2月号の表紙はもちろん羽生永世七冠。
記者会見を見たときにも書きましたが、今回の永世七冠には普段淡々とされている羽生先生も、さすがに深い達成感を覚えておられるように感じます。
インタビューもいつも以上に興味深く読みました。
これまでのことや世代論、AIのこと、そして具体的な将棋の戦術に関することなど、必読の内容です。
先手番が難しい時代なのは自分も感じていて、そもそも主導権という概念が人間特有のものなので、そこに(感情のない)コンピュータ由来の局面評価が主流になりつつあることとの、ギャップがあるような気がします。
他にも豊島八段や藤井四段など、インタビューなどの読み物系がとにかく読み応えがありました。
藤井四段の
「対局は別に増えても苦にならないです。公式戦で対局することで、検討(研究)の材料になるので」
という一言は何気ないようで重要で、これからはこういう「トライ&エラー」式の勉強方法が主流になる(というかもうなっている)のだなあということを実感しました。
バックギャモンの世界では、「自分のプレイした棋譜をソフトに解析させて、エラーがついた部分を見返す」というのが一番の勉強法なのですが、将棋でも長い目で見れば、やがてそれと同じになっていくのでしょう。
将棋の場合、現在のソフトが出す評価値そのものは、将来的には必ず変化することが決まっているので、そこをどう評価するかが難しい問題なんですよね。
最近よく思うに、プロがさらに棋力を高めるために「ソフト相手に有意義な感想戦(局後検討)ができる」という能力が重要になってきています。
そのノウハウをそれぞれがバラバラに考えるようになって数年、方法論はいまだ確立せず。というのが現在の将棋界の実情だと思います。
子どもに「プロ棋士になりたい」と言われたら 親の心得
朝日デジタルの記事をご紹介。
以前も書きましたが地方からプロを目指すというのはなかなか大変なことで、石田君自身も語っているように親御さんはさぞ大変だったことでしょう。
僕は広島市内だったので彼らとは比べものにはなりませんが、両親にはとても感謝しています。
朝日デジタルは最近将棋の記事が特に多く、目を通し切れていないものもあるのですが本当に力を入れていただいている印象です。
「名人への道」の特集など、今後の展開にも注目しています。
今日・明日の日・祝で王将戦第1局、舞台は掛川。
タイトル戦の開幕で、ああ今年も始まったんだなあ、と改めて実感しますね。
再び将棋世界ですが、久保王将が藤井四段との対局のあとに語った
「彼は将棋を指すだけで普及になるのがすごいところ」
という一言は印象に残りました。
タイトル戦というのはまさにそういう舞台で、今期の王将戦もきっと面白い振り飛車が観られると思います。