迫力

名人戦は期待に違わぬ大熱戦の末、渡辺三冠の先勝でした。
後手番の第1局を取ったのは大きそうです。
第2・3局は1週間おきに進むので、そこでどういう戦型と内容になるか。
また急な過密日程がどう影響するかなど、見どころが多いです。

豊島名人の角換わりは、指しにくそうでもギリギリのところでバランスを保つ指し手に特徴があるように感じていて、それが長手数の大熱戦が多いことにつながっている気がします。
本局も初日は失敗を感じていたそうですが、2日目午後に入ってからの指し手は、薄い玉形をうまくカバーしながら敵陣に向かっていく指し手が見事で、一手一手うなずきながら観戦していました。
形勢が苦しいほうが最善を尽くして追い上げると、結果的に迫力のある終盤戦になることが多いです。

最終盤、▲1三歩成の王手を利かしてから飛車を取ったあたりは、一番見ていて迫力を感じた場面でしたが結果的にはそれが良くなかった可能性があるとのこと。
だとすれば本当にわずかなところで、名人に勝ち運がなかった1局だった気がします。

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昨日は西山さんの竜王戦も注目でしたが、序中盤は残念になってしまうほどの大差。
ところがそれを猛然と追い上げて、あわやという場面までいったのには驚きました。
敵玉に向かっていく迫力ある指し手は、参考にしたいと思いました。

彼女の実力は明らかなので、いずれまた、こうしたチャンスはあるでしょう。
ただいずれと言っても、それは近い将来でなくてはいけないわけで、それがいつになるかが大事です。

今日は清麗戦の挑決が大勝負。
明日は王位リーグの最終一斉対局など、毎日本当に忙しいです。A級順位戦もあります。
順位戦といえば昨日はB1の開幕日でしたが、それらの話題はまた今度。

名人戦開幕

今日からいよいよ名人戦開幕。舞台は三重県。
将棋会館以外の場所で行われるタイトル戦は久しぶりですね。

例年より2か月遅れで、対局間隔は出だしが短いものの全体としては例年に近い感じ、フルセットまでいった場合は8月末までかかる日程に決まったようです。
再び緊急事態になることなく、無事に熱戦が楽しめることを願っています。

第1局は豊島名人の先手番となり、角換わり腰掛け銀。
一昨日の棋聖戦第1局こそ矢倉脇システムでしたが、今期のタイトル戦も、基本的には角換わりが中心になりそうです。

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今月はタイトル戦の密、日程の密が話題ですが、これは延期されていたものと予定されていたものが混在している状況なのでやむを得ないことではあります。
渡辺三冠同様、藤井七段も一昨日タイトル戦→中1日の移動日で今日も対局なのですね。こちらは王座戦で、やや遅れているステージなので勝ち上がればやはり急ピッチで対局がつくことが予想されます。

過密日程もさることながら、頻繁な東西移動も大変だし、あと手合をつけて対局室を確保する係も相当に大変そうです。
皆さんどうか体調を崩されることのありませんように。

棋聖戦第1局

昨日はリアルタイムで観戦していました。
本当に素晴らしい将棋でした。
挑戦者決定戦に続き、またしても藤井七段の名局だったと思います。

いろいろありましたが中盤でフワッと一マス上がった▲4六角は名手でした。
それと▲7五香△同銀▲1三角成、このなんとも言えない難しいタイミングには驚きました。たぶん最善だったんでしょうね。
渡辺さんのブログにもこの場面が取り上げられていました。
最後さらっと「藤井七段は①△13歩の変化も読み切りでした」と記されていましたが、この感想も迫力ありすぎです。

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初タイトル戦というのは旅館やホテルでの対局、加えて前夜祭や取材などで誰もが慣れない思いをするそうですが、今回はコロナ禍の影響で将棋会館での対局が多く、この点も藤井七段にとってやりやすい面はあるかもしれません。
さらに渡辺棋聖の過密日程、世間の空気、あらゆる面で挑戦者に風が吹いている気がします。

いっぽう僕のお気に入りの、将棋界の名言に「私は下馬評を裏切るだろう」というのがあります。
第2局以降も本当に楽しみです。

今日は女流王位戦第2局、そして明日はいよいよ名人戦開幕。
さすがに月火水木とタイトル戦が行われるのは史上初でしょうか。

女流タイトル戦と、お知らせなど

先週は久々の藤井フィーバーといった様相でしたが、女流のほうでもマイナビ第5局と女流王位第1局、2つのタイトル戦が行われ、前者は西山さんが防衛、後者は里見さんが先勝。
挑戦者の加藤さんは、特に前者はフルセットの末の挑戦失敗で、残念な結果でした。

この2局はいずれも先手中飛車vs一直線穴熊で、振り飛車側が相穴熊を選ばず美濃囲いを選択したところが共通でした。
女流2トップが棋風の異なる振り飛車党なので、同じ戦型でも展開が異なり、特に振り飛車党にとっては参考になる内容だったかと思います。

女流王位戦のほうは、序盤の△7四歩(38手目)がポイントとなる一手で、そこから思いがけない感じで戦いが始まりました。
最近読んだ長谷部君の新刊では、代えて△6四歩が紹介されていました。
(厳密には▲5九飛→5八ですが)
あのあたりから早くも勝負所、とすると女流の将棋も本当に厳しくなったという印象です。
なお↑の本は地元・栃木への思いが切々と綴られていて、特に近隣のファンの方には必読です。深夜に読んだほうが良いそうです。

この土日は公式戦はなく、モバイル中継は今期清麗戦の振り返りが複数局配信されています。
本戦進出者の勝局まとめになっているようで、昨日は伊藤さん祭りで今日は岩根さん特集。
一部で解説を担当していますので、良かったらご覧ください。

それとHPのまいにち詰将棋のコーナーに自作が出題されています。
こちらもよろしければ解いてみてください。

新記録

すごい。

他に言葉が思い浮かびません。すごい。

昨日の将棋も、お互いにミスらしいミスは見当たらない、名局でした。
終盤は令和を象徴するように局面がねじれにねじれて、カオス。時間もない。
そんな中でも、藤井七段の指し手は正確でした。

五番勝負がとても楽しみです。