一昨日の興奮がまだ冷めやらない感じですが、あの王位リーグプレーオフを経て今日は中一日で挑戦者決定戦なのですね。
大変な日程でしかもあの激闘を思うと、本当に棋力だけでなく気力・体力が充実されていてすごいなと心底感じます。
また羽生ー木村戦はつい先日、竜王戦の本戦進出を懸けた大きな一番で対戦があったばかりでもあります。
昨日のブログを書いたあとで、改めて会見の様子を読みました。
羽生九段の記者会見(王位戦中継Blog)
その他、もちろん各紙・各局で大きく報じられています。
非常に難易度の高い局面や状況を迎えることが多くなりました。間違いやすい局面に出会うことが多くなっているということは、ここ1年くらいの大きな流れとしてはあるのかな、と思います。
これは最近よく言っておられる印象で、僕自身もたしかにそう感じます。
何度聞いても(書いても)、現代将棋の本質を突いた一言ですね。
今回のインタビューで印象に残ったのは、まずこの2つです。
手段を尽くせば簡単には終わらないという側面もある
将棋そのものを解明しようとは思っていなくて、限りなく不可能なことと思っています
これは将棋の難易度が上がってきた、という実感ともたぶん関連しているのだと思います。
僕の勝手なイメージですが羽生先生やいわゆる羽生世代のトップ棋士の方々は、将棋を解明しようという気概を持ってやっている、という側面が強くて、その点を前面に押し出しているように感じることもありました。
それから20年あまりが経って、こういう言葉が語られたというところに年月の重みと将棋の底知れぬ奥深さを感じます。
そういえばいまの若手棋士からは自分の世代と比べても、答えを突き詰めたいという気概のようなものはあまり感じなくて、より現実的というか、分からないなりに最善を尽くすことが大切、という風潮を感じています。
そして「分からないなりに最善を尽くす」ことは、もちろんとても難しいことです。
だからこそ、こんな一言が出てきたのだと思います。
ここ最近のほうがやるべきことが多い
こんなに短くて迫力のある言葉は、いつものことながら、さすがですね。