久々の勝局です。
この将棋も後手番になり、前局に続いて角交換振り飛車に。
ただ本局はこちらから目指したというよりは、駆け引きがあってそうなったという感じです。
振り飛車をよく指すようになって1年経ちましたがさばきの感覚が身についてきているのかどうか。
もちろんプロだから何でも指せるのは当然ですがプロとして通用するレベルなのかどうかが大事です。
結果から見る限りでは、ギリギリのところでしょうか。
図は馬作りの代償に飛車を飛び出した局面。
まあまあなのかなと思っていたのですが、ここで▲3八飛!とぶつける好手を完全に見落としていました。
ただ改めてこの局面を振り返ってみると、その手を見落としていなくても、ちょっとこれでさばけると判断するのは無理がありそうです。
つまりもともとの大局観に問題がありすぎました。
この将棋も完敗かと気落ちしていたのですが、そこから逆転するのですから勝負というのは分からないものです。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という名言を思い出しました。
竜王戦はここ数年ずっと特に不本意な将棋が続いていて、この将棋を順当に負けていれば再び降級の危機だったので、残留は喜ぶべき結果にはほど遠いですがホッとしています。
まずは再度の昇級を目指して、今期は巻き返していきたいです。
ところで、本局のしばらくあとに静岡で解説会のお仕事をいただいた際に、自戦から次の一手の問題をお願いしますと言われたので、本局の終盤の場面を取り上げました。
(↓後手番)
▲7一銀で後手玉はかなり受けにくい状況。
ただしまだ詰めろにはなっていないので、うまく先手玉に迫るか攻防の手がほしいところです。
正解は数日後にコメント欄に書きます。
実戦できちんと読み切ることができて、反省点の多い一局ではありましたが着地は良かったです。
図から△6九竜!と切ったのが決め手で、実戦は▲同銀に△7七銀までで投了となりました。
以下は▲同玉に△6五桂と王手して、▲6八玉は△7七角、▲7八玉は△7七金から詰みます。
△6九竜に▲8二銀成と来ても△同玉▲9三馬△7二玉で、ちょっと怖いところもありますが後手の勝ち筋です。