今日は叡王戦の対局で、14時から八代六段と。
勝つと19時から澤田六段との対戦です。
午後からの対局や、勝つとその日もう1局というパターンは経験がありますが、1局勝つと次はニコ生放映・モバイル中継があるというのは、自分にとっては初めてのケースです。
相手は若くて強いので大変ですが、高みを目指して頑張りたいと思います。
台風は無事過ぎ去ってくれたようで一安心。
お昼からの出勤なのでそれまでは家で詰将棋を解いて英気を養うことにします。
将棋棋士・片上大輔の対局と日常など。
昨日はまた、将棋界にとって明るい話題がありました。
藤井七段効果で将棋人口170万人増の700万人に…「レジャー白書2018」
レジャー白書の数字は、実感としてはよくわからないところもあるものの、やはり唯一の調査結果なのでいろんな記事で引用されることも多く、毎年気にかけています。
おそらく昨今の将棋ブームが反映した結果なのだろうと考えると、とても喜ばしいニュースと思います。
逆に、囲碁の数字が非常に小さいのは驚きました。
実際はもっと多そうな気がするんですが。
麻雀はどうなんでしょう。
「Mリーグ」の発表もありましたし、ある程度近い世界の動向は、詳しくは知らないもののやはり気にかけています。
昨日に続いて将棋年鑑の話題ですが、「将棋ブームをどのようなときに感じますか?」というアンケートがあり、自分は「クイズ番組を観ていて問題や答えに棋士や将棋に関することが使われている時」と答えました。
将棋と直接関係ない番組・メディアで、ちょっとしたことで使われる機会が増えていると感じています。
僕はクイズ番組を例に挙げましたが他にもワイドショーとか、CMとかいろんな答えがあり、興味深く読みました。
こうした答えの数々を見ていても、(言葉の使い方としては多少違いますが)「メディアミックス」が自然と起こっていることを感じます。
半年ほど前、こんなアンソロジーが出ていたので最近になって読みました。
こちらは小説×将棋です。
将棋とミステリーというのは、昔から相性が良いもの、というイメージがあるのですかね。
古い作品が多く、たとえば「詰将棋殺人事件」という作品には将棋連盟の「代理部」が出てきたり(昔は「販売部」のことをこう呼んだそうです。知ってる人はどれぐらいいるのだろう?)、「棋士手帳」には棋士の住所が普通に記されていたりと、時代を感じさせます。
いまでは考えられない、当時の状況を知るのに、小説作品というのは案外貴重なのかもしれないと思いました。
解説文には、大山先生と横溝正史の意外な縁についても記されていたり、知らないことが多くて面白かったです。
このアンソロジー、実は装丁を知人が担当しているようでした。
ひょんなところで、お名前を見つけるというのはなんだか嬉しいものですね。
将棋系のアンソロジーは他にも例があるようで、こういったことも、将棋ブームのひとつの表れかなと思います。
渡辺棋王は念願の(?)将棋漫画の監修をされるのですね。
8/10発売 リイド社「コミック乱ツインズ」で時代劇&将棋漫画『宗桂 〜飛翔の譜〜』が連載開始
江戸時代の棋士をテーマにした作品は少ないと思う(斎藤栄の天野宗歩ぐらいでしょうか?)ので、こちらも期待したいです。
先日、ブログに書いたおかげで、ちゃんとすぐ目を通すことができました。
事前に宣言しておく方法はなかなか有効ですね(?)
最近はとにかく情報のスピードという点で大変な世の中で、紙媒体は印刷されて出てくるまでの間に情報が伝わってしまう、あるいは状況が変わってしまうという懸念と背中合わせだと思うのですが、数か月前というブランクを感じさせないインタビュー記事ばかりで、非常に興味深く読みました。
さて将棋界の流行戦法や指し手・考え方の変遷を語る上で、AI(将棋ソフト)のことは意識せざるを得ない昨今ですが、トップ棋士のそれぞれの語り口を読んでいると、僕の知っているバックギャモンの世界(2000年代のはじめ頃)に刻一刻と近づいて行っているのを感じます。
たとえば藤井聡太七段はこんなことを言っています。
ソフト自身がなんらかの明確な理由をつけて局面評価をしているわけではないので、結局人間がそれを解釈することになって、その時点で人間が勝手にやっているものにはなってしまうんですけど。ただそうですね、それでもやっぱりある程度共通する特性っていうのは導き出せるはずではあると
何か、この局面がこうだから良い、というのは絶対あるはずなんです
この「コンピュータの指し示す最善手の、共通する特性について考える」「なぜそれが最善なのかを考える」というのは、ギャモン界の進化の過程で欠かせない考え方であると僕は理解しています。
今後もこの流れは加速するのだとは思いますが、まったく同じということはないと思うので、今後どういう変化をしていって、ギャモン界とはどう違ってくるか、は自分の大きな関心事です。
それと、藤井七段の発言で一番驚いたのはなんといってもこれです。
私自身は(振り飛車を)香落ちの上手以外で指したことはないです
(今後も振り飛車を指す)予定はないです
現状居飛車で困っていないので
藤井聡太の2手目は常に△8四歩、というのはいまや有名な話だと思いますが、本当に子供の頃から、振り飛車を指したことがないのですね。
彼に2手目△3四歩を選択させる人類がいつ現れるのかは、個人的な注目ポイントです。
「藤井聡太」が2手目を変えない戦略と情報選択
それにしても堂々たる宣言。
困ってない、のはまあ分かるけど、たまには、とか思わないのかなあ。
将棋「年鑑」というだけあって非常に分厚い本ですが、最近はkindle版とかもあるそうで。
個人的には、本棚にずら~っと並んでいる状態が好みですが、場所も取りますからね。
また「年鑑の棋譜を並べる」という勉強法は、古く感じるかもしれませんが、いまでも有意義だと僕は思っています。
「良い手は指先が記憶している」と言ってもらえるような将棋を、自分自身も一局でも多く指して、皆様に見てもらいたいと思っています。
昨日は大学同期の友人新居を訪問。
集まったメンバーも子連れが多く、みんな人生が順調そうで、何よりでした。
昇段のお祝いもしてもらいました。どうもありがとう。
一昨日の2局について、ごく簡単に解説の解説を。
なお、叡王戦の棋譜はすべてこちらでご覧になれます。
段位別予選
14時からの八段戦は、相居飛車・雁木模様の流行形でしたが仕掛けた時点(つまり20手そこそこ)で先手の松尾八段がすでに指しやすかったようです。
現代将棋の怖さですね。
ここが勝負どころの場面で、9九・1九の香の両取り。
受けるなら▲6六角とすれば8四の飛車取りなので△同角の一手で▲同歩と進むわけですが、これなら後手もまずまず。
しかし▲7七角と打って、あえて△1九角成と取らせる組み立てが見事でした。
以下は先手が手堅く、素早く決めた一局になりました。
なお、この日は異なる段位の2局だったので、番組は夕方でいったん締めて、夜からもう1番組という構成でした。
つまりアンケが2回に分かれるので、ちょっと心配していましたが、どちらもまずまずでホッとしました。
19時からの五段戦は、一転して振り飛車、藤井システム模様の戦いに。
途中後手があっさり一歩取らせたのには驚きました。
研究と勝ちやすさを重視する、若手棋士のドライな一面を見ました。
図のすこし前あたりで、聞き手の渡辺弥生さんが、「森けいじ先生(九段)の記録を取ったときに、(部分的に)こんな形から▲7三銀成△同桂▲7四歩と攻めて行ったので驚きました。云々」という話をしていたら、実際に宮本五段は、ここでもし△8八角なら▲7三銀成の予定だったみたいですね。
渡辺さんもこれにはもう一度驚き、だったんじゃないでしょうか。
歩のない筋から攻め込んで突破、飛車の成り込みを狙うのは基本ではあります。
これはこれで見てみたかった気もしますが、実戦は△6九角▲8五桂と進み、本譜も振り飛車がうまくさばきました。
図からちょうど10手後の▲9五角がうまい手で、以降は形勢に差がつきました。
渡辺さんとは、やっぱり一緒に仕事するのは初めてだったようです。
共通の話題も当然ながら多く、いろいろと話せて良かったです。
放映でもお聞きしたのですが20歳をすぎてからのスタートでプロレベルまで強くなるのは容易なことではなく、棋士の中では珍しい棋歴を持つ彼女ならではの、勉強法や上達法は広く知られると良いのではないかと思います。
3日間寝なかったというエピソードは絶句しましたね。
ということで、ご視聴ありがとうございました。
昨日ニコ生ご視聴いただいた皆様には、どうもありがとうございました。
また機会がありましたら、よろしくお願い致します。
昇段のお祝いコメント等もいただき、大変嬉しく思いました。
実は勝ち星での昇段というのは、あまり嬉しくないかもしれないと、若い頃は思っていたのですがいざ迎えてみると、全然そんなことはなかったですね。
長年の苦労が報われたようで、とても嬉しいのと、これでまた次に向かって進んでいけるという喜びがあります。
次が何年後になるかは分かりませんが、頑張って一日も早く八段になりたいです。
僕は2004年、22歳のときに四段になりました。
客観的に見て、エリート棋士でもなければ、苦労人というほどでもない、ごく平凡なスタートでした。
大学4年生の終わりで、同級生が就職するのと同時期でもありました。
そこから5年で段位はふたつ上がりました。
まずまず順調な、若手棋士時代を過ごしましたがそのあとは残念ながら勝ち星が急減してしまいました。
六段→七段は150勝という規定なのですが実に10年近くを要しました。
つまり年間平均15~6勝で、棋士は平均して年に15敗ぐらいするので、ほぼ勝率5割ということになります。
もうすこし勝てたのではないかなあ、というのが偽らざる本音ですが一生懸命やった結果なので仕方ありません。
五段・六段はいずれも竜王戦による昇段でした。
七段もできれば竜王戦で上がりたいと思っていたのでそこは残念です。
一度とても大きなチャンスを逃してしまったこともありました。
悔いが残る内容ではなかったものの、忘れられない将棋の一つです。
また僕は竜王戦の「連続昇級」による昇段を初めて果たした棋士の一人、とwikipediaに書いてあるのですが、実はこれがこのときなければ、9年前の優勝のときに七段になれていました。(ややこしいので詳細は省略)
これが特別に不運だとは思わないのですが、幸運をつかみ損ねた、とは言えるかもしれません。
今後の目標ですがやはり、改めて竜王戦・順位戦の昇級を目指したいです。
特に竜王戦はしょっちゅう上がったり、下がったりするものなので今後もチャンスはいくらでもあるはずです。
勝ち星としては今年度中にあと18勝すると年度25勝で通算300勝になるようなので、このあたりが当面の目標かなと思っています。
幸い最近はモチベーションの高い状態が続いていると思うので、これからも自分なりの努力を続けて、内容の良い将棋を指すことで結果につなげていきたいです。