今日対局

王位戦で永瀬七段と。
初のリーグ入りが懸かった大きな一番です。
勝ちたい気持ちはもちろんですが、良い将棋が指せるように、自分の良いところが出せるように頑張りたいと思います。

モバイル中継もしていただけるようですので、ぜひご観戦ください。
では、行ってきます。

初段

昨日に続いて、本の話題。
以前(「近刊の紹介とか」)も取り上げた本なのですが、いまこんな企画をやっているみたいです。

将棋「次の一手」大募集~あなたの対局をプロ棋士が診断~
とても良いアイデアですね。
募集は28日までとのことなので、あと数日です。

最近の将棋界における大きな変化として、女性ファンが増えたことが挙げられると思いますが、もうひとつ感じるのは、大人の初心者が増えたことですね。
これは将棋がブームになったことに加えて、ずっと昔に比べて男の子なら誰でもルールを知っているという環境ではなくなった世代が、大人になって将棋を始めているからではないかと想像しています。

「初段」はけっこうハードルが高い、しかしコツコツやれば必ず到達できる目標でもあると思うので、こうした書籍がたくさん刊行されて読まれるようになったら良いなと思います。

なお、「初段を目指す」といえばこちらの本も。


これも以前紹介しました。
棋士はなかなかこういう目線の本を手掛けるのは難しいので、とても貴重です。

昨日は八王子将棋クラブが営業最終日ということで大きく報じられていました。
これほど惜しまれつつの引退はなかなか珍しいでしょう。
一昨日は羽生先生がサプライズで訪れたそうで、やっぱりスーパースターというのは行動に華があるなあと思いました。
注目の肩書は、どうなるのでしょうね。

そういえば、いまは「初段」を取るにも場所が将棋道場とは限らない時代かなと思います。
普及の形も時代とともに変わっていきますし、それはそれで自然なことでしょう。
では将棋道場に代わるような「場」をどう作っていくか、は大切な課題ですね。

入玉

世間はクリスマスだそうですが、僕自身は通常営業で昨日・今日は休みを利用して本の仕事など。
ディナーは一応先週中に行きました。当日は混むでしょうから、外出しないのが手筋です。
その他に大掃除をちょっとだけ手伝ったりとか。年賀状はあさっての対局が終わってからですね。

先週はA・C1・C2と順位戦があったわけですが、C1の豊川ー小林戦、C2の井出ー佐々木戦はいずれも入玉をめぐる攻防が面白い一局でした。
将棋は基本的に玉をしっかり守って戦うので中段に出てくることは珍しい(危ないので)ものの、攻撃陣をかいくぐって敵陣に到達すれば勝ちになることが多いです。

この2局はいずれも先手玉がつかまらず、前者はそれがそのまま勝ちにつながり、後者は犠牲を払いすぎたためにその後相入玉で点数が足りず。という結末でした。
入玉できるかどうか、というところの攻防はハラハラドキドキで面白いものです。

なぜ、こんなことを書いているかというと最近読んだ「入玉の極意」が非常に面白かったので。
杉本さんの本はいつも内容も伝え方も参考になるので、とてもオススメです。
ちょうど順位戦の日に、とある後輩の棋士も絶賛していて、やっぱりそうなんだなと再認識しました。

本を書いていると本を読む時間が取れない、という話は何度かブログに書いていますがそう言いながらけっこう目を通しています。

自分の本はなるべく今日中に必要な作業は終わらせる予定なんですが、もう1~2回は校正が必要になるので、出来上がるのは2月になると思われます。
ようやく追い込みと言える段階に入っていて、お届けできる日が待ち遠しい今日この頃です。

U-18 将棋スタジアム

昨日は表題の大会で指導対局を務めておりました。
この大会は東京都スポーツ文化事業団の主催で、今回で14回目を数えます。
昨年のみ会場(東京武道館)の改修でお休みでしたので、15年目ということになりますね。

申し込みは800人を越えていたそうで、これはJTの子ども大会に次ぐ規模です。さすがに壮観でした。
それでも東京武道館は職団戦(だいたい400チーム参加なので×5で2000名超)でも使わせていただくような会場なので、まだまだ余裕がありそうでした。
今後は1000人の大台突破が目標となるでしょうか?

指導対局は午前午後でちょうど30局ぐらい。6枚落ちが中心で、よく負けました。
おかげさまで本当に子ども大会の数も増え、プロ相手に駒落ちで挑む機会も増えたと思います。我々にとっても、将棋を楽しむ子どもたちにとってもこんなに良いことはありません。
みんな切磋琢磨してこれからもっともっと強くなってくれたらいいなと思います。

告知をひとつ。
10月のある日、囲碁将棋chで講座を収録しました。
一人で担当するのは初めてのことで、自分にとっても新鮮で、また大変でした。
頑張った甲斐あって、なかなか良い仕上がりになっていると思います。

1本10分の短い講座が13本で1セットになっていて、毎週火曜日の夜に放映となっています。(再放送もあり)
初回は元日1月1日の21:45~となっています。 番組表
ぜひご覧ください。

新竜王

昨日は出演を終えたあと、午後はずっと自宅で竜王戦を観戦していました。
よくわからない難解な展開がずっと続いていて、自分の目には挑戦者のペースに見えている時間が長く、しかし逆の見解が書かれている場面も多くありました。

▲3五銀(117手目)と打ったあたりで先手が抜け出したのかなと思ったのですが、感想戦コメントによるとそこで△4三金なら難しかったとのこと。
この時点で一局の平均手数に達しているわけで、いかに難しい将棋だったかが分かります。

今期の竜王戦を振り返ってみて気が付いたのですが、第6局まで手数の長い3局を羽生竜王が取り、短い3局を広瀬八段が取っていたのですね。
第7局はそのどれよりも長い対局(167手)になりました。羽生竜王としても、特に力を振り絞った一局になったと想像します。

広瀬竜王といえば初タイトルの王位のイメージが強いですが、あれはもう8年も前のことになるのですね。
あのとき、初タイトル獲得を決めた一局も、161手の長手数でした。
また今期竜王戦では、挑決第2局の二転三転した将棋を、231手の長手数で制したのが特に大きかったような気がします。
やはり将棋は情念のゲームなんだな、と改めて思いました。
新竜王、おめでとうございます。

今年ももうすぐ終わりますが、8つのタイトル戦のうち後半の4つはすべてフルセットになり、すべてタイトルが移動したことになります。
昨年は将棋界にとって大ニュース続きでしたが、今年も負けていないような、激動の年になりましたね。

羽生さんの国民栄誉賞に始まり、8冠を8人で分け合う時期を経て、羽生さんの無冠で終わるとは、誰が一年前に想像できたでしょうか。
あと、下関で七冠になり、下関で無冠になる、というのも歴史の不思議を感じます。

他人事で語ってばかりいてはいけないとも思うものの、素晴らしい将棋を見せていただいて感動する気持ちや、歴史に立ち会える喜びは人並み以上です。
これからも楽しく将棋に向き合っていきたいと思います。

(追記)
中継ブログに会見の内容が掲載されていました。

こういったときに結果を出す人が勝ち残っていく世界だと思う

最後まであきらめてはいけないというのは当たり前のことなんですが、その原点を意識したのがよかった

といったところが印象に残りました。
「鷹揚」という言葉はたしかに新竜王にピッタリで、しかし同時に勝負への執念もはっきりと見て取れた名シリーズでした。