大逆転

昨日の棋聖戦第2局は、見ていてかなり不可解な内容で驚きました。
最後は▲5二角~▲4三桂という寄せをうっかりした、とのことですがこれはけっこう信じられないような類の大逆転だと思います。
そこに至るまでの手順にも、見ていて不思議なところがたくさんあったので詳しくは専門誌の解説待ちですね。

逆転にはいくつか種類があるのですが、よくあるのは時間切迫によるミスが出ての逆転。
それが致命的なミスで一発逆転のケースもあるし、ミスが重なってということもあります。逆転に次ぐ逆転、も時にはあります。
あるいは勝ちを意識したフルエ・プレッシャーから来るミス。この場合は徐々に差が詰まっていってついに逆転、という感じになります。

本局はそのどちらでもなく、前触れもなくいきなりという感じの出来事でした。

あくまで私見ですが63手目の局面は、読み切るのはもちろん難しいにしても、後手がどう勝ちに行くかを選べる局面でした。
この直前に腰を落として、本譜の△2七角を選択したということだと思います。これは一気に行かずに受けに回ろうという手です。

直後の68手目△4八銀が寄せを見落とした落手、だったわけですがこの手には直前の方針や指し手との関連がなく、そう指してしまった理由に説明がつかないと思うのです。
これが△4八銀が正着で、実戦で△4二銀打と誤ってしまった、なら分かるのですが。
もっとも常に合理的に物事が進むわけではなく、将棋は怖い、としか言いようがないですね。

豊島八段が時間を残している状態でこれほど大きなポカを見せたのはあまり記憶にありません。
彼にしてこういうことがあるわけで、人間はミスをゼロにすることはできないのだなと改めて痛感しました。
羽生棋聖は連敗中だったのでかなり大きな星になった気がします。

お台場(東京)での対局は珍しいことでしたがこれは特別協賛のヒューリックさんの関連だったとのこと。
大盤解説会はものすごい大盛況だったようで、ありがたいことです。
将棋ブームの昨今ですので、特に休日にタイトル戦が行われる折には、こうして現場で観戦していただく機会が増えたら良いなと思います。

今日はAbemaTVでの、フィッシャールールによる特別対局。
モバイル中継もあるのですね。
関西では公式戦も1局ついていて、こちらは棋王戦の枠抜けを懸けた一番です。

2件のコメント

  1. 素人の私が思うに、63手目の局面で飛車の横効きが守りに強そうなので、飛車をとって横から飛車を使って攻めようと云う方針にしたのかと思いました。この時点で、70手までの金を打って守る局面までは読んでいたものの、相手の持ち駒に桂馬が入ったことが考慮から抜けていたのかと(自分は終盤、相手の持ち駒を間違えて寄せられることが多々あるので)。
    67手目の時に念の為42銀を読んだものの嫌な筋が見えて、方針通りに42金の先を読まずに48銀と飛車を打ってしまったのではないのでしょうか。
    翻って見ると、64手目に最短の69銀を選択しなかったのは、羽生マジックを恐れて寄せの速度を逆転されること、金さえ取ってしまえば飛車一枚だけなら凌げるという楽観して心の隙きができたのではと思いました。

    去年の11月のJT杯決勝で、最後に間違って山崎八段にうっちゃられた対局を思い出しました。

    1. あのときは30秒将棋がずっと続いている状態でしたからね。

      たしかに△4二銀打では何か成算が持てなかったのだとは思います。

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