続・オリンピック

今日で閉会式ですね。

今回は日本勢のメダル獲得数が過去最高、というのはつい先日も書いたばかりですがその後も獲得が続いていてすごいです。
パシュートとか、マススタートとかの競技名は初めて聞きました。いろいろあるんですね。
もちろんルールも初めて知りました。(まだちゃんとわかってない気がする)

スポーツは身体能力が大事なのは当たり前でも何をどう競うかによって、やっぱり戦略も違ってくるので、戦い方も大事なんですね。
なんとなく戦略性がより高い競技のほうが、日本人には向いているような気がします。

単なるイメージですけど、カーリングとかはまさに典型例なのではないかと。
今回が男女通じて初のメダルということで素晴らしい快挙ですが、業界として安定してもっと練習環境がありさえすれば本来のポテンシャルはもっともっとあるのではないでしょうか。

あと今回はこないだ書いた小平さんとか、ストーリーも心打つものが多かった気がしますね。
高木姉妹はお互い競い合って高め合ってそろって団体でも個人でも金メダル獲得、とか本当にすごい話だと思いました。

というかそもそも姉妹でオリンピック選手、という時点ですごいか。
自分で書いていてすごい、しか語彙がなくて、すごいものを見ると人間は語彙が減るというのは本当なんだなと思ったり。

 

棋王戦は挑戦者が勝って1-1のタイに。
ここまでどことなく両者の波長が合ってない印象を受けます。
感想戦コメントもなんとなく額面通りには受け取れないような感じがしました。
第3局は息の合った戦いになるのか、やっぱりならないのかも見どころですかね。

盤外では挑戦者のバナナ連投がちょっとした話題でしょうか。
タイトル戦のおやつで頼んでいる人はたぶん少ないのだと思いますが、普段の対局のときに持参している棋士は他にも見かけたことがあります。
ちなみにみかんもたまに見かけます。

僕自身はフルーツは手が汚れるので持ち込むことはなくて、チョコレートとかクッキーとかのお菓子が多いですがああやってきれいに輪切りにしてもらえたらありがたそうです。
本人からすれば好きなものを頼んでいるだけだと思うので、話題になるのは不思議な気もしますが話題が多いのは良いことですし、次もぜひ同じものが見られることを期待しましょう。

団体戦とか

このニュースはいきなりでびっくりしました。

プロ棋士18人、団体戦対決 関西の将棋連盟、初の試み
理事時代はリリースではじめて知るということはもちろんなかったですが、最近はこういうことも多いです。

僕は団体戦には強い憧れがあって、こんなうらやましい話はないです。
関西所属なら良かったな~。

アマチュアの団体戦としては、記事中にも触れられている職団戦(春と秋に開催・各社5人で1チーム)や学生王座戦(年末の四日市・各校7人で1チーム)、それとまったくのフリーでチームを組む社団戦などがあります。
個人戦には出ないけど年に数回の団体戦だけはなんとか都合をつけて参加するという方もいるのは、やっぱりそれだけ楽しい場だからでしょう。

メンバーとかチーム構成は誰がどうやって考えたんだろう?
一局ごとの結果ももちろんですが経緯やチームワークも興味津々です。

 

将棋女子、「観る将」より「指す将」に 藤井旋風で
同じく朝日新聞デジタルの記事です。いい流れですね~。

記事中に「東京や大阪では女性限定の将棋教室は珍しくない」という一文があるのですが裏を返せばそれ以外の地域ではまだまだ珍しい。
ある程度大きな都市以外ではそもそも気軽に指せる環境自体が珍しいので、この点は課題ですね。
本やweb上の教材である程度まで(10級ぐらいまで?)大人が自分で勉強できる環境ができたらなあと思います。

最近編集長こと遠山P(昇段おめでとう)がyoutubeチャンネルを開設したそうで、やはりそういった環境整備が必要という気持ちからでしょうね。

やっぱり対面でコミュニケーションも含めての将棋なので、でもある程度強くならないとなかなか第一歩を踏み出しにくいので・・という悩みがなくなることはないと思います。
そのときの選択肢が徐々にですが広がっているのが、すごく良い傾向だなと思います。

こういうのもその一環でしょうか。
プロ棋士もプライベートで訪れる。イケメン元奨励会員が経営する「将棋BAR~wars~」その人気の理由は?

ちなみに東京でも有志が土曜日の夜だけですが将棋バーを開いているそうです。
将棋バー(仮)@六本木(twitterアカウント)
残念ながらどちらもまだ行ったことはないのですが、ひっそりと宣伝協力です。

 

藤井六段は昨日も難しい将棋を勝ってました。
負けそうな場面も多かったように思うのですが終盤力がすごいです。
一番近いタイトル戦出場はこの王座戦、とよく言われてますが本当に挑戦してしまいかねない勢いですね。

デビュー以来、夕休のある将棋で負けたのはいまだに1局だけだそうです。
具体的な記録はないと思いますがおそらくこれも空前絶後のことになるような気がします。

今日は棋王戦第2局、舞台は金沢で、流行の角換わりに進んでいます。

 

カーリングとカロリーナ

昨日に続いてオリンピックの話題、カーリング女子の活躍はすごいですね。
ニュースでたまたま見ただけなんですが予選スウェーデン戦の最終投、5cm差の勝利は本当に白熱、手に汗握る試合でした。
僕は正直言ってルールもちゃんと知らないレベルなのに、それでも見ていて楽しめるのはスポーツの良さだと思います。
将棋の世界は恵まれてはいると思うけれど、この点はまだ弱い。やむを得ないことではあります。

カーリングは「氷上のチェス」と呼ばれることがあるそうですがそれなら日本国内では「将棋」と言ってほしいところですね。
とそれはさておき、たしかにいろいろと将棋系のゲームとは共通点があるようです。
加えて、最近「おやつ」が注目を集めているのも共通点だとか。面白いものですね。
この話題が自分の目を引いたことで、やっぱり「将棋メシ」とかおやつとかはファンにとって重要なんだなと、再認識できました。

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ところで、将棋の世界は恵まれていると昨日書きましたが、藤井君のような大天才が現れたことも、それと無関係とは思いません。
その世界が眩しければまぶしいほど、多くの参入者があるし逆に貧しければやっぱり頂点を目指そうとする人は自然と少なくなってしまいます。
参入者が多く(純粋な技術に関しての)競争が厳しいほど、頂点は高くなるのは当然です。
将棋界はおそらくあまり類を見ないほどプロになることが難しいと思いますが、そのおかげでプロの高いレベルが保たれ、いまの世界が成り立っていると言えるでしょう。

僕は天才という言葉を安易には使わないつもりですが、ひとつ間違いなく言えることは天才は恵まれた環境のほうが出現しやすいということです。
そして将棋界はしばしば信じられないような大天才が現れる世界で、そんな世界に身を置いていることは自分の数少ない誇りでもあります。
だからこれからも厳しい競争の中にあっても、棋士は恵まれていると感じられる世界を維持することが大切だと思いますね。

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いま弟子のカロリーナがうちに来ていて、来年度からのことを話したりしています。
山梨学院大学には都合4年半お世話になりました。いよいよ、もうすぐ卒業式です。
大学の支援がなければ彼女が一人日本で生きていくことは難しかったと思うので、本当に感謝しています。

無事正式にプロになることができて、これから女流棋士としてどれだけ活躍することができるか。
ある意味スポーツ選手と同じような苦労に、彼女ほど直面している将棋指しはいないでしょう。
女流棋界も十数年前からは考えられないほど恵まれた世界になりましたが、それでも祖国を遠く離れ一人で生きていくことは大変です。

僕は彼女の師匠という立場ではありますが、自分の弟子というだけでなく、将棋界として預かったような感覚も持っています。
将棋界の宝を、大事にしていかなくてはいけないという気持ちが強くあります。
今後第二、第三のカロリーナが現れるかどうかは、彼女自身の努力と活躍と、あとは将棋がどれだけ海外に普及するかにかかっていると思います。
夢は大きく、道のりは遠いです。

実は来月号の将棋世界で、カロリーナの対局を取り上げていただけることになりました。
どうかこれからもいっそう、応援していただければ幸いです。

オリンピックとか

このところさすがにテレビ(地上波)はオリンピック一色ですね。
今回は冬季五輪での日本勢メダル獲得数最多記録を更新したとか。
4年に一度しかない舞台というのがどんなものなのか、想像もつきませんが皆さん悔いのないように頑張ってほしいですね。

スケート金メダルの小平さん、病院が競技生活を支えてくれたという話は多くの報道番組で取り上げられていました。
こういうのを見ると、棋士はやっぱり恵まれているなあと思います。

スポーツの世界ではオリンピックでメダルを獲得するような才能と実力を持つ選手であっても、十分な練習環境に身を置くことができなかったり、試合に参戦するだけでひと苦労という方はよく見かけます。
小平さんのように収入面でのサポートや、練習のための設備投資を必要とするケース。
競技そのものがマイナーであるがゆえに収入が得られないこともあれば、メジャーな競技であるにも関わらずなかなか食べていけるだけの世界にはなっていないというケースもありますね。

思い浮かぶのはたとえばボクシングの世界とか、あとヨットの白石さんが以前羽生先生と対談されているのを読んで、その後著書を読んで感銘を受けたことがありました。
我々将棋の棋士は年間を通して棋戦に参加することができて、かつ勉強のために多額の投資を必要とする世界ではないので、(もちろん大変なこともありますけど)恵まれているなと思うわけです。
先人の努力と、スポンサーとファンに感謝ですね。

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先日の朝日杯の記事や動画をその後も拾ってチェックしたりしているんですが、藤井六段について「形の認識能力が高い」という羽生竜王の一言は話題になったようですし僕も印象に残りました。
「パッと見て局面の急所を見抜く力」でこれは言い換えれば「大局観」の一種とも言えそうですし「直感」が優れているという言い方もできそうです。

経験でしか得られないように見える能力を中学生が有していることには驚かされますが、もしかしたらあの年ですでに経験値も以前では考えられないほど高いのかもしれません。
彼自身はコンピュータ将棋に関しては「ソフトネイティブ」ではない、という言い方をしていたはず(つまりコンピュータ将棋で強くなったわけではない)ですが、いっぽうでデジタルネイティブ世代なのは間違いないはずなので。

糸谷君(八段)以降の、強くなる過程ですでに身近にネット将棋があった世代と、それ以前では修業時代の対局数にはかなり差があると思うんですよね。
僕の場合も奨励会初段~三段の頃は対局相手がいなくて練習将棋を指す機会は少なかったです。

はぐれメタルと戦うために長い旅をする必要がある世界と、家にいながらにしていつでも戦える世界ぐらいの違いはあるかもしれません。(分かりやすくなってないか・・)

 

朝日杯の日の「直感とは何か」のエントリ、なぜかフォントがおかしかったので先日直しました。
藤井六段の返答を改めて読み直してみるに、「絶対手」が普通の棋士より極端に多いという可能性もありそうです。
羽生竜王もよく感想戦で「他にないですよね」みたいな言い方をするので・・

王将戦、棋王戦

王将戦第4局は久保王将が勝って防衛に王手。
この表現、やはりこの棋戦だと特にしっくりきますね。

豊島八段が後手番のみならず、先手番までも相振りを持ってきたのはびっくりしました。
そしてその戦型を師匠の桐山先生(だけ)が的中させていたことにも驚かされます。
師匠は分かるものなんですかねえ。

こうなるともう、次も相振りになりそうな気しかしません。
どういう考えでの戦型選択だったのか、タイトル戦終了後に詳しく明かされることがあるのかどうか。
興味深いところです。

ここまでは相振りの選択がうまくいっている印象はないですが、外野の見る目と本人の体感は一致していないことも多いので、両者がどう感じているのかも興味深いですね。

ところで、同じタイトル戦で3局も相振りが指されたことって過去にありましたっけ?

 

先日の棋王戦第1局・とちぎ将棋まつりを妹弟子の山口女流1級がレポートしてくれています。
この季節は棋王戦・王将戦の番勝負が並行して行われるのが常で、今週末はこちらの第2局が金沢で指されます。
この後は王将5→棋王3→・・と交互に日程が組まれているみたいですね。

自分はどちらの棋戦も次の対戦相手が決まったところなので(来期の予選)、今年度末から来年度初めにかけて対局がつくことになりそうです。

 

今日も記事をひとつご紹介。
憧れの人への尊敬は勝負師にとって悪なのか……羽生善治を倒し王座を獲得した中村太地の葛藤

有名グルメサイト「ぐるなび」の取材に棋士が出るとは意表を突きます。
ものすごく力の入った内容になっていますので、長文ですがぜひ。

もっと社会とのつながりを将棋界が持てたらなって思うんですね。ニュースで野球や相撲の結果とかはよく流れますけど、そこで私たちの対局結果が流れる未来があったらいいなって思っています

将棋も、毎日の対局がニュースとして流れたらどうだろう。今でもネットで対局の結果を知ることができる。ただメディアが発信してくれれば、熱心な将棋ファンにとどまらず、さらなる普及に繋がるのでは――。

将棋が日本の伝統文化として認識されて、伝統文化なんだけど親しみやすい娯楽として日本だけでなく海外に伝わって、どんどん根付いてくれれば、本当に意義深いと思います。

後ろのほうから3つほど引用させていただきましたがどれも我が意を得たり、でこれからもこういう未来を目指して発信を続けていきたいと思います。

では今日はこのあたりで。