勝ち

昨日の対局は、序盤から駆け引きがあった末に、後手番(自分)の積極雁木に。
前例の少ない進行だったので、お互いに時間を使う展開でした。
まだ駒組みが続きそうと思っていた夕方の時間帯に、機敏に仕掛けられて苦しくしてしまったものの、その後うまく持ちこたえて遅い時間に逆転勝ち。
特に70~80手目あたりは、よく辛抱できたと思います。

最近順位戦でも他の棋戦でも負けが込んでいたので、ひとつ勝ててホッとしました。
また最後の1勝で結果的に順位を6枚上げることができたようです。
もしもう一つ勝っていればもう5枚、さらにもう一つでもう5枚でした。
例年だいたいこういう感じになります。

ただ順位は大切、とは言ったものの昇級にはほど遠い成績で、客観的に見れば世間からはまったく注目されていない一局でもあったわけですが、だからと言って空しくなる、とかそんなことは全然なくてむしろ棋士なんだなと思える瞬間です。
どんなときでも一生懸命指すことが大切で、昨日はそういう意味でも良い一日でした。

これで今期の順位戦は終了。
他の対局もしばらくない見込みで、来期への良い充電期間にできればと思います。
昨日の他の結果等についてはまた明日。

今日は対局

順位戦最終戦で村田顕弘六段と。

このところ自分の手ごたえとしては集中して対局に臨めているのに、終盤での大きなミスが続いているので、そのあたり気をつけて一局を通して良い将棋を指せるように頑張ります。
順位戦もなんとか指し分けでは終えたいところです。

2019年3月2日の詰将棋
HPの「まいにち詰将棋」のコーナーに自作が採用されてました。
前に出したものよりはすこし易しいのではないかと思います。ぜひどうぞ。

では、行ってきます。

新四段

昨日は三段リーグの最終日。
関西勢のワンツーという結果でした。それどころか、4位までを関西勢が独占という結果。これはもしかしたら初めてではないでしょうか。
新四段誕生のお知らせ

今期はずっと上位が走っている展開でしたが最後は総崩れだったようですね。
弟弟子の石川君は星一つ届かず残念。

1位通過の出口君、14-1で決まらなかったのはたぶん初めてのことだし、最後3連敗で昇段というのもあまりないことだと思います。
リーグ戦の展開もいろいろなので、実力や精神力が大切なのは言うまでもないことで、それと同時に運も大切です。
井上門下は皆強いですし、彼もまたこれから活躍することでしょう。

2位の黒田君、愛媛県出身棋士は森師匠以来とのこと。
ただ彼は同門ではなく、畠山鎮七段門下で齋藤王座の弟弟子にあたるのですね。
松山将棋センターの方々も喜んでおられると思います。

二人とも本当におめでとう。

そういえば昨日はとある収録の際に、プレッシャーのかかる場面についてのコメントを求められたのですが(使われるかどうかは分かりません)、昇段のかかった三段リーグ最終日ほどの緊張感というのは過去に経験がありませんし、おそらく今後もないでしょう。
棋士は皆、そうした場面を乗り越えて、そしてその後もプレッシャーと戦う日々です。
厳しい世界ですが、そうした極度の重圧の中での競争、そうして出てきた結果の尊さによって支えられている世界でもあります。

いまブログを書いていて、あるときある後輩の棋士が、「世の中の人はそんなにメンタル強くないんだなって分かりました」と言っていたのをふと思い出しました。
僕自身も自分のメンタルの弱さに悩んでいたのですが(今もそう)、そうか、他の人もそれと同じか、あるいはもっと弱いんだなと、そのときとても腑に落ちました。

弱い部分を抱え、認めつつも戦うことに、価値があるのだと思います。
人間が戦うってそういうことなんだろうなと、とりとめなくもそんなことを思い出したので、書いておきたくなりました。

書展とか

以前にも一度告知しましたが、現在東京都美術館にて、将棋連盟書道部の棋士たちによる作品が展示されています。
今日は何人かの棋士も来場予定ですので、良かったらブラリといらしてください。
第55回 菅菰書展に棋士の書を展示

自分自身は今年はちょっと別件あり、とある番組の収録に行ってきます。
こちらは情報解禁になりましたら改めて告知します。

一昨日のA級最終日に合わせて、なのかは分かりませんが、こんなお知らせが。
将棋界初!藤井聡太七段の新グッズ「ボブルヘッド」を限定販売

ボブルヘッド、って初めて聞きました。人形、つまりフィギュアの一種ということでいいんでしょうか・・・?
フィギュアになったということは、つまり、名実ともに偶像化、アイドルになったということで良いのかな。
これから第2弾、第3弾と発売されて、プレミアグッズ化していくのでしょうか。

他、いろんなことを考えましたが、ひとまずこれぐらいにしておきます。
900個限定、だそうでその微妙な数字もなんだか興味深いですね。

あと今日はひなまつりですか。
おだいりさまは壇の一番上の男女両方を指し、おひなさまは壇上の全員を意味するそうですね。
とこないだ聞いたばかりの受け売り情報を書いて、今日はこのへんで。

一番長い日

一昨日の大逆転負けで、さすがにしばらく駒は見たくないなと思って、一夜明けてもまだそんな気分だったんですが、結局夕方からは順位戦観てました。
まあ、そんな気はしました。
「将棋界の一番長い日」今期も期待に違わぬ素晴らしい一日でした。

スンナリ挑戦を決めた豊島二冠、中盤の大長考は迫力がありました。
たしかに鋭い仕掛けには見えましたがそれ以降、先手玉にキズ一つつかない、どころか自陣の手が一手もなかったのには驚きました。

佐藤名人とのタイトル戦はまさにライバル対決なのは言うまでもないことですが、このお二人はトップに上ってくるにつれて少しずつ独自の世界観を築き上げ、そして確立してきたという共通点があると感じています。
最高峰かつ最長の戦いの中で、その世界観がぶつかり合うのは非常に楽しみです。

羽生九段は竜王戦の借りを、阿久津八段は今期の借りを、いずれも少しだけ返したという感じで、見ていて迫力を感じました。
また降級絡みの2局は、結果的に稲葉八段を除くと順位に大きな影響はない感じになりましたが、当然ながら必死さが伝わってくる内容でした。

「名人戦第0局」と銘打った静岡対局が来期以降も続くのかは分かりませんが、どのような形であれ将棋界の一大イベントとして、これからも注目を集めるのは間違いないでしょう。
現地だけでなく東西の将棋会館や名古屋・福岡にも大勢のファンが詰めかけて下さったそうで、素晴らしいことだと思います。

金曜日なのも良かったですね。
激闘の余韻が残る、休日の朝です。