銀河戦予選 小林七段戦

振り駒で後手番になり、ゴキゲン中飛車を採用。

相手は7八金型で、自分にとっては森下九段戦に続いてのことでした。
これはもちろん全くの偶然とは思いますが、棋士になって15年ほどで、一度も出会ったことのなかった作戦に立て続けに出会うというのは不思議なものです。

もっともこの本局は前の将棋とは全然違って、超急戦の激しい戦いになりました。
これは図の△4四歩が発端です。

もしここで▲2四歩以外の手を指せば、△3三角で飛先を受けて一局の将棋です。
気合からいっても▲2四歩の一手ですが、以下△同歩▲同飛に△4五歩▲同歩△8八角成▲同銀△2二飛と進むと大決戦です。
実戦もそのように進み、▲2三歩△4二飛から4筋で飛車を活用してさばくことができました。

振り飛車はやや無理をして動いていますが、居飛車の玉も不安定なので実戦的にはそれなりにいい勝負です。
こういう早い戦いになると、一段玉と二段金が飛車交換に弱い(7八金と6九玉が逆なら良い形)からこそ成立する仕掛けで、△4四歩という手も部分的には過去に指されたこともあります。

以下の指し手も100点にはほど遠く、ミスもありましたが勢いのある指し手を続けられたことは良かったです。
あと、実は小林先生にはまだ新人のときに銀河戦予選で負かされたことがあったので、リベンジすることができて良かったです。

7/24 飯塚七段戦

朝日杯の1回戦です。

本局は後手番になり、四間飛車を採用。
相手の作戦は最近再流行を見せているミレニアムでした。
いま書いている本にも取り上げていて、振り飛車にとって非常に手ごわい戦法という印象を持っています。

この将棋は50手目でこんな局面になりました。

美濃囲いを脱出。このあとさらに△4二金寄~△5二玉と引っ越し

これは角交換になったことを受けて、囲いを固めるよりも全体のバランスを取ることに重点を置いた指し方にシフトしようとしています。

振り飛車側はミレニアムに対して堅さ比べでは勝てないゆえの、苦肉の策という意味もあるのですが、一方でこうした駒組みも最近では市民権を得てきていて、流行の指し方でもあります。
自分にとっては、公式戦でこういう指し方をするのは全くの初めてだったので、こうなったのはあくまでその場の流れとはいえ、新しい挑戦でもありました。

実戦はこの後▲5七桂△5三桂と打ち合い、4筋から戦いに。
苦しい局面も多かったですが手に乗って脱出に成功し、最後は入玉して勝ち。
振り飛車の新しい戦い方を示すことができて意義のある一局になりました。

7/16 宮田七段戦

今期、叡王戦1回戦は宮田七段との対戦でした。
叡王戦は全局公式サイトで棋譜を見ることができますので、画像もこちらから拝借しました。

初手▲7八飛に対して、相手の作戦は1筋の位を確保してからの右四間。
こちらは穴熊を目指していましたが仕掛けのプレッシャーに対してタイミングをつかめず。どうもこういう駆け引きが下手です。
30手目ぐらいからはずっと、端の関係が互角でどうか、という感じの作戦負けでストレスのたまる序盤戦になってしまいました。

それから進むこと30手、「端が互角でどうかという形勢」に変化はなく、苦しい局面が続いています。
ここで△6五歩なら銀を逃げずに▲7五歩が狙いの勝負手で、話がややこしくなるんですが当然ながらそんな甘い手は来ないとしたものです。
実戦は△4五歩が良いタイミングの開門で、▲同金に△6四金で進軍が止まらなくなり、形勢がはっきりしてしまいました。

△4五歩に対して第一感は▲7七桂だったのですが、そこで△4四銀とされて苦しいと読みました。
後で試しにその局面をソフトにかけてみると、▲7二歩とか、▲5九歩?とか、▲5八歩??とか、いろいろと訳の分からない手を示してくれて、これには感心。

つまり形勢が苦しいんですが、苦しいときに自然に指していてもしょうがないので、こういう何かひねり出した感のある手を、指したいところなのです。
この将棋は一局を通じてそういう気持ちのこもった手が一手も指せず、覇気のない将棋になってしまい悔いが残りました。

ロシアに

行ってきます。

海外旅行にはそこそこの頻度で行ってるんですが、ビザの必要な国に行くのは初めてのことです。
台風を避けるため、昨日は夕方には成田に移動しておきました。
何事もなく飛んでくれれば良いのですが。

ということで今日からしばらくは予約投稿になっています。
明日からは最近の対局の振り返りを入れてありますので、引き続きご覧ください。

では!

新四段、女流六冠など

昨日は三段リーグ最終日。
1枠はすでに決まっている状況で、もう1枠に自力だった弟弟子の石川君が滑り込みました。
新四段誕生のお知らせ

前期のことがあり、昨日も1局目を負けてしまったようで、さぞプレッシャーもかかり、喜びも一入だったことでしょう。おめでとう。
さっそく師匠にお祝いの電話をしたら、さぞ喜んでおられました。
来春の祝賀会も盛大に行われることと思います。

 

最近の公式戦の話題。

竜王戦の挑決最終第3局は、豊島名人の勝ち。強かったですね。
87手目の▲4四香は誰でも打ち込みますが、その後91手目▲4四金、97手目▲4四銀とゴツく行ったのが、案外気づきにくい攻めだったのではないかと思います。

令和初の竜王戦七番勝負はこれで竜王名人対決となり、まさに最高峰の戦いになりました。
また十番勝負のほうはこれで片方が終わり、明日から王位戦第6局です。

同日のC2は中田功ー佐々木大戦と、伊藤真ー矢倉戦が面白い将棋でした。
コーヤン流は三間飛車が有名ですが、中飛車でも余人には真似できないさばきを見せてくれることが多いと思います。

最後に昨日の清麗戦は、里見さんが勝って史上初の清麗、そして女流六冠に。
タイトル戦と公式戦の対局が続いていますが、最近はちょっと女流棋士相手に負ける姿が想像がつきにくい感じになってきました。

史上初の六冠、というニュースバリューはタイトル数自体が増えていることもあり過去との比較が難しく、全タイトル戦への連続出場や全冠制覇の記録がなるかどうかが今後の注目です。
最近のタイトル戦の将棋を観ている限りでは七冠の可能性はかなりありそうで、他の女流棋士の意地に期待したいところです。