王位戦

昨日は王位戦の挑決があり、豊島八段が羽生竜王に勝って挑戦権獲得。
このカードは明日も棋聖戦第1局で対戦する(つまり今日が前夜祭)とのことで、こういう状況で羽生先生が負けるところはかなり久々に見たような気がします。
そもそも挑決で負けたのはいつ以来だったか。

将棋は例によって角換わり腰掛け銀で、最近トップの将棋はこればかりという印象です。
新しい球を投げてもすぐに解析されてしまう昨今では、こういう深堀りできるところに球種が偏るのも無理はないことなのかもしれません。

端歩の形や玉・金の位置など微妙なマイナーチェンジが続いていて、戦いが始まってからも一筋縄ではいかないのが最近の角換わり将棋の特徴です。
昨日の将棋も中盤以降で何度が微妙に形勢が揺れているように見えましたが、それがいつどこでどう、だったのか判断しかねる難しい将棋でした。

菅井王位と豊島八段、同じ関西所属で深い研究とある程度の早指しが共通点に見えます。
ただ実際は研究の中身もスタイルも、早指しの質もかなり違うという印象で、世代は近いわりには異なる将棋観のぶつかり合いという感じがして楽しみです。
居飛車主体か振り飛車主体かという違いもありますね。
そういえば王将戦で多く登場した相振りが、この王位戦では出るのかどうか。

それにしても豊島八段がタイトルを持たないまま、後輩のタイトルホルダーに挑戦する日が来るとは思いませんでした。
平成生まれ同士のタイトル戦も初めてですかね。

今日は竜王戦5組決勝など。

続・津田塾大学

昨日のお仕事はこんな様子でした。

将棋以外では、ゆかりのある佐倉市や鯖江市のブースが出店されていました。
せっかくゆるキャラさんが通りかかったので、写真撮ってもらえば良かったなー残念。

津田塾大学は本校は小平にあり、こちらの千駄ヶ谷キャンパスはまだできて2年、生徒も250名余とのことで、これから増えてくるのでしょう。
また「総合政策学部」は女子大では初らしいですね。

創始者の津田梅子さんは日本人初の女子留学生、ということでいまの学生さんたちも留学経験あるいは今後予定している人が多いようでした。
英語で助けていただくにはまさにうってつけというわけです。

おかげさまで外国人観光客の方に、将棋ファンになってもらうことに成功しました。

チェスは経験あり、SHOGIは初めてとのことですが、このあと青空将棋をすこしやった結果、take(取る)・promote(成る)に加えて、check(王手)の概念も正確に理解し、さらにcheckmate(詰み)も分かってもらえたようでした。
ちょっとだけ、自分の英語での指導力に自信が持てました。
帰ってからamazonで盤駒を注文するよ、と言ってくれました。
Have a nice trip!

それにしても、新しいキャンパスというのは気持ちが良いもので、ここに通える学生さんたちは羨ましいです。
僕は中高大通じてタイミングが悪かったのでなおさら(笑)
また行く機会があればと思います。

 

すこし前の話題になりますが、愛知県知事・名古屋市長が相次いで「名古屋に将棋会館を」と発言するという超ビッグニュースがありました。
この機を逃さない将棋界でありたいですね。

現在の将棋会館はもうだいぶ古くなっており(ちなみに自分よりすこし年上)、建て替えや賃貸の話は時折出ますが具体的な話にたどりつけたことは自分が棋士になってからはありません。
しかも東京は同じ場所に立派な建物は立たないし、そもそも建て替えるとなるとその間の対局はどうするの、ということになるので、いまの場所はそのままで名古屋に立派なものが建ってくれればこんなに素晴らしい話はないですね。

それと千駄ヶ谷には国立競技場や国立能楽堂などがあるので、国立将棋囲碁会館みたいなものがあっても良いと思うのですよね。
これは夢ですが、前からよく言っていることでもあります。
全国1000万人の将棋ファンが声を上げれば実現するかもしれません。夢は大きく!

津田塾大学

今日はこれから久々に千駄ヶ谷へ。
と言っても向かう先は将棋連盟ではなく、津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス祭にて指導対局のお仕事です。

大学の学園祭には何度か行ったことがあって、もうだいぶ前ですが多摩大学でも指導対局をしたことがありました。
学生時代にはあまり行きませんでしたので、大人になってからご縁があるというのは嬉しいことですね。

こちらは囲碁将棋部のtwitter。

ちなみに昨日は堀口先生とカロリーナでした。
師弟2組でお世話になります。

津田塾大学との提携のことは、以前もブログ記事で一度取り上げました。
(調べてみると4月26日でした)

今回初めてお伺いできるので拝見できるのではないかと楽しみにしているのが、英訳パンフレット。
日経にも取り上げられていましたので記事をご紹介しておきます。
キャンパス発 この一品将棋 Shogi(津田塾大) ルールや作法、英語で解説

2020年に向けて、将棋界としても大きな協力者を得たと言えそうです。

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昨日はスカイツリーで食事してきました。
わりと近くに住んでいたときは行くこともなかったのに、離れてから行くことになるというのは面白いものです。
でもまあ、ありがちなことですかね。

想像していたほどは混雑していなくて、良い時期だったのかもしれません。
10分待ちぐらいで上に行けました。
天気の良い休日でしたが6月は祝日がなくつまり連休もないので旅行者は比較的少ないのかも?
外国人観光客は多かったです。

義理の両親が今年で金婚式なんだそうですが50年ってちょっと想像つきませんね。
一度は行っておきたかったので機会ができて良かったです。

では、お仕事行ってきます。

世代考

昨日も書きましたが現在は自分の一回り下ぐらいの世代の層が非常に厚く、将棋界を盛り上げてくれています。

この一連のインタビューはすごかったですね。(リンク先は高見叡王)
将棋界・20代の逆襲(ライブドアニュース)

当たり前ですが同じ世代のライバル関係にある棋士同士でも、モノの考え方や将棋への取り組みは一人ひとり違って、将棋界はそのそれぞれの個性によって支えられている世界と言えます。
そして共通して思うことは、みんな自分について語らせれば本当はとても雄弁で、語るべきこと、語る言葉をたくさん持っているということ。
豊かな思考の発露を非常に興味深く読みました。
とても長いですが数行に1回ぐらいは刮目すべきワードが出てきて息もつかせぬ迫力がありますよ。

自分たちの世代の10年ぐらい前を思い返してみると、こんなにも世間から「棋士」という存在が注目を集めることはなかったですし、将棋界の中に限ってみても、こんなふうに取り上げてもらえることは少なかったように思います。
だから語る言葉を持っていても、語る機会は少なかった。
少なくとも、同世代の棋士の声をこういう形で読む機会は、あまりなかったように思います。

だから現在の状況はただ羨ましくもありますが、20代が活躍するのは当たり前の世界なので、後輩たちの活躍を横目に見つつ、自分に良い刺激になるよう心がけていきたいなというのが、30代半ばになった自分がいま、思うことですね。

「好き」に囲まれた棋士人生から伝えられること|プロ棋士から君へ
同世代の遠山六段の寄稿。

良くも悪くも20代のときと30代では棋士という職業に対する捉え方も変わってきて、こういう文章はそれなりにキャリアを重ねないと書けないのではないかなと思います。良記事でした。

彼とはもう10年来、お互いブログ仲間でウェブ上でもよく知った間柄なだけに、こういう改まった文章を読むのはなんだか新鮮な気もします。
最近は千葉さんが竜王戦で優勝したり、後輩世代ほどではないにしても同世代がそれぞれに活躍(健闘?)しています。
後輩の活躍が刺激になるのとはまた違った意味で、同世代の活躍は励みになります。
自分も見習って頑張っていきたいと思います。

棋士生活はまだまだ長い(つもり)です。
40代になった自分はまだまったく想像がつきませんが、20代の頃があって、いまがあって、その先があると思うので、気を抜くことなく、息の長い活躍ができるようにというのが最近よく思うことです。

そういえば今月は後輩との対局が続きます。
勢いに押されないように、30代の逆襲を目指しますよ。

新タイトルホルダー

日本を離れていた1週間ほどの間に、2人のタイトルホルダーが新たに誕生していました。
2人とも自分から見るとだいたい一回り下ぐらいの世代で、藤井君が注目されつつも、将棋界全体で見るとしばらくはこの世代を中心に動いていきそうな感じがします。

先週木曜日のマイナビ第4局、大熱戦の末に西山さんが勝って新女王に。
序盤の△5二飛は珍しい手ですが、自分も似たようなことを考えたことがあったので、やっぱり自分が思いつくような手は他の人も考えるのだなあと思いました。
中終盤は形勢が何度か揺れていたと思います。
最後まで見ごたえのある将棋でした。

土曜日は叡王戦で同じく第4局、こちらは高見君がストレート勝ちで新タイトルホルダーに。
本局もまた、終盤での逆転でした。彼らしい内容だったように思います。
この風変わりな矢倉の序盤は、僕にはちょっとよくわからない。
これが新時代を築く若者の、近未来の将棋なのかどうか。今後に注目です。

「矢倉は終わった」のが増田君で、その矢倉でタイトルを取ったのが高見君。
ですが、本局を矢倉と表現するのであれば、雁木も矢倉と表現しても良いような気も、しなくもない。
矢倉模様の序盤のバリエーションは案外昔から広いですしね。
「がっぷり四つ」と表現されたような、お互い金矢倉に囲う形は減っていますが、いずれまた復活することもあるのではないかと個人的には思っています。

 

西山新女王は慶応在学中、高見新叡王は立教卒ということで、いずれも六大学出身です。
自分より後輩のタイトル獲得者は他にも中村王座や、以前だと糸谷八段(竜王)・広瀬八段(王位)など大卒の棋士が多いですね。
今後もそういう傾向が続くかは分かりませんが、学業と本業を両立している棋士がこれだけいるのは、素晴らしいことです。

この1週間は他にも名人戦第5局や竜王戦の組決勝など、大きな対局が多くあり、毎日目を通していました。
海外でもニュースや中継を観ることができるのは、本当にありがたいです。
明日・あさってあたりは最近の面白かった記事などを取り上げようかなと思っています。

では今日はこのあたりで。