詰将棋(1)

昨年からずっと書いていた本が無事発売になったおかげで、このところ将棋の本に目を通す時間が多く取れるようになってきました。
今日・明日は最近出た詰将棋本について。

果先生には何度か詰将棋講座を開いていただいたりと以前からお世話になっており、「果たし状」刊行のパーティーにもお招きいただきました。
今回の作品集は、全問右上4×4の配置なので、これまでの本に比べると必然的に易しい問題が多く、トレーニング向けと言えそうです。

ざーーっと一気に解き終えて思い浮かぶのは、「知恵の輪」という言葉ですね。
狭いところで少ない駒をうまくやりくりする感じが面白いです。
手数が短いものでも盲点になる手がしばしばあったり、逆に手数が長いほうがかえって筋に入りやすかったりするのも特徴の一つかもしれません。

鑑賞ポイントとしては、「詰将棋カラオケ」に出題された問題がいくつかあるので、それに気づいてニヤリ、というのがややマニア向けの楽しみ方です。
またプロレベルで見ると、そこまで難しいものは入っていないので、一定以上の強豪の方はタイムトライアルも良いかもしれません。

全問4×4、という作品集は過去にないそうで、これはちょっと意外でした。やはり、それだけ大変な制約ということなのですね。
作る人でないとなかなか分からない感覚です。

これだけ作れたら、さぞ楽しいのだろうなあ。
と思うと、たまに作ってみたくなります。なかなかできないんですけどね。

叡王戦とか

叡王戦挑決第3局は、永瀬七段が勝ち、高見叡王との横浜対決に。
地元はさぞ盛り上がりそうです。

この番勝負は、結果的に3局とも後手番の勝利でした。これは珍しいことです。
ただ前2局はほぼ後手の完勝だったのに対し、今回の第3局は、ワカレとしては先手がまずまずだったように見えました。

その反動か、後手が良くなってからはかえってすごい勢いで差がついていったように見えました。
相穴はもともとそういう戦型ではあるので、仕方ないことかもしれません。

七番勝負は相居飛車にはなると思いますが、現時点で戦型予想はちょっとしにくいところがあります。
持ち時間の選択も含めて、どういうところに個性を出してくるかというところにも注目したいと思います。

昨日の午後は「藤井七段の師匠」杉本さんが八段昇段ということで、テレビ棋戦でいくつか白星を挙げたということだと思いますが、ウェブのニュースでたくさん取り上げられていたようです。おめでとうございます。
「弟子より早く」はちょっと首をヒネってしまいましたが、そういうものですか。
さすがにここで抜かれるとまでは思ってなかったのでは・・どうなんでしょう?

八段になるには勝ち星の他、順位戦ならA級昇級、竜王戦ならタイトル奪取、それ以外では複数期のタイトル獲得が必要になりますから、さしもの天才少年も、簡単にはいかないでしょう。
タイトル獲得とともに、八段・九段の年少記録も今後の関心事になりそうですね。

ニコ動

たしか2回ぐらい、このブログでも取り上げたニコニコ動画の「藤井聡太七段に聞いてみた」いつの間にか完結していました。
ちょうど、叡王戦挑決が始まるタイミングで終わるようになっていたのかも?

・今まで苦しかった対局は?→「ない」、と

・将棋をどれぐらいわかっているか?→「(100分の)1以下」

のふたつは、特に迫力のある返答でした。

あと、印象に残る一手として、七段昇段を決めた将棋の△4五角という手を挙げていたのが、印象に残りました。
あれは僕も観ていて特に印象に残った手の一つではあったのですが、彼は他にもたくさんすごい手を指しているのでその中から選ばれたということで、見る目があったかなと嬉しく思いました。
平成新手白書」でもいちばん最後のほうで取り上げています。

ニコ動の三大コンテンツと言えば政治・アニメ・将棋であるというのは将棋界ではよく知られる事実ですが、ドワンゴ社の業績不振が報じられており、心配しています。
先日の川上会長降格のニュースは驚きました。
個人的にもさまざまな形で関わらせていただいたのみならず、それ以前からのファン(有料会員)でもあるので、巻き返してほしいと願っています。

今日は叡王戦挑決第3局、ご注目いただければと思います。

最後に告知を一つ。
第55回 菅菰書展に棋士の書を展示

上野公園の一角です。ぜひ見にいらしてください。

昨日の中継など

将棋の聖地・天童でまた画期的な試みが始まるようです。
選抜しプロ棋士養成、山形県天童市 将棋のまち振興
さすがにこれは前例のない新手でしょう。楽しみです。

この記事の後段にもありますが、「ふるさと納税」は最近すっかりおかしなことになってしまいましたね。
地域の特色を生かして、全国から注目を集める街づくりに寄与する形であってほしいものです。
ということで、今年も天童にふるさと納税しないといけないなあ。

昨日の中継は、棋聖戦の久保ー斎藤戦が、大変な大熱戦でした。
やはりタイトルホルダー同士の一戦ともなると、簡単には決まらないのだなと、観ていてつくづく思いました。
勝ったほうが次に藤井七段と対戦する、という一番でもあったのですね。久保王将はたしか公式戦では初手合でしょうか。

他では若手同士の山本ー佐々木戦が面白い将棋でした。
山本君の「三間飛車固定」という戦略はこの時代にはかなり異質なので、注目している棋士やファンの方も多いことと思います。

それと「平成新手白書」について、サインに関する問い合わせをいくつかいただいていおり、いちばん手っ取り早いのは僕の参加する将棋イベント等に直接お越しいただくことなのですが、現状予定がありません。
もしチャンスがあれば、告知したいと思います。
またニコ生に出ることがあれば、プレゼント提供したいと思っていますが、こちらも機会があるかどうかといったところ。
すみませんが気長にお待ちください。

ライバル

昨日の叡王戦挑決第2局は菅井七段が勝ち、決着は最終第3局へ。
中盤のワカレで菅井七段がリードし、永瀬七段が粘りに粘るという、第1局とはまったく逆の展開で、延々と死闘が続きました。
これでこそライバル対決、と思いました。すごい将棋でした。

第1局のときにはこう書いたものですが
> 形勢には大差がついているはずなのに、全然終わる気配がなく、しかし全然逆転する気配もない。こういうことはめったにありません。
番勝負
本局は大きなミスが出れば、逆転しそうな感じもありました。

しかしコンピュータの評価値だけで見ると、たぶん本局のほうが差が離れている場面が多かったのではないかと想像しています。
数字では測れないものが、頂点を争う人間の戦いには、あるような気がします。

一昨日の女流名人戦第4局は、里見さんが勝って防衛、10連覇とのこと。
ここ一年ぐらいのタイトル戦を見ていると、やはり里見さんは頭一つ以上抜けている感じなのかなという気がします。
女流棋界全体のレベルは徐々に上がっていると感じる一方で、一強時代が長く続いてしまうとそこに停滞が生じる可能性もあるので、ライバルの登場が求められる。というのが見ていて思うことですね。
来年度はどうなっていくでしょうか。

モバイル中継は今日も4棋戦6局、多彩な顔ぶれの中にタイトルホルダー同士の一戦があるなど豪華な一日です。