王位リーグ 奇跡の詰み

昨日の藤井ー稲葉戦、たまたま最後の場面をリアルタイムで観戦していて、興奮してしまいました。
まさか、まさかあれが詰むとは。

改めてあの場面を思い返してみると、後手玉は離れたところから金銀3枚と馬に守られているところ、さらに角を王手で打って受けに利かしてるんですよね。
そこに至るまでに苦しい場面で手段を尽くして粘ってきた感があって、さすがの藤井君も万策尽きたか、と思った場面からの大逆転でした。
「こちらはこれしかありませんので」(113手目感想戦コメント)というのも、まあそうかもしれないけど、すごいものだなと。
良いものを見せていただきました。

王位リーグは昨日のこの将棋に加え、一昨日は3局、先週金曜日にも2局消化され一気に佳境を迎えています。
一昨日の永瀬ー佐々木戦はお互いに死力を尽くしての持将棋、からの指し直しも好局で日付をまたぐという超大熱戦でした。
現行のルールで日付が変わることはおそらく初めてのことと思いますし、今後もそうあることではないでしょう。
これも感動的な一局でした。
王位リーグでは昨年も木村九段(現王位)の将棋を中心に、驚異的な大熱戦や名局が数多く生まれており、何らかの連鎖反応が起きているような感じがします。

今期リーグ表を見てみると、紅組は永瀬二冠が直接対決を続けて制した形で、ただ一人無敗を守っています。
(※3/26追記:記述に誤りがあったので、修正しました。ご指摘ありがとうございました。)

白組は3回戦より4回戦が先に消化されていてちょっと不思議なリーグ表になっていますが、藤井七段が3-0でトップで、2-0の菅井八段との対戦がリーグ優勝を左右する一番になりそうです。

最後に、昨日は王座戦(飯塚ー渡辺戦)でも200手越えの大熱戦がありました。
1分未満切り捨てをしない現行ルールになってから、残り時間が少なくなってきたところでバタバタと手が進む現象がときどき起きているイメージで、昨日の将棋はそのあたりでひと波乱あったように見えました。

これは前にも書いた記憶がありますが自分自身は200手越えた経験はないはずで、これが2日続けて起きるというのはかなりの驚きです。
質量ともに見ごたえたっぷりの2日間でした。

今日、明日は王将戦最終第7局、舞台は佐渡。さーどーなる。

2件のコメント

  1. >>紅組は永瀬二冠が直接対決を続けて制した形で、残り2局のうち1局勝てばリーグ優勝が決まります。

    豊島竜王名人は現在3-1
    佐々木大地五段は現在2-1

    最終戦で豊島―佐々木戦が残っていますが
    どちらかは4-1でリーグを終える可能性があり
    永瀬二冠が4-1で終わった場合は同じ勝敗でプレーオフになります

    「永瀬二冠が2局のうち1局勝てばリーグ優勝」は
    誤りであると思われます

    1. 直接対決優先に変わったと理解していたのですが、4-1並びと3-2並びで扱いが異なるのですね。
      女流王位戦の例があるので同じと勘違いしていました。ご指摘ありがとうございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です