3/18 瀬川六段戦

王将戦の1回戦でした。

図は対局翌日にも触れた、「筋違いに打った角がトン死しそうになった」場面。

アンタいったいどこから来たの、という感じの角冠。玉頭薄い。
ここまでの流れとしては
▲5六角と打って7四と3四の歩をパクパク(ありがち)
→8四飛の横利きで狙われる(ここまでは想定内)
→△5五歩~△3三桂!で退路を断たれる(見落とし)
→たまたま端の位を取ってたので▲1六角と逃げる(ふぅ)
→当然△1四歩と逆襲される(あちゃー)
→命からがら自陣に逃げ帰る(やれやれ)

というわけで、序盤の大きな主張点であった玉側の位を手順に取り返され、向こうだけ角を手持ちにしたままで、良いところがありません。
もし▲1六歩~▲1五歩の2手を指していなかったなら、いまごろ後手の持ち歩がこちらの1七にある計算ですからね、まったくもってひどい話ですよ。

・・・と思ったのですが、うちのソフトはこの局面を互角と判断します。意味分からん。
思うに、コンピュータもだいぶ強くなってるはずとはいえ、まだまだ形勢判断が甘いところがあるようです。

実戦はここから100手以上戦いが続き、当然ながらその過程ではいろんなことがありましたが、極端に不利な局面はそれほど多くはなかったようです。意外なことでした。
終盤はフラフラになりながらも、残していたという流れで、これはまあ予想通り。
それでもこの手が疑問だった、と結論づけた手がソフトの第一感だったりして、この将棋は判断が一致しない場面が多かったです。
形勢判断、大局観の難しさを改めて感じました。

今年度最後の対局だったので、白星で締めくくれたことは良かったです。

2/29 中川アマ戦 好局振り返り

本日、モバイル中継の「好局振り返り」のコーナーで取り上げていただいています。ぜひ、ご覧ください。

たぶん対アマ戦がこのコーナーに掲載されるのは初めてではないかと思います。
プロアマ戦でプロが勝って自慢しているようではいけませんが、自薦ではありませんので、その点はご了承を。
将棋の内容としては、なかなか面白い将棋で、取り上げられているのも納得してもらえると思います。
あとアマチュアの方の対局は主催紙等に観戦記が掲載されることが多いところ、この将棋はそうでなかったというのもあるかもしれません。

最近のブログでは通常、後日の対局振り返りは図面を入れていますがそちらで代えたいと思います。
110手目以降の端の攻防が本局の見どころで、勝負所でもあり、そこでうまく指せて抜け出すことができたという内容の一局でした。

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最終手のインタビューについて、自分も棋士になって10年以上が経ち、と思っているうちに15年以上が経ち、何をモチベーションにして指していこうかなと考えたときに、最近はそうなっているという話です。
最近はソフトの影響でプロの将棋も様変わりして、もちろんレベルも向上して、いままでにない手がたくさん出てきていますが、半面アマチュアの方を置いてけぼりにしてしまっているところはあります。
もちろん誰もそんなつもりはなく、一生懸命最善を尽くしているだけなので仕方ないのですが、結果として。

いま、タイトル戦をはじめとするトップ棋士の将棋を観戦して、それを自分の棋力向上に役立てるというのは、かなり難しくなってきています。
では昔はどうだったのかというと、微妙なところかもしれませんが、少なくとも観戦や棋譜並べは、棋力向上のための有力な勉強法と考えられてはいました。

こうした時代の変化に伴って、解説とかもやり方がどんどん難しくなってきていると感じます。
僕自身は解説を務める機会はなくても、棋譜やあるいは番組を観ていて、これはどう解説したものか難しいだろうなと、自分事として考えることはよくあります。

棋士としてやはり将棋を観てもらいたい、棋譜に注目してもらいたいという思いと、こうした状況に一石を投じたいという気持ちがあり、それをモチベーションにして自分なりに努力しています。
結果として自分の将棋を参考にしたり、マネしてみようと思ってくれる人が一人でも増えれば、自分にとって励みにもなるし、嬉しいことです。

またそうした将棋を観戦記やモバイル中継で見てもらえるように、これからも頑張っていきたいと思います。

コロナの影響

東京都の外出自粛要請が出てからというもの、自分自身も対策レベルを一段引き上げることに決めました。
外食はなるべくしたいけど1人だけもしくは妻と2人だけで、それ以外の外出は散歩と買い物と対局のみ、という形でしばらく生活することになりそうです。

個人的には、それで特段の不自由はありません。
気持ちが落ち着かないとか、勉強していてもモチベーションや集中力が高まらないといった問題はあれど、世の中の多くの人に比べたら、かなり恵まれた立場と言えます。
置かれている境遇と、健康に感謝して、日々を誠実に過ごしていきたいと思います。

棋士イベント次々中止、碁会所・将棋道場も打撃(朝日新聞デジタル)
当然ながら、人ごとではありません。
棋士は個人差が大きい世界なので、中にはスケジュールが真っ黒だったのが真っ白になった、という人もいると思います。
当然ながら収入にも直結してきます。

特に教室やイベント等の経営・運営をしている棋士や、指導・出演機会の多い女流棋士は大変だと思います。ファンの方も、連盟も、そういった方々のことを支援してあげてほしいです。
自分自身は、合宿が1件と企業の指導が1件、中止・延期になりました。残念なことではありますが、少なくとも向こう1年くらいは、仕事の機会が減ることは覚悟しています。

人の移動を制限するということは、マスに向けたビジネスが難しくなり、それぞれが住んでいる地域ごとに経済圏を形成していかないといけなくなるということでもあります。
特に身近な棋士・将棋関係者が近くにいる、あるいは飲食店、もちろん他のフリーランス・小規模店舗等に類するものがある方々、それぞれが何らかの形で、お金を落とす工夫をしていただけたらなと、心からお願いします。

GW恒例の森一門祝賀会も今年は中止になりました。
ホテルや宴会場でのパーティーは、感染症防止の観点からは今後も開催がかなり難しくなりそうで、何か解決策はないものか、自分でも考えていますが相当な難問です。
これは社会全体が徐々に変わっていって、落としどころを探っていくという話のような気がします。

最近は気が気でないのでニュースを読む/見る機会が増えており、できる限り専門家もしくは当事者の一次情報に接すること、それと自分ならどうするかを考えること、この2つを意識しています。

では今日はこのあたりで。

防衛

王将戦第7局、渡辺王将が熱戦制し防衛、三冠堅持。
最後はさすがの底力、勝負強さでした。
2日目午後からは形勢は難しいけど勝ちやすい展開、という状況を維持したままゴールにたどりついた、という内容だったように思いました。

現在複数冠保持者が渡辺三冠の他に豊島竜王・名人と永瀬二冠の3人ですが、最近の将棋を見ていると3人とも苦しい場面はありながらも最後は勝ち切る、という内容が多い気がします。 
競ったときに実力を発揮し切れるというのは本当にすごいことです。

棋聖戦はベスト8が出そろい、と昨日書いたばかりでしたがそのうちの一局が昨日さっそく行われ、ここでも永瀬二冠がベスト4一番乗り。
春は豊島名人ー渡辺挑戦者、永瀬叡王ー豊島挑戦者のタイトル戦が行われるので、これでもし渡辺棋聖ー永瀬挑戦者になれば、完全な三つどもえです。
もしそうなったらさすがにちょっと信じがたい話、だったのがだいぶ現実味を帯びてきました。

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突然ですが、またこんなところでひっそりとではありますが、連日必死で頑張っておられる医療・救急従事者、関係者の方々に感謝を。
薬局やスーパーで働いている方々へも感謝と、労いを。
何ができるわけでもないですが、一言お伝えしたいなと思います。

長期戦必至の現状、自分自身もできる限り心身を大切にして、直接のお世話にならずに済むように、またウイルスの蔓延を防げるような行動を、日々心がけていきたいと思います。

新記録とか

昨日書きそびれてしまいましたが、藤井七段が「3年連続8割越え」の新記録、これもまたすごいですね。
将棋の内容に気を取られてウッカリ(?)してました。報道量もかなり多かったように思います。

そもそも年間勝率8割というのは、連続とか抜きにしても羽生九段の3回が最高とのことですから、まったくもってとんでもない記録です。
そしてそれでもなお、藤井七段の通算勝率は徐々に下がっていっているそうで。言葉もありません。

プロの世界で、勝率8割というのは一時的にでも大変です。良いところ取りで8-2くらいはたまにあっても、16-4となるとけっこう高勝率の人でもなかなか出ないはずです。
通算勝率で8割以上をいつまでキープし続けるのか、というのもこの先見どころの一つになるかもしれません。

あと棋聖戦はベスト8が出そろいました。
藤井七段はこちらでも勝ち残っており、タイトル挑戦の最年少記録更新に期待がかかります。
昨日書いた王位リーグと合わせ、2度の菅井ー藤井戦に要注目です。

本戦1回戦の将棋はかなり戦型も展開もバラエティに富んでいた印象の中、特筆すべきはやはり久保ー山崎戦でしょうか。パックマンには驚きましたね。
その後もいったいどこで将棋を覚えたのか、という見事な指し回しで感嘆とはこのことでした。

王将戦第7局は初日からまさか、というほどの激しい進行。
先手の踏み込みは意外でしたが、これしかない、ということなのでしょう。
封じ手からすこし進んだ現局面(61手目)は、玉の堅さを実戦的な勝ちやすさと評価して渡辺好み、という感じもするものの、形勢としては後手がすこし指せそうな気がします。
ただこの後はすこし流れが穏やかになりそうなので、終盤までややこしい局面が続きそうです。

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東京都は外出自粛要請。かなり大変なことになってきました。

僕の生活の中に、不要不急でない用事はほとんどないので、しばらくはほぼ人と会わずに過ごすことになりそうです。
結果として妻と2人で過ごす時間が増えますね。

自分の理解では、外出することそのものに問題はなく、とにかく「3つの密」を避けることが大切です。
これは一人ひとりが意識すればほぼ100%実現可能なので、心がけたいし、周りの人にも絶対に心がけてほしいです。

では、不要不急のブログ更新、今日はこのあたりで。