NHK予選 大平六段戦

以前書いたように、久々にNHK予選を突破することができました。
おそらく表も公開になっていることと思います。

この日、実は1回戦は不戦勝でした。
それを知った記者の方に、とりあえず「お疲れ様でした」と声をかけられるという予定調和。
代わりに(?)記録の予定だった少年に声をかけて何局か。
連盟の2Fで練習将棋を指すのは、考えてみると相当久々だったような。

長い昼休みの後、午後からは大平六段との対戦になりました。
先手番を引き、▲7六歩△3四歩▲7五歩に△8八角成というやや意外な出だしから、角交換振り飛車vs居飛穴の戦型に。

図は飛車得に近い駒割りながら、実戦的には勝つまでは大変という局面。
ここで▲3五馬!が好感触の一手で、手ごたえあり。
対して△5八歩成▲6八馬△同と、と進めるのはと金が遠ざかるので攻め合いで勝てそうです。

実戦は△6七馬でしたが▲8七飛△7六馬▲5七飛(これも味良し)△6六歩▲6八歩と丁寧に受けて、すこし良くなったように思いました。
3五の馬はそれ自体良いポジションだし、3四から動いたことで▲8一と~▲3四桂の狙いが生じているのも、見逃せないところです。

この将棋は一局を通してまずまずの集中力を保って指すことができて、自分としては満足できる内容になりました。

3/5 村田六段戦

順位戦最終戦、ここまで4-5の負け越しだったので、なんとしても指し分けでは終えたいと思っていました。
これで満足してはいけないですが、なんとかひとつ勝ててホッとしました。

最近は振り飛車党の村田君が本局は3手目に▲2六歩と居飛車を明示。
後手番での作戦にはいつも悩んでいますが、本局は積極雁木を採用してみることにしました。
前例の少ない将棋で、お互い序盤からじっくりと時間を使って構想を練るのは楽しい時間でした。

序盤、鋭い仕掛けをされてからは苦しい展開。
こちらも切り返したり素直に応じたりしながら図の局面。

相手は攻め合いも気にしていたようでしたが、自分の感覚ではそれは絶望的なプランに見えました。
そこで△3五飛成▲5三香△4二金左!(右ではない)という粘りの手を選択。
▲5三香は取ると▲7一角の筋があり、3五に竜が来たところなのでなおさら厳しくなっています。
これを誘ってあえて金を差し出すのがひねり出した順でした。
依然として形勢は苦しいですが、ここからすこし流れが変わったようです。

この後は熱戦になりました。
最近は特に順位戦ではふがいない敗戦が続いていたので、夜中まで続く熱戦が指せたことにまず満足で、結果はともかく最後まであきらめずに指そうと心がけたのが良かったのだと思います。
ぜひ名人戦棋譜速報で棋譜を見ていただけたらと思っています。

今年に入ってからの将棋をまとめて振り返っていて気付いたのですが、順位戦以外で、中継していただけた将棋は1局もありませんでした。
これは言うまでもなく、1・2回戦ばかりだったことと、成績が振るわなかったことが要因だと思います。
昨年の夏~秋頃にかけては、棋王戦や王位戦などで中継していただく機会が多くありました。
今年度もなるべく多くの将棋を観ていただけるようにしたいと思っています。

2/28 佐々木六段戦

棋王戦の2回戦でした。

いきなりですが図面です。僕が後手、運命の二択。

図で△2四玉ならば勝ちでした。
ただし以下▲1五香!という勝負手が怖いところです。次に(1)▲1四金と(2)▲3四金△同玉▲4四金△同玉▲1六桂という2つの詰みを狙っています。

しかし▲1五香に△3六歩!と切り返して勝ち筋になります。この歩は取ることができず、取れないと寄せがありません。

この順で勝ちなのは読めていたのですが、ちょっと怖いので実戦は△4二玉を選択。
これも▲6四桂が怖いけど、詰めろになってないから大丈夫?という謎の錯覚をしました。
▲6四桂はちょっとうっかりしやすい筋で、見落としたならまだわかります。
しかし、見えていたのに詰めろじゃないと思った、というのはちょっと理解しにくい思考です。自分のことながら、訳が分からない。

あと、書いたものを読み直してみて気づいたのですが、↑の(2)の順は△1五玉▲2四銀に△1六玉で打歩詰ですね。(△1四玉だと▲1五歩△同桂▲1三とで詰み)
やっぱり何も読めてなかったということみたいです。

ということで超大逆転負けを喫したわけですが、ここに至るまでは、お互いしぶとい将棋で、ほどほどにミスも出て、まあまあの将棋ではありました。
このぐらいの情念を持って指せれば、負けても悔いが残りにくいでしょう。
(ただしこの将棋は除く)
次はこれぐらいの内容の将棋を指して、結果も伴うようにしたいと思います。

1月は1回戦3局で、2勝1敗。
2月はその勝った2棋戦の2回戦をともに負け。
かくして3月・4月は春休みになりました。

2/15 田村七段戦

竜王戦の2回戦でした。

振り駒で後手番になり、三間飛車。そこから向飛車にシフトするという、自分ではこれまで指したことがないどころか、指そうかなと思ったことさえない指し方。
前局の負けで、何かを変えなくてはと漠然と思いながら指していたら、いつの間にかめったにお目にかかれないようなきれいなビッグ4に組まれてしまいました。
ボーっと指してんじゃねーよ、と思いました。もちろん、一生懸命やってるんですけどね。

もちろん作戦負けなんですが、どうせ良くなってもダメならこれぐらい出遅れるのもアリか、と思わなくもなかったり。さすがにそんなわけはないか。

さてここで▲2五同桂は△2四飛で、(1)▲3三桂成は△2六飛、(2)▲3四歩は△2五飛でどちらも大変です。
なので普通は▲3六飛ですが、3筋を清算して△4七角▲1六飛△5六歩のような感じでそれなりに嫌味はあります。
こういう将棋は最後は穴熊が勝つことが多いとはいえ、押さえ込みが決まることもあり、居飛穴も油断していると危険です。

しかしここで▲1六飛が意外な好手でした。
対して△2四飛が自然ですが、▲3四歩△同飛▲3五歩とここを押さえるのが急所。以下清算して▲3六歩△3四飛▲2二角で、これはさっぱりして勝てない形です。

実戦は▲1六飛に仕方なく△3五歩としたのですが、▲3二歩のと金攻めが来て、このあとはアヤがなくなりました。
結果的に勝負所のほとんどないままの敗戦でした。

何かを変えないといけないと、漠然とではなく、改めて強く思いました。

2/5 高橋九段戦

順位戦ラス前の対局です。

先手番で四間飛車を採用しました。約1年ぶりの登板だったようです。
そんなに間が空いている印象はなかったんですが、それだけ中飛車を多く指していたということですね。

この将棋は、中盤で大技を決めました。(43手目▲3三角成)
その局面は名人戦棋譜速報で見ていただくとして、図面はその後の終盤の場面。

夕休すこし前の局面なんですが、このあたりの心境としては、技が決まってはっきり優勢になったはずなのに、案外難しい。相手も長考していて、あきらめてくれている気配は全くない。当然、焦ります。
加えて、こんな大技を決めておいてそこから転落したら恥ずかしい。
言うまでもなく、対局中にそんなこと考えてちゃいけません。反省です。

で、そこへこの△5八角成。(5八の歩を取った)
これはひと目▲5九歩で何でもないので、警戒していませんでした。
代えて△2六桂や△2七桂などを読んでいました。

ところが▲5九歩に△同馬という手があるんですね。以下▲同金△同竜▲4九金△9九竜、香車を手順に取られるのは悔しい上に、再度▲5九歩と受ける一歩がない。
ただ、結論から言えばこの順を選ぶべきでした。以下は簡単ではないですが、形勢としては少しリードしていた可能性が高いです。

実戦は夕休を挟んでしっかり読んでつもりで▲4八金引。これが痛恨の悪手。
すかさず△4七桂と打たれて、いっぺんに負けになってしまいました。
しかもどの変化も妙にピッタリ負けで、呆れました。

たとえば66手目棋譜コメントに書かれている変化は、△1九竜以下1八に何を打っても△1五歩でダメです。
69手目▲3八同金は△2九飛~△2五飛成でアヤがなくなります。
実戦の順もけっこう難しい詰みですが、どの変化もきちんと詰んでいます。

ミスが出るのは仕方ないとしても、この負け方はかなり深刻だと思いました。
弱いことは恥ずかしい、という張栩さんの言葉を思い出しました。