王位戦、将棋年鑑

王位戦第3局は初日から最後までずっと、見ごたえある熱戦でした。

まず、あんなに早いタイミングで▲5五銀とぶつけた手(31手目)は、あまり前例のない指し方。
対して後手が一方的に銀を盤上に手放すというのも、部分的に珍しい攻防。
その直後、戦いが始まっているのに先手が穴熊を目指したのもけっこう斬新。
あの一連のやり取りでバランスが取れているというのは興味深いと思いました。

2日目午後は長い長い終盤戦。
勝負どころは100手を過ぎてからだった気がします。
127手目の▲1八金という手は、観ていて意味が分からず、しばらく進んでみると納得の一着でさすがと思いました。

126手目△1九飛のところの感想戦コメントに書かれている変化図。
こう進めていれば▲4一と以下後手玉に詰みあり、しかし超難解で読み切れるものではなく、しかも詰まないと即負け。

この図と本譜との大きな違いは、135手目▲2九桂の受けが利くこと。
つまり1八の歩にはヒモがつけられないけど、1七の歩には(玉に迫られているように見えて)実はまだ受けが利く、ということなのですね。
ギリギリのところで一手残す、振り飛車の奥義を見た気がしました。

非常に面白く、興味深く、また勉強になる一局でした。

 

昨夜は将棋年鑑が届いたので、いつものように棋士名鑑(アンケート)の項目から目を通す。
一応僕も欠かさず回答しています。

面白いなと思ったのは「注目の戦法」(質問④)で「三間飛車」とか「ノーマル振り飛車」が票を集めていたこと。
でもみんなそのわりには指してないと思うんだけどなあ。
トップ棋士は基本的に居飛車党が多いので、もっと振り飛車がプロ間でも活躍できれば、将棋界もよりいっそう盛り上がるのではと思います。

巻頭特集とかも、近年の将棋年鑑は特に充実していますね。
後で読もう。
と思ってるだけだとすぐ忘れてしまうので、ここに書き残しておきます。

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