お知らせ

年度替わりのタイミングで、弟子が公式戦からの引退を発表しました。
About retirement

詳細は書いてある通りで、結婚後しばらくは休場という形でしたが、今後もヨーロッパで暮らし、日本に戻ってこない決断をしたということです。
日本を離れてからもときどきzoomとかでは話していて、彼女はこの先引退しても女流棋士なのか?ということを気にしていたので、それはYesだ、と教えていました。
彼女は将棋界や日本のさまざまな制度についてよく理解していますが、それでも母国語ではないため、不安になることも多かったと思います。

彼女には今後も女流棋士としての活動を続けたいという意思があり、具体的にはヨーロッパ内での指導や、ウェブでの発信が中心になると思います。
また↑の記事には、これから自分に続くような(海外からプロになるような)人が増えてほしい、とも書かれています。
それは言語的・地理的・経済的・精神的etc.いろんな困難を伴いますが、第2のカロリーナが現れたときには、再びできる限りのサポートはしたいと思っています。

外国籍のプロが誕生したことは画期的なことでしたが、その際に一切の特例措置や、特別扱いがなかったことも、特筆すべきことでした。
初めて会ってから十数年、本当によく頑張ったと思います。
これまでお世話になった皆様方に感謝申し上げます。

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昨日は佐藤会長が今期限りでの退任を表明するという大きなニュースもありました。
合わせて、今回の理事選には羽生九段が初めて立候補されたこともあり、お二人のコメント等、詳しく報道されていました。

実は私も、立候補しています。おそらく記事にはなっていないと思いますが、twitterに情報が上がっていましたので、ブログでもお知らせしておきます。


前回に続いて、立候補者が定数同数にとどまっており、選挙ではなく、信任投票という形になります。
立候補に至る経緯や今後のこと等については、無事に信任されたら、改めて書こうと思います。

この6年間、佐藤会長は強力なリーダーシップで将棋会館移転という長年の懸案に道筋をつけられました。
私も本当に感謝していますし、お疲れ様でしたという気持ちです。

新年度

昨日から令和5年度に入り、将棋界は渡辺ー羽生(棋聖戦本戦)というゴールデンカードで幕を開けました。
自分自身は現在、次の対局が決まっていない状況ですが、今月中に竜王戦がつく見込みです。
今年度も体と心を整えて、一局一局頑張っていきたいです。

年度替わりに合わせ、新将棋会館建設プロジェクトは第4期に入ります。
2024年秋、将棋連盟100周年の年の竣工に向けて、後半戦に突入です。

このブログを書いている4月2日の夜10時、すなわちリリースから1日半ぐらいかと思いますが、すでに900万円以上のご支援をいただいております。
大変ありがたく、感謝しております。

コナンとコラボするらしいという情報もあり、こちらはどんな内容なのか、注目です。
(※私もまったく知りません)
4月12日リリースとのことで、楽しみに待ちたいと思います。

勝ち

一昨日の対局は、先手番で対三間飛車、相穴熊。ここまでは予想通り。
戦いが始まってから、思いもつかない受けの手を指されるのも、予想通り。
でしたが、それにしても予想もしない手が予想以上に多くて、都度びっくりしてました。

図は飛先を切って△3三桂に▲1五角と引いた場面。

6四の銀が当たっていますが、取ると▲3三角成があるので、普通に考えれば△2五歩と受ける一手。
以下は▲3六飛△3五歩▲6六飛と銀にヒモをつけて

ここで△6三歩だとばらして▲3二金が厳しいので、△1四歩ぐらいしかなく、以下▲2四角△2一飛▲3三角成△同角▲5四歩△5二歩▲7五桂△7四角ぐらいまでは一本道。
そこから▲6三銀不成△同金直▲同桂成△同角▲同飛成△同金▲8三歩△同銀▲5三歩成△同歩▲6五角(飛銀両取り)で優勢。
と珍しく長手数読んでいたのですが、最初の図で△2三歩と受けられてびっくり。

まあ飛先を止めるという意味では普通なんですが、何取りでもないですからねえ。
感想戦も含めて、こんな場面がたくさんありました。
あえて後手を引く、という手が多いのは、プロの世界ではかなり特異なことで、伝わりにくいかもしれませんが、すごい技術だと思います。

実戦は△2三歩に▲6六飛△3二歩▲8五歩と手筋のツギ歩攻め。
対して△7四歩▲8四歩△7三桂!にもびっくりしましたが、時間が残っていたので助かりました。
他の変化もギリギリながら、なんとか攻めがつながっていたようです。
「受ける青春」を体感できて、充実した一日になりました。

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この白星で、数年ぶりに年度で20勝の大台(??)に届きました。
とても地味ですが、近年の中では良い成績だったので、まずまずの年度だったとは言えそうです。
先日公開された、NHK予選の星が大きかったです。

NHK杯は直近1回戦負けが続いていたので、たまたま効率良く星が集まってくれたという感じです。
収録日はまだ未定ですが、久々の渋谷対局を楽しみに、来年度も頑張りたいと思います。

年度末

今年度も残すところあと2週間を切りました。
この10日ほどの将棋界での主な出来事。
・A級順位戦のプレーオフで藤井竜王が勝ち、名人挑戦者に。
・王将戦第6局で藤井王将が勝ち、王将防衛。
・NHK杯決勝で藤井竜王が勝ち、初優勝。
・棋王戦第4局で藤井竜王が勝ち、棋王奪取。
1局ごとに見ると内容的に意外な出来事ではないんですが、さすがにこれだけ並ぶとびっくりです。

一人だけでいろいろありすぎて他のニュースがすぐ忘れられそうな昨今ですが、1週間ほど前には三段リーグで大きなドラマがありました。


柵木君は一門の長兄である増田さんの門下で、森師匠に初めて孫弟子の棋士が誕生し、自分も初めて叔父さんになりました。
また森本君は元怪童でもあります。怪童戦出身の棋士は初めてではないですが、久々だと思います。

そして1位通過の小山君は戸辺門下。自分から見て後輩の棋士の弟子が棋士になるのは、たぶん初めてのことだと思います。
とはいえ僕ももうすぐデビュー20年になるわけで、棋士を育てるというのは本当に大変なことなのだなと改めて思わされます。
編入試験時期やリーグ順位の関係で、棋士番号順で小山四段が2人続くのと、一度に(4月1日付)4人の新四段が誕生する、この2つは今後もう起きないのではないかと思います。

加えて、今期はフリークラス出身者が初めてC1に昇級するという出来事もありました。
将棋界は基本的に人数が厳しく制限されている世界ですが、こういった事例がもし増えれば、現役棋士の人数が上振れる可能性もあります。

あと同世代の甲斐智美さんの引退発表には本当に驚きました。
まもなく始まるタイトル戦をどんな心境で指し、どんな戦いになるのか想像もつきませんが、注目しています。
自分は自分で身を引けるほどには完全燃焼していないので、もうすこし現役を続けるつもりですが、あまりにも衝撃的で、考えさせられる出来事でした。

対局のほうは、来週もう1局あって、それで今年度は終了となります。