棋王戦の本戦ベスト8の一局でした。
いままでで一番上まで勝ち進んで、本局もチャンスはあったのでいまもって非常に残念です。
この将棋は負けておいて言うのも何ですが非常に良い将棋だったと思います。
中盤は有力な選択肢が多く、どの手を選んでも難解であったりとか、逆に選択肢自体がなかなか浮かばないような難しい局面・形勢が続きました。
終盤までずっとこちらのペースではあるもののある程度均衡が取れていたのだと思います。
いろいろ振り返ってみて、自分の中で一番チャンスがあったと思うのは感想戦コメントにもある93手目の場面です。
感想戦でやった順を図面にするとこうなります。
書いてある通りここで△4七歩成は▲1四銀~▲1八飛で後手玉が詰みます。
ただそれほど厚い詰めろではないのと、△2八銀とか△2七桂の王手で詰めろが消えるのが不安でした。
(実際は▲4八玉で自玉が安全になるのがそれ以上に大きい)
また△4七歩▲同銀と一歩もらってちょうど歩が足りるのもなんだか「できすぎ」な気がしました。
しかし実際にはこの図に進む可能性が極めて高く、しかも読めていたので選んでいれば勝機十分でした。
実戦もチャンスはあったのですが読みにない手も多く、時間もなかったので間違えてしまったのは仕方ないかなという気がします。
100手目△4八銀に▲同飛を掘り下げる勇気はありませんでした。
それにしても寄る寸前に見えた玉が穴熊になったのはびっくりしましたね。
78手目の局面と、92手目の局面を比べてみてほしいです。その間、僕もそんなに間違えてなかったと思うのですが。
競り負けてしまったのは相手の終盤力が非常に高かったことによるものだと思いますし、このレベルの将棋がいまの自分にも指せると分かったことは収穫だったので、次のチャンスがまた得られるように頑張っていきたいと思います。