秋晴れ

昨日・今日の東京は秋晴れ、絶好のお出かけ日和です。
ここを過ぎると、またすこしずつ寒くなっていくのでしょうね。

昨日はお昼すぎから妹弟子の結婚式へ。幸せで楽しい一日でした。
来賓の方々のスピーチやお手紙がどれも印象に残るものばかりで、一晩明けたいまも思い出してほっこりしています。こういうことは珍しいかも。
お幸せに。

ということで朝からなんだかふわふわしてるので今日はこれだけにします。

こんな日も、たまにはいいよね。

9/27 千葉七段戦

対局振り返り、王座戦の予選1回戦です。

この将棋は久々に後手番で藤井システムを採用。
と言っても本家は決して採用しないような仕掛けで、序盤の駆け引きでいろいろあってそうなったのですが、率直に言って失敗でした。
藤井システムの名を傷つけないよう、次からは気をつけます。

ただ実際はそこで完全に勝負がついたというわけではなく、図の局面はそれなりに難しくなったのかと思っていました。

後手玉は案外まだ寄らない形です。
次に怖い手は▲3二桂成とか▲5二桂成ではなく▲2二飛で、対して△3一金と受ける手や△6六馬と王手桂取りがあるうちはまだ大丈夫です。

しかしここで▲5九銀が絶好手で、やっぱり苦しいことを悟りました。
実際に盤面を頭の中で動かしてみると、「景色が変わる」感覚が分かるのではないかと思います。

ただし、そこで△4七歩成と開き直っておけば、難しいところもありました。
が、▲5九銀との交換はあまりに損なやり取りなので、指し切れませんでした。

実戦は△6六馬▲8八角△4四馬▲同角△6六歩と進めて、馬を犠牲にする代わりに一時の安全を買った、つもりだったんですが▲7三歩△同銀に▲2二角!と打たれてシビれました。

直前に▲2二飛を警戒していたのと、部分的に△2一金ですぐ死ぬ形なので、うっかりしていました。
実際には△2一金は▲3三角成からバラして▲4一飛が両取りで、受かりません。
この状況での純然たるうっかりは致命傷で、ほどなくして投了に追い込まれました。

▲5九銀のところで残り2時間、そこですぐ指してしまったわけではなく20分ほど考えているので、手拍子のミスとかではなく完全な読み抜け、力不足と言えます。
もうすこし深く読んでいれば▲2二角は発見できていたと思いますし、発見していればもうすこし熱戦にはなっていたと思うので、残念でした。

これで今期4棋戦目の1回戦負け。
これを減らさないと勝率は上がらない。当たり前ですね。

順位戦など

昨日のリコー杯はまさかの早い決着で驚きました。
こういうこともあるんですね。

C2順位戦は弟弟子2人がそろって大きな白星。
特に西田君は両者秒読みの競り合いを制したのでひときわ大きそうです。
来春の祝賀会、3年連続の主役も見えてきました。

他では今泉さんの個性全開な指し回しが印象に残りました。
角交換振り飛車は20世紀にはなかった将棋ですが、結局そんなことはあまり関係なくて、将棋の本質というのは変わらないものなのかもしれません。

順位戦は今日もA級が1局あり、その他には王将リーグなど。

 

今週はこれといった予定も少なく、大半の時間は家にいて、その多くの時間はPCに向かっていて、その多くの時間は原稿書いてました。
昨日はだいぶ進めることができて、これでようやく折り返し地点といったところ。
本を書くのって大変なんですね。

まだゴールは見えてきませんが、今月中にはある程度のメドはつけたいところです。
ということで今日は短いですがこのあたりで。

第14回U-18将棋スタジアム

表題の大会の案内が出ており、現在参加者募集中です。
第14回U-18将棋スタジアム参加者募集要項

まだ比較的歴史の浅い大会で、人数ではJTの子ども大会に次ぐ規模と思われます。
事前申し込み制のようですね。上記ご参照の上、ぜひお早めにお申込みください。
自分も久々に教え子がいる状態なので、案内してきたいと思います。

当日は僕も指導対局を務めます。
大会会場自体は過去、職団戦の応援に行ったことがありますが、この大会に訪れるのはたしか初めてだと思います。
特別企画「升田幸三の世界」って斬新ですね。どんなことをするんだろう?楽しみです。

 

昨日はA級順位戦が面白い将棋でした。
相変わらず個性全開の糸谷ワールド、ただ見ているときはなんで玉が泳ぎだす必要があったのかなあ?と不思議に思っていました。
で、今朝感想戦コメントを見たら「趣味の世界に走ってしまった」と書いてあって苦笑。いやはや。
しかしワカレは振り飛車が良かったと思うのだけど、そうでもないのかなあ。

あとで見たら、他に叡王戦もすごい将棋だったみたいですね。
最近は盤面中央に要塞を築くのがトレンドなんでしょうか?

今日はリコー杯の第2局、舞台は高知。
里見さんは一昨日が藤花戦の第1局で、休む間もなく移動だったのですね。
他に王将リーグ、叡王戦、C2順位戦と非常に豪華な一日で、今日も楽しめそうです。

トン死

昨日の倉敷藤花戦、まさかの大トン死。
妹弟子が実にうまく指していただけに、これはなんとももったいない・・・。
棋譜コメントに「里見さんを倒すのは大変だ」というセリフが紹介されてましたが、まさに。

終盤の▲6七桂(跳ね)という手が、たぶん読みになくて逆転につながったのだと推測します。
思いもかけないところから桂馬が跳んでくると、秒読みで事件が起きるんですよね。

それと王将リーグの広瀬ー中村戦も大熱戦の末に、なかなかに劇的なトン死の結末でした。
一見Zに近いように見える後手玉が、まさかいきなり詰んでしまうとは。
どちらも詰みと言われれば、そんなに難しくない詰みですがやっている当人は自玉も多少気にしつつも、まず寄せを考えているのでこういうことが起きてしまうのです。
この詰みも「△5五桂」と打ったことで生じた詰み、ということでやはり影の主役は桂馬でした。

先日、立て続けに二歩が起きて、今月に入ってからは見なくなってホッとしているところ(?)ですが、代わって(??)最近ちょっとトン死が流行っているような。怖いですね。
幸か不幸か自分はしばらく対局がないので、流行の恩恵も被害も受けていないですが、とにかく気をつけないといけません。

学び続けた東大卒女流棋士が受験生に送る、渡辺弥生流「受験定跡」
すこし前の記事になりますが僕も別項(ウェブにはたぶん出てなさそう)で取材を受けたので、ご紹介しておきます。
文系受験の極意は数学、というのはまったくもって同意です。
特に東大文系は数学の配点が厚いので、難関私大に比べると明らかに将棋との相性は良いでしょう。

彼女は晩学の方にとっては希望の星のはずで、二十歳を過ぎてから始めても、女流棋士になれるほどに強くなれるということを示したのは大きな意義のあることと思います。
将棋は上達することが比較的難しい競技である一方で、かけた時間や努力は裏切らないというのが長く続けてきた実感でもあります。
最近は大人の初心者も増えていると思うので、まずは(アマチュア)初段を目標に、コツコツチャレンジしてもらえたらなと思いますね。

では今日はこのあたりで。