1/29 西尾六段戦

大阪王将杯の1回戦でした。
結果的に1月は竜王戦、棋王戦、王将戦と3棋戦で1回戦を指しました。
どの将棋もそこそこの内容ではありましたが、本局は、残念ながら完敗でした。

西尾さんには昨年末に先手中飛車で負けていたので、本局は三間飛車。
相手の作戦は流行の座布団金で、こちらが左金を守備につけたことで持久戦の流れになりました。
あまり前例のない展開ですが今後は定跡の整備が進むのかもしれません。

それにしてもこうした展開を、平成が終わろうかという時代になって普通に指しているのは、自分のことながら驚きですね。
振り飛車は角交換が当たり前の時代を経て、再びこういう長い駒組みが続く時代へと回帰するのかもしれません。

ここから▲6八角~▲7五歩と飛先交換を目指したのですが、これはセンスのない手でおそらく▲2七銀~▲3八金を優先すべきでした。
説明が難しい(だから指せなかった)わけですが、そのほうが駒組みのバランスが良かったと思います。
ここからすこし模様を悪くしました。
以下しばらく小競り合いが続いて次の図。

56手目の局面ながら、いまだに歩以外の駒の交換はなし。
ここから▲5八飛△5二飛▲6七金△6八角成▲同金△2五桂▲2六銀△2四歩と進んで不利になりました。
最後の△2五桂が好タイミングで、警戒はしていたのですがこのタイミングをうっかりしてしまいました。

戻って図では▲2六銀と守っておくべきだったと思います。
ただすこし形がゆがんでしまうので指しにくかった意味があります。
前の局面でとりあえず銀冠にしておけば、そういう心配はありませんでした。

こういう急戦なのか持久戦なのかよくわからない将棋は今後増えていくと思うので、そういう見慣れない将棋でも、ある程度の水準の指し手を続けられるよう精進したいと思いました。

1/23 泉八段戦

棋王戦の1回戦でした。
年末年始は、下位の棋士にとっては予選の始まる季節でもあります。

後手番で四間飛車を採用。
対して泉八段の作戦は、棒銀+箱入り娘、という見たこともないような指し方でした。
考えてみると対応が難しく、最近流行の座布団金とかもそうですが、ひと口に急戦といっても本当にいろんな指し方があるものだなと思いました。
ベテランの先生との対戦では、こういう自分の知らない指し方に出会えることも、楽しみの一つです。

この将棋は中盤、 我ながらうまくさばくことができました。

図の局面に至るまで、右辺を攻められながら4三の銀を良いタイミングで5四~6五と進出、左桂は香と交換で8四に設置。
これで玉頭攻めの態勢は整っています。
加えて飛車はうまく自陣に格納、あとはもう一手決め手が出ればという場面。

ここで△3七飛と打った手が好手。
以下は▲4四成桂△同金▲同角△3六飛成▲6二角成に手抜きで△7六銀と詰めろをかけて勝ちが決まりました。

図で△3九飛が普通ですが、それは▲7五角で飛び上がることになります。
また△3八飛はいったん▲2七銀と引かれます。この銀を取るだけなら簡単なのですが、「△3六飛成」と取ることで玉頭に利かすことが大切です。

図の局面はプロ同士の将棋としてはすこし形勢に差がついていますが、駒の損得はほぼなく、お互いの囲いもしっかりしているので、ミスが出るとすぐに難しくなる場面でもありました。
こういうところでしっかり着地を決めることが大切で、アマチュアの方の参考になる将棋が指せたという意味でも満足のいく一局になりました。

1/18 佐藤五段戦

竜王戦のランキング戦1回戦でした。

先手番でエースの中飛車を採用。
序盤はどことなく、硬くなっているのを感じました。

前局の順位戦を負けて、年をまたいで公式戦3連敗、その前含めて2勝6敗とかなり負けが込んでおり、本局には背水の陣という気持ちで臨んだからでしょう。
結果としてはなんとか勝つことができて、ホッとしました。

図は中盤すぎ、長考が続く重い時間帯を過ぎて、戦いが激しくなった場面。

すこし前からの読み筋で、実戦はここから▲5五同飛!△同歩▲4四歩△同銀▲9六桂!と進んで有利になりました。
最後の▲9六桂は珍しい筋で、これで角が詰んでいます。

ただ実は△5五同歩に代えて△4六歩!と切り返されていたらこちらが不利になるところでした。
△4六歩に▲同角だと角が詰まなくなる(△9五角と逃げられる)し、▲同銀は△3六桂の王手を利かされます。

この手には飛車を切る直前に気づいたのですが、すこし前の長考で決めていたので、これで負けたら仕方ないと決断しました。
結果的にはこの開き直りが功を奏したわけで、勝負のアヤというのは気づきにくいところに隠れているものだと改めて思いました。

終盤の場面、ここで▲2三香と攻める手を発見して、ようやく勝ちが見えてきました。どちらで取っても王手で竜を脱出することができます。

粘りを振り切っての勝利は充実感がありました。

1/8 塚田九段戦

新年最初の対局は順位戦からでした。
棋譜は名人戦棋譜速報でご覧いただけます。

後手番でゴキゲン中飛車を採用。
序盤で△5一角と引いた手(26手目)がけっこう斬新で、公式戦では部分的な新手ではないかと思います。
平成新手白書を多少、意識しました。

本局ではうまくいかなかったですが、その後、塚田ー佐々木慎戦(モバイル中継局)で似た局面が現れ、△4二角という改良案が指されていました。
今後も指される可能性のある手だと思います。

中盤の折衝でミスが出てしまい、夕休前後でははっきり苦しくなり図の局面。

ここで△6二飛と自陣に打ったのが勝負手でした。
角・金いずれを取っても、2二の飛車を抜けばお釣りがきます。
以下▲1二飛成△4二角▲2一竜、と平凡にやられて形勢は依然として悪いのですが、怪しいムードは出てきています。

ところがせっかく粘りを見せたはずなのに、大事な終盤でやらかしてしまいました。
最終手▲8四香はうっかりです。こんな次の一手をまともに食らうプロはいません。
代えて単に▲6一竜なら△同銀で、7二に逃げ道が開くから大丈夫なんですが。

気づいたのは▲9五同香の局面で、その手前で気づいていれば△6六歩(84手目)と取り込むところではとりあえず△8四銀と埋める一手でした。
形勢は相変わらず自信ないですが、その先かなり粘れたでしょう。

序盤・中盤と印象に残る手が指せたのに、終盤で将棋を壊してしまい残念な一局でした。

現在地たぶんローマ

順調ならばちょうど今頃は、ローマの空港近くで一泊しているはずです。
そこでうまく眠れれば、あっという間に時差ボケも解消なんですが。
これけっこう大事なんですよねー。
朝が来たらいよいよモンテネグロに向けて出発です。

大きな大会に参加するのにどうしても大変なのがこのフライト、特に乗り継ぎで、体力と費用と日数を要しますがこれはやむを得ません。
幸いいままでは大きなトラブルに見舞われたことはないので(成田と羽田を間違えたぐらいでw)、今回も何事もないことを願っています。

今回の大会、日本からは景山さん・望月さん・矢澤さんのトッププロ3人と、若手強豪で現盤聖の上田さんが参加で、通常のチャンピオンシップに加えて、この4人と一緒にチームを組んで国別対抗戦にも出場します。
これはかなりすごいメンバーで、将棋に例えると、豊島二冠・渡辺二冠・広瀬竜王・高見叡王・片上七段でチームを組んだような感じです。
他にも強いチームが参加しているかもしれませんが、世界最強クラスに近いチームなのは間違いないところで、このメンバーと一緒に戦えるのはとても楽しみです。

僕自身は、もちろん勝ちたい気持ちはあるんですが、できれば初めての方とたくさん対戦できると良いなと思っています。
世界大会とはいえ、普通に日本人同士で当たることもあるし、他にも見知った強豪と当たることは多いので。
あと参加できるだけでまずは勝ってる、みたいな感覚は常にあって、快く送り出してくれる妻には感謝しています。
体調に気をつけて、楽しんできたいと思います。

明日からも予約投稿で、この数か月ほどの公式戦の振り返りを入れてあります。