私は泣いたことがない

昨日の旅のお供は「中学生棋士」(谷川浩司)
藤井四段を中心に、ご本人を含む5名の、中学生でプロ棋士になったスターたちの物語です。

藤井君の幼少期の話がいろんな媒体で語られるようになって久しいですが、必ず出てくるエピソードが、詰将棋能力のすごさと、あとはよく泣く子だったという話。
谷川先生にとっても、初めての指導対局での出会いは、印象深いものだったそうです。

こういう本を読むときはやっぱり、自分と重ね合わせながら読む部分が多くて、当然ながら自分も他の棋士(トップに限ったことではないと思う)との共通点は多いのですが、明らかに違うなと思うのが、僕はあまり泣かない子だったなあということ。
身の周りを思い出してみても、兄弟子の山崎君もわりとよく泣く子だったし、弟弟子の糸谷君はそれ以上でした。
たしかに、奨励会の対局で負けて泣いている子は他にもいました。
自分が棋士としての才能に欠けていると感じることはそれほどない(逆に才能があったと思うこともない)のですが、この点だけは、他の棋士と明らかに違うようです。

 

そんなわけで、棋士のこのテの新書を読むと、いつも脳内に中森明菜が流れます。
まあ、「ない」は大げさなんですけど、はっきりと自分の記憶にあるのは数えるほどしかないので。

子どものころ、実は私も将棋に負けて泣いたことは数知れない。泣くほどに負けず嫌いであることは、将棋のプロになろうとする子どもにとっては才能の一つでもある。プロ棋士も、負けても悔しくなくなるようであれば、引退を考える時期だ。

たしかにその通りだなと思いつつも、勝っても負けてもわりと淡々とブログで振り返ったりもできる方ですし、いろいろと考えさせられてしまいます。

もっとも泣く子が必ず強くなるかというとそんなわけもなくて、大切なのはバランスなんでしょうね。

嬉しさや悔しさを感じることで、将棋が強くなるためにはどうしたらいいかと真剣に考えるようになる。そう考え始めれば、強くなるための行動を子どもは自発的に始める。楽しい、嬉しい、悔しいという三つの感情が、バランスよく子どもの感情に配分されると、その子の将棋は長続きする。

藤井君に関する書籍は夏頃から目立つようになってきていて、だいたい目を通しているのでまた機を見て紹介したいと思います。

藤井四段が高校進学を「最善の一手」にするには
奨励会同期入会の、後藤元気君の記事。
3ページ目の最後に自分の名前が出ていたので、ご紹介しておきます。

自分によっては昔話のような感じでもあるのですが、こうやってときどき、名前を出してもらえるのはありがたいことだと思っています。
これからもたまには、周囲を驚きザワつかせるような活躍をしたいものです。

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