旅行中の中継

今日から日常に戻ります。
さしあたり今日はこの1週間に指された順位戦などの対局に一通り目を通すところから。

向こうでは、ホテルのWi-Fiでモバイル中継だけは目を通していました。
もう海外で観るのも何度目か分かりませんが、本当に便利でありがたいです。

王位戦はフルセットになり、盛り上がりが海外まで伝わってくるかのようでした。
十番勝負になったとき、10局目までいくと思った人は少なかったことでしょう。(確率的にも低いですし)
最終第7局は初防衛もしくは初タイトルが懸かった本当に大きな勝負になりました。

バス移動の長い日に、唯一パケ放題をつないでリアルタイムで観戦して終局まで観れたのがB1の斎藤ー畠山戦。
ロシアは時差が6時間なので、日本の深夜0時が夕方6時に当たり、ちょうど目的地にバスが着く頃に佳境~終局を迎えました。


本当に、お見事でした。
この日のB1とC2も含め、モバイル中継されていなかった対局はまだ見ていないのでまた明日に。

その他では王将リーグのメンバーがすべて決定、加古川青流戦の決勝カードが決定、リコー杯の挑決あたりが大きな将棋でしたか。
王将リーグは(王将含め)竜王戦1組・順位戦A級の棋士が7名+藤井聡太七段という布陣なのですね。すごい話です。

里見ー西山戦は女流王座戦と女流王将戦で都合8番勝負ですか。
豊島ー木村戦のように10番勝負までいくかどうか、注目です。

その他いろいろとニュースも多かったですが明日以降にして、今日はいったんこのへんで。

帰国

昨日の朝、無事に帰国しました。
台風の影響がある中で飛び立てたことに始まり、道中はお天気に恵まれるなど、いろいろと運の良い旅でした。

いまさらですが、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
前日お昼頃の東京の様子からはまさかこんなことになるとは思わず、空港そばのホテルにいて深夜に停電、非常電源がついたときは驚きました。
ホテルもかなり揺れてましたね。
一部地域ではいまも停電が続いているとのことで、ライフラインの大切さを改めて知らされる今回の災害でした。

昨日は帰国後、時差ボケになるといけないので頑張って夕方まで起きているようにして、早めの夕食後に寝ることにしたところ・・・
そこから15~6時間寝てさっき(11時半頃)目が覚めました。
まだこんなに寝られるんだ、若いなと自分を見直しました。

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今朝は夢の中で、浦野先生が詰将棋作品集の編集をしておられました。
ハンドブックシリーズかと思いきやどうやら違って、他の多くのプロ棋士から寄せられた問題を浦野先生がまず仕分けして、そのあと村田顕弘君→畠山鎮さん→今泉さんの順でチェックして最後に糸谷君がGOサインを出していました。
僕が糸谷君に、ちょっと見せてよ、と言ったら浦野先生に、完成するまでダメだよと止められて、そこで目が覚めました。
やけにリアルな夢で、とりあえず書いておかなくてはとまっすぐPCの前に来ました。
今後もし本当にそういう本が出版されたら、それは僕がロシアに行ったおかげかもしれません(?)

そんなこんなで、今日まではのんびりして、明日からゆるやかに社会復帰していきます。
旅の写真などは、タイミングがあればまた後日に。

9/6 石井五段戦

朝日杯の2回戦、対局前後にも書いた通り初めてアベマTVスタジオでの対局でした。
普段行くことのない場所で、いままでにない対局開始時間だったので新鮮な気持ちで指せました。

振り駒で後手番になり、戦型はこちらの中飛車からの居飛車振り戻し左穴熊。
これを初めて見たときはありえない指し方に見えたのですが、その後自分で真似しているのだから我ながら驚きです。
ただ、やっておいて何ですがこの将棋は本当は振り飛車側のほうが個人的には好みです。形がきれいなので。

対して石井五段はシンプルに美濃囲いを完成させて仕掛けてくる作戦。
これがうまくいくかどうかは作戦的にもかなり重要なところで、実戦はうまく仕掛けられてしまいました。
そこから少し進んで図の局面。

▲8六飛打△同竜(8二から)▲同角までの局面。

ここは△8八飛か△8九飛の二択で、△8八飛だと以下▲7七角△8二飛成、△8九飛だと▲8二飛△6四歩という進行が自然です。
実は前者の順だと千日手筋に入るのですが、対局中はなぜかその事実に気がつきませんでした。
これはつまり、同じ局面を同じだと認識できていなかったということになるので、自分の脳の構造に疑問を感じました。

まあそれはさておき、△8八飛に対しては▲8二飛△6四歩で先手が千日手を打開できるかどうか。
これは指しにくいという相手の感想でしたが、後で考えるとそこで▲6九金ぐらいで自信がない気がします。
(そこで△6五歩は▲4二角成があるので不可)

ただ本譜は後者の順ではっきり悪くなってしまったので、ここでは△8八飛で千日手を志向すべきでした。
そうすればもう1局見ていただけていた可能性も高かったでしょう。

この後も本譜より難しい順、なら見つかったもののはっきりとしたチャンスはなかったようです。
自分のほうは読み抜けがいくつかあり、弱さを露呈してしまったことも反省材料ですが、敗因としては序盤までさかのぼることになりそうで、相手にうまく指されて完敗という一局だったと思います。

9/3 門倉五段戦

順位戦の4回戦でした。
棋譜は名人戦棋譜速報でご覧いただけます。
難しい将棋でミスも多かったですが、一生懸命指して大熱戦になったので、ぜひ見ていただきたいです。

中盤のワカレは苦しかったものの、61手目の▲6四桂が疑問で(▲5六同歩が良かった)、その後はこちらに分がある終盤戦。
特に83手目のコメントにある変化は、見えていたのにその後が読み切れずに断念してしまい、このミスが混戦を招きました。
この順で寄せ切っていれば、まずまずの内容だったということになったと思うので悔いが残ります。

実戦は紆余曲折あった末に図の局面。

▲2二飛打△5二歩合▲同飛成△6二銀合までの局面。

このあたりでは負けを覚悟していたのですが、ここで▲同竜△同金の局面が
金金銀銀銀桂桂
と持たれているのに奇跡的に詰まないので、もしかして勝ちになったのかと内心色めきたっていました。

しかし実戦は▲6二同馬(竜のタテの利きを通して詰めろ逃れの詰めろ)△5二飛成▲同馬と進み、なるほどまだ負けか、とがっかりしました。
そこで△5二同金は、
飛金金銀銀銀桂桂
と持たれていて、難しいのですが今度はやけにぴったり詰みます。
(興味のある方は考えてみてください)

ただこのあたりの僕の認識は誤りで、実際はもともとの局面が極めて難解で、しかも▲5二同馬の局面は△3七飛と打つ手が有力で勝ちになっていたようです。

実戦は▲5二同馬に△3五角。

詰めろを受けたところで△5二金と取れば▲7一銀からの詰み筋がない

門倉五段も角は打たれると思いました、とのことで実戦ではこれが妥当なところだと思います。
局面は負けそうだけど難解、といったところ。

このあとさらに二転三転して、最後は偶然詰めろ逃れの詰めろが決まって勝ち。
(130手目△6七馬の利きが▲4五金や▲5六金と打つ王手を消してぴったり)

作ったような勝ち筋、というのはよく使われる表現ですがまさにそれでした。
とても幸運な300勝達成でした。

8/6 青嶋五段戦

先手三間飛車から、ふと思い立って相手にガッチリと穴熊に囲ってもらう作戦を採用。
これで勝ち切ったら振り飛車党には喜んでもらえたと思うのですが、残念ながら実戦的な勝ちづらさがモロに出る展開になってしまいました。
ただ自分なりに力は出せていたと思うので、またときどきはこうした指し方にも挑戦してみたいと思っています。

本局は悔いの残る手は少なく、しかも一番の急所の場面は青嶋君のブログにも書かれていたので、図面は省略します。
順位戦 片上七段戦(ミライの棋譜ノート)
また全棋譜は名人戦棋譜速報でご覧ください。

さてその場面についてですが81手目▲4五馬までの局面はある程度読み筋で、そこで△7九飛に▲5五歩と進めるつもりでした。
それが普通に見えるところなので△5九飛、とあえて銀に当たらない位置に打ってきた狙いを考える必要がありました。
その意図が分からないまま当初の読み通りで▲5五歩と指してしまったのは反省材料です。
実戦の△4三桂を僕はうっかりしており、せっかく盛り返してきた流れに水を差してしまいました。

形勢を決定的に損ねた、という意味ではその後87手目の▲6五銀が敗着だと思いますが、あれは悪手になるかもしれないと覚悟した上での着手だったので、自分としては仕方なかったかなと思います。
あの銀を動かしてあげたいと考えるのは人情というもので、注文通りに▲5五同馬(あるいは同竜)とは指しにくかったです。

全体としては残念ながら力負け、完敗の一局でした。