竜王戦など

一日遅れましたがこないだの竜王戦第5局はすごい将棋でした。

1日目から、自分の飛車の頭に角を打つ(49手目▲2七角)、あまり見ない手で中盤戦の幕開け。
そこに至るまで、序盤の駒組み手順もあまり前例のない内容でした。

2日目に入ってからもなかなか思いつきにくい手のオンパレードだったようで、対局を終えて帰る電車の中で棋譜を見て、何度も声が出そうになりました。
リアルタイムの観戦でこそなかったものの、結果は知らない状態で棋譜を見ていたので、本当に見ごたえがありました。

相居飛車の将棋で▲7一金「打」(97手目)というのは相当に出てこない符号ではないかと思います。
(▲居飛車vs△振り飛車の対抗形なら▲7一金打も△7一金打もありそうですが)
大盤解説も控室も、さぞ盛り上がったことでしょう。

一段金の妙手で思い出すのは数年前の名人戦。
結果的にこの1局で羽生三冠が4-0のストレートで名人奪取、9度に及ぶ森内ー羽生の名人戦最後の1局となった将棋です。

▲1二竜と角を取る前に▲4一金△5三玉と形を決めておくことで、後手玉を危険な状態に追い込んで▲3一角や▲7一角の王手を有効にするのが狙いです。
こないだの竜王戦は、飛車の横利きを止めるということで意味づけはまったく違いますが、角打ちの王手(▲3一角)が含みになっている点は共通でした。

今期竜王戦は羽生竜王が序中盤からかなり積極的に押している印象ですが、その中でもこの第5局は白眉の一局、会心の一局になったように思います。
第6局は指宿、奇しくも1年前の「永世七冠」誕生となった地で、大偉業の再来なるかという注目が集まります。

というか、あれからもう1年経ったのですね。
時の流れが早すぎることにも驚かされます。

 

また一昨日は順位戦も行われており、対局の多い一日でした。
A級はまさかの大逆転。またB2でも窪田ー飯島戦でちょっと見ないような劇的なトン死の決着があるなど、東京は比較的逆転の多い一日だったように思いました。

この日は自分も対局だったわけですが部屋が高雄(大広間の最上位の部屋)で、これはB2(以下)の順位戦の場合はできる限り横並びで対局するという配慮によるものでした。
特対とか高雄の上座というのは、自分ぐらいの棋士だとそれほど頻繁に座る席ではないので、見える景色もなんだか違うものですね。
大広間の他の対局はすべて八段・九段の棋士(つまり自分より高段の棋士)が上座だったので、何だかすこし申し訳ない気持ちになったのですが、対局が始まってからは集中できたので、良かったです。
そんなこんなで、印象に残る一日になりました。

では今日はこのあたりで。

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