは王位リーグ最終局が全局中継されるからのようですね。
最終日は一斉対局が恒例ですが、全局中継はたしか初めてだったような。

注目の羽生九段ー谷川九段戦ですが両者タイトルを持っていない状態で当たるのは170局ほど指して初めてとのことで、これもまたすごい記録ですね。
なお、永世七冠が上座についたようです。

今日は近所の中学校の指導日。
新学年が入ってきているはずなので、張り切って行ってきたいと思います。

今日の東京は台風一過のような感じで暑くなりました。
今週末は夏日になるとか、5月の概念を覆す気候になるとかいう話ですね。
昨日の大雨は、大変だったみたいですが大きな被害はなかったようで幸いでした。
ただ今年も(今後も)いろいろありそうで、日々の備えが大切ですね。
毎年が異常気象といった感じで、来年のオリンピックが心配です。

個人的にはこのところ予定が少ないので、昨日とかはほとんど家から出ないで過ごしました。
棋士の役得みたいなもんですが(?)もうすこし対局を増やして忙しくしないと生活にメリハリが出ないので、良くないですね。
一応、家ではなるべく将棋に気持ちを向けて頭を使うよう努力はしています。
これから夏に向けて、頑張っていきたいと思います。

名人芸

昨日は羽生九段が王座戦で勝ち、「1432勝」がニュースになっていました。
大山先生の記録に並び、追い抜くときにはもちろん話題を呼ぶと思っていましたが「あと一歩と迫った」がこうやって記事になるとは、やや意表を突かれました。
それだけ将棋の話題が、需要があると見られている証ではないかと思います。

いっぽう「次は藤井七段と当たるかもしれない」は注目ポイントではなかったようですね。いざ当たったらそれもまた話題にはなると思いますが。
羽生九段の次の対局はあさっての王位リーグ最終日とのこと、記録達成は時間の問題とはいえここで谷川先生がいったん阻止したら、それはそれでまた話題になりそうですね。

そして記録以上に、将棋の内容がすごかった。
夕方の局面では金損ではっきり不利に見えたのですが、そうでもなかったのでしょうか。あの切り合いで行けると見た大局観はすごいの一言です。
右玉で飛車先を突破されても指せている、といえばあの有名なパリでの竜王戦が思い浮かびます。
局面の雰囲気はだいぶ違えど、本局もまた、自分にとって驚きの踏み込みでした。

そして最後は1分将棋の詰むや詰まざるや、つい最近王位リーグでも似たようなことがありました。相変わらずの終盤力です。
戦型はいろいろで、早い時間から激しく切り結びながら最後にこうやって競り勝つ、というのはまさに「名人芸」だなあと、表題の言葉が浮かびました。

名人、といえば豊島新名人も昨日は対局で、竜王戦で勝ち。
こちらはじっくりした将棋で、いわゆる「難易度の高い将棋」だったのではないかと思いました。
ジャンルとしては角換わりなのか、相掛かりなのか、居飛車なのか振り飛車なのか。垣根を越えまくってましたね。

他の2局も含め、昨日の中継はどの将棋も大熱戦で、大いに堪能した一日でした。