横歩取り

久々に中継の話題ですが、最近は便利になったおかげで、渡航中もほぼ毎日、プロの将棋には目を通していました。
大会期間中は昼すぎから試合ということが多くて、午前中はのんびりしていたので遅い朝食後の時間にツイッターをチェックしつつ、将棋を観ていることが多かったです。
時差が7時間なので夕食休憩前後をリアルタイムで観戦していることがけっこうあって、むしろ日本にいるよりちょうど良い生活リズムだったかもしれません(?)

この2週間ぐらいの中継をマクロで見ると、横歩取りが増えたなあという印象があります。
平成新手白書
「最近は横歩取り自体がやや下火になりつつあるが、今後巻き返しがあるかどうかも注目である」
と記したのですが、いまはこの復活傾向が続くかどうかに注目しています。
私見では、A級昇級を懸けた行方ー木村戦の内容と結果が流行に大きな影響を与えたと見ています。

タイトル戦でも名人戦第1局と叡王戦第2局で登場しました。
名人戦ではまさかの千日手に知られざる対局規定、叡王戦ではまさかの食事量に驚かされました。
どちらも見た瞬間「マジで?」と思ったんですが、あくまで本人の判断、でしょうか。
次は何が飛び出しますか、目が離せません。

というのは半分冗談で、次局以降も(もちろん他の棋戦も)将棋の内容に注目して、見ていきたいと思います。

選挙とか

世間は統一地方選ということで、自分もさっそく期日前投票に行ってきました。
今回は会場がわりと近所にあって助かりました。いままでけっこう家から投票所が遠いことが多かったので。

しかし行くたびに思いますが、いつまでこの非効率な方法を続けるんですかね。
元号も新しくなるというのに、平成の30年間どころかおそらくはもっと長い間変わらぬ光景。これだけは早くなんとかしてほしいものです。

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連盟の役員も改選の年で、ちょうど海外に出かけた日が立候補の締め切り日でした。
現役専務の不出馬には驚きました。この件を含め、最近は連盟からの手紙より報道で情報を知り、時にはそれが初耳で驚くことが増えてきた印象です。

選挙というのは勝ち負けがつくものなのでその結果もひとつの関心事ではありますが、個人的には誰が役員になってもある程度同じように回ることが、連盟の場合は特に大切かなと思います。
加えて、その時々でのビジョン、方針というものをしっかり立てて実行に移せば、この将棋ブームですからどの分野でも売り上げや会員数を伸ばす余地がいくらでもあるはずです。

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帰国して早々のこと、ノートルダムの火災には驚きました。
なんというか、あんなことがあるなんて、言葉もありません。
無事であることは感謝すべきことだなあと改めて思いましたし、チャンスがあるときに見ておかないといけないなとか、いろんなことを考えました。

将棋の話題は、明日からにします。

帰国

昨日のお昼頃、予定通り帰国しました。
帰りのフライトは空いていて快適だったのですがあまり寝なかったので、昨夜は9時前には寝てそのまま12時間以上爆睡しました。
時差ボケはもうそんなにないと思うので、今日までのんびりして、明日から社会復帰する予定です。

大会自体はとても楽しかったですが、結果は散々でした。
と言ってもトータルではすこし勝ち越しだったので、ひたすら星が固まらなかったですね。
特にラストチャンスで入賞一歩手前まで行って負けたのは痛かった。

行く前に「勝ち負けはさておき、いろんな国の方と対戦云々」と書いた通りになったので、あまりぜいたくは言うべきではないでしょう。
イギリス・ウクライナ・ハンガリー・ベルギー・アルメニア・イタリア・ギリシャ・ドイツ・ジョージア・クロアチア・フランス・スウェーデン・ロシア・ブルガリア(当たった順)と都合、14もの国の方と対戦しました。
次は楽しむだけでなく勝つことを目標に再挑戦したいと思います。

海外遠征もそれなりに回数を重ねて慣れてきましたが、いまだに普段通りのパフォーマンスを発揮することはなかなか難しいという印象です。
時差があったり、特別な機会だったりと仕方ない面もあり、元の実力がどうかというのもあるわけですが、それでももうすこし良い試合ができたはずと残念なところも多々ありました。

とはいえ、飲みすぎや食べすぎ、不眠や疲労などで体調を崩すこともなく、楽しく過ごせたこと、そして無事の帰国を喜びたいと思います。
ギャモンはGWの大会には出られないので、リーグ戦を除くと次はたぶん7月の高知になります。
もうすこし強くなりたいなと久々に思えたので、それまでに景山さんの本を読んですこし勉強したいと思っています。

ただ、今日からはまずは将棋、ですね。
ブログも明日からは通常営業に戻ります。

NHK予選 中田八段戦

15時からの予選決勝は、中田宏樹八段との対戦になりました。
後手番になり、ゴキゲン中飛車vs超速の定跡形から、ありそうでない展開に。
早指しなので前例との違いをゆっくり考えている時間はなく、結果的にはそれが良い決断につながったかもしれません。

図は▲5六歩と角取りに打った手に対し、(4二から)△3三銀と飛車取りで切り返した場面。いわゆる勝負手でした。
この手に代えて△1九角成は2二のヒモが切れてしまいますし、△5六同飛は▲6五角が気になります。

これだけでも相当激しいですが、実戦はここから▲2二飛成△7七角成▲同銀△同飛成▲同玉△2二銀、とすごい振り替わりになりました。
図では▲3三同銀成△同角▲2八飛、という穏やかな対応もあり有力でしたが、プロの第一感はこう踏み込みたくなるところだと思います。
実際、駒割りを整理すると角金vs銀桂なのでさすがに自信なかったですが、玉形の乱れも大きく、けっこう難しい形勢だったようです。

実戦はそこで相手が秒読みに突入したことが大きく、結果的に短手数での勝利。
持ち時間が長ければ、あるいは早指しであってももうすこし考えていれば、かえって踏み込めなくなっていたかもしれず、まったくもって幸運な結果でした。

ちなみに、本戦の対局日はまだすこし先ですが、すでに決まっています。
放映日は公開されているのに気づいたら、こちらでもお知らせしたいと思います。
久々の本戦に心躍りますが、もちろんここからがより大事なので、一つでも多く、良い将棋を観ていただけるよう頑張ります。

NHK予選 大平六段戦

以前書いたように、久々にNHK予選を突破することができました。
おそらく表も公開になっていることと思います。

この日、実は1回戦は不戦勝でした。
それを知った記者の方に、とりあえず「お疲れ様でした」と声をかけられるという予定調和。
代わりに(?)記録の予定だった少年に声をかけて何局か。
連盟の2Fで練習将棋を指すのは、考えてみると相当久々だったような。

長い昼休みの後、午後からは大平六段との対戦になりました。
先手番を引き、▲7六歩△3四歩▲7五歩に△8八角成というやや意外な出だしから、角交換振り飛車vs居飛穴の戦型に。

図は飛車得に近い駒割りながら、実戦的には勝つまでは大変という局面。
ここで▲3五馬!が好感触の一手で、手ごたえあり。
対して△5八歩成▲6八馬△同と、と進めるのはと金が遠ざかるので攻め合いで勝てそうです。

実戦は△6七馬でしたが▲8七飛△7六馬▲5七飛(これも味良し)△6六歩▲6八歩と丁寧に受けて、すこし良くなったように思いました。
3五の馬はそれ自体良いポジションだし、3四から動いたことで▲8一と~▲3四桂の狙いが生じているのも、見逃せないところです。

この将棋は一局を通してまずまずの集中力を保って指すことができて、自分としては満足できる内容になりました。