前例

昨日の中継は3局。
うち、大阪で行われていた、北浜ー澤田戦(王将戦)をお昼頃観てびっくり。
つい先日、自分の指した将棋と同じ展開だったので。

翌日に「この内容では鑑賞に堪えないので、今回は図面は控えます」と書いたのですが、まさかこんなことが起きるとは思わなかったので、簡単に触れてみます。

前例を離れたのがこの局面。自分が後手で、相手は遠山五段でした。
その将棋は、△5一金右に代えて△2八飛と王手し、以下▲7八銀△4四馬▲4一桂成△2九飛成▲3二飛△5二歩▲4二成桂と進んで短手数で負け。

△4四馬という手は、▲2二飛の攻めを防ぐ意味で(昨日の将棋では▲2二飛△3二銀合のあと、△4四馬から飛車を取りに行く展開になった)、かつ敵玉もにらむ形になるので本筋だと思いました。
しかし本譜の攻めが早く(実は▲6一桂成△同玉▲5五角のような手を予想していました。読みが甘い)、一気に負け筋になってしまいました。

激しい展開だったので、一気に負けてしまったこと自体に悔いはなく、それだけなら↑のようなことは書かないのですが。
実はこの変化は杉本七段の本を読んで、なるほどそんな手がと思った程度で軽い気持ちで飛び込んでしまったので、それが良くなかったと反省しています。
当たり前ですがプロとして、もうすこし自分の頭で考えてから指さないといけなかったなあと。
ただ、面白いと思ったら分からないなりに挑戦する気持ちも大事なので、そこの折り合いは難しいところですね。

(途中の△6五金という手がそれで、↑の本の「藤井聡太の衝撃」というコラムに書いてあります。
他にもいろいろオススメできる内容なので、興味のある方はぜひどうぞ)

 

で、その対局の感想戦で△5一金右という手を指摘されて、だいぶ検討してなるほどこれが最有力かという話になったのですが、昨日の感想戦コメントでは真逆のことが書いてあって、つまり将棋は難しい。
ただ検討結果が全く異なるということではたぶんなくて、△2八飛▲7八銀合に△4四馬ではなく△5一金右とした場合、▲4一桂成△同金に▲3九金と打たれる可能性があるので、△2八飛と王手せずに単に△5一金右を選択した。
というニュアンスだと思います。
本譜は△2八飛▲7八銀を保留した結果、数手後の▲5二銀から澤田六段が一気に寄せ切ったわけですが、本当に寄っていたかどうかは、簡単ではなさそうなので、もうすこし考えてみます。
(2度あることは、3度あるので、また公式戦に現れてもおかしくない)

ところで、その遠山編集長は、最近充実しているようで。
昨日の戸辺七段との将棋があまりに快勝で、自分が吹っ飛ばされたのも何だか納得してしまいました。
とても鮮やかな終盤だったので、鑑賞をオススメしておきます。

今期は竜王戦で3組は村山七段(優勝)、4組は千葉六段、5組は伊藤五段が、決勝進出。
前期の順位戦では横山六段(B2へ)と西尾六段(C1へ)が昇級。
など、同世代の棋士が粘り強く活躍しているので、自分も頑張らなくてはと、いい刺激をもらっています。

今日は女流王位戦第2局、舞台は北海道。
戦型は相振り飛車になっています。

 

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