最近の中継

しばらく中継の話を書いていなかったので、先週行われた対局の結果など。

朝日杯は火曜と金曜にそれぞれ久保王将と広瀬八段が勝ち上がって、これでベスト4が出そろい。

久保ー三枚堂戦は玉頭での攻防が印象的な大熱戦でした。
片銀冠vs左美濃だと、3枚くっついているほうが普通は堅いわけですがああいう展開になると居飛車も大変です。
玉と反対側の駒は取らせて急所に手が行く、振り飛車の極意を見た気がしました。

広瀬八段は王位と棋王を連破。
1日でタイトルホルダーを2人破るというのはめったにないことで、すごいですね。
準決勝・決勝もそうなる可能性がありますが、果たして。
渡辺ー広瀬戦は最近の相居飛車の中でも最新形のひとつなので、今後も公式戦で現れると思います。
定跡通は要チェックの一局です。

 

木曜日は自分も対局で、帰宅中に観てみると、斎藤ー木下戦と南ー安用寺戦(いずれも竜王戦)が目を引きました。
前者は菅井流の出だしから木下七段がうまく駒をさばいて快勝。
連勝中で勢いのある若手棋士が、ベテラン棋士に力を見せられるというのは、将棋界では繰り返し見てきた光景のひとつ。
プロ全体のレベルの高さを証明する一面です。

後者は後手番の三間飛車に対して先手が5筋位取り。
この戦型が中継されるのは、かなり久々のこと、もしかしたら初めてということはないでしょうか。
位取りはすっかり見なくなった戦型でも、やっぱり有力なんですよね。

最近振り飛車の好局が多く、観ていて楽しいです。
今週他だと24日の深浦ー鈴木戦と、藤井ー黒沢戦は面白かった。
振り飛車御三家、という言葉を最近は聞かなくなりましたが、あの頃と同じでいまも僕は参考にしていますし、強くなりたいアマチュアの方にはぜひ、中継局を通じて自分のお手本を持ってほしいと思います。

 

王座戦は一次予選決勝と二次予選が並行して行われているところ。
火曜日の屋敷ー飯島戦は、自分の相手が決まる一戦なので注目していましたが序盤から終盤まで、とにかく難解な将棋でした。
久々にA級棋士と対戦できることになったので、いまから楽しみにしています。

藤井四段はここでも安定した指し回しで勝ち抜け。
夜戦に入っても全然集中力が切れない感じなのがすごいですね。
よく聞かれる質問「(藤井四段が)最短でタイトルを取るとしたら?」の答えは、現状だとこの王座戦になります。
道のりは遠いですけどね。

 

今日の王将戦第2局は四間飛車vs居飛穴。
金銀4枚にがっちり囲われてはいたけれど早くも穴熊玉に王手がかかり、こうなると振り飛車を持ちたいように思います。

女流名人戦第2局は駆け引きの末によくある石田流vs銀冠の対抗形に・・と思っていたら▲7六銀と意外な手が出ました。
やや珍しい指し方なので、準備があったのかどうか興味深いところです。

どちらもお昼すぎには勝負所を迎えると思うので、注目しましょう。

 

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