編入試験

注目の「棋士編入試験」が今日から始まります。
日程等の詳細はこちら

今回の折田さんは三段リーグ経験者である点に加え、1・2局目が地元の関西、3・4局目が東京で組まれている点が偶然にも今泉さんのときと共通です。
三段リーグでは最高成績が指し分けだったそうで、それがプロ公式戦で10勝2敗という好成績を挙げたということは、プレッシャーなく伸び伸び指せることがいかに大切かが分かります。

ただ、同じプロアマ戦とはいえさすがに編入試験となると、そうはいかないと思います。
プロの世界は制度上、盤上の実力が何より大事なことに加えて、ここ一番に強い、という点も求められる世界です。
それも含めて実力と評価される、というほうが正しいかもしれません。
どんな内容、どういう結果になるか注目しています。

昨日は20局ほど指してきました。
ちょっとした詰手筋がたくさん出てきた一日で、やはり将棋は「寄せ」「詰み」が大事だなあと再確認しました。
時間のあるときにまたそういったことも紹介したいと思います。

来月はいまのところ予定がないので、今年の出張はおそらくこれで最後になりそうです。
お世話になった方々にはどうもありがとうございました。

土日に倉敷で行われた藤花戦は伊藤さんが一番返したものの、最終局は里見さんが勝ってまたも防衛。なかなか壁は厚いですね。

女流棋界はここ数年、
タイトル獲得/タイトル挑戦/リーグ残留/リーグ入り/
で4枚ぐらいの壁があって、かつその間の人の行き来がかなり少ないような状態になっていると思います。

ただ実際には同じエリアにいる人の中でも壁を越えそうな人とそうでない人がいます。
将棋に限らず何でもそうだと思うのですが、あと一歩、という状態にいるときが一番大変なものなので、そういう中で努力を続けている人はいつか報われるはずですし、そうであってほしいなと思います。

現在地日光

先週の2泊3日に続き、今週も栃木に出張しています。
今日の行き先は日光支部。ここは最近になって子供がだいぶ増えてきたそうで、楽しみにしています。

栃木県内には将棋普及の拠点は多いほうではなく、県庁所在地の宇都宮のほか、世界遺産を有するここ日光と、あとは県南で群馬・埼玉にも近い足利に比較的大きな支部や大会があります。
地元の長谷部君は小山出身・在住ですが新幹線の駅もある小山には今のところ支部はないので、これから頑張ってもらいたいです。

ちなみに日光市は市域面積全国3位、東照宮や中禅寺湖のほかに鬼怒川・湯西川などの有名な温泉地も有する広い街です。
僕はもう将棋でも観光でも何度も訪れています。東京からも比較的行きやすいのでまだの方はぜひ訪れてほしいですね。
全国2位は浜松市、そして1位は高山市。飛騨・高山はなかなか行けてなくて、数年前からの宿題の一つになっています。

ではでは、今日も張り切って指導対局してきます。

甲府

竜王戦第4局は、広瀬竜王が一番返し次の第5局へ。
次局、萩の方々は喜んでおられることと思います。
このところのタイトル戦は意外なほどにストレート決着が多く、常磐ホテルは何度も決着局になってきた宿でもありますがタイトル戦が師走まで盛り上がる形になったのは良かったです。

実は、自分自身は封じ手から夕方までずっと豊島名人のペースかと思いながら見ていたのですが、やはりトップの戦いは均衡が取れて難しいものなのですね。
広瀬竜王の7八玉型は、玉頭から直撃されそうな薄い矢倉に見えたのですが、6八に早逃げしたところからの最終盤を見るにやはりこれまでとは違った耐久力と持っているということでしょう。
本局をベースに今後の定跡・戦略の進歩にも注目と言えます。

今日・明日は引き続き甲府で毎年恒例の「将棋の日」イベントが行われます。
トップ棋士・人気棋士勢ぞろいの一大イベント、ぜひお楽しみください。

今年は武田信虎の開府以来500年の節目に当たるそうで、甲府ではさまざまなイベントが催されておりその一環として将棋も行われることになったとのこと。
弟子のカロリーナは山梨学院大学卒、甲府大使でもあるのでぜひこの機会にしっかりとPRしてもらいたいです。

令和新手白書 振り飛車編

以前からブログでも何度となく書いていた新刊の件ですが、来月半ばに発売されることに決まりました。
タイトルは元号変わって平成から令和です。前著の居飛車編と対になるような内容ですが、これも以前書いたように難易度を少し下げて、情報量はなるべく落とさず、かつ振り飛車党の方が参考にしやすいような内容を目指しました。
ぜひ前著ともども、よろしくお願いします。

サイン入れは後日することになっているのですが、実はサイン本の予約が知らないうちに始まって、そして終わって(完売して)いたみたいで、こちらで告知することができませんでした。
できれば自分の読者に最初に告知したかったのですができなかったので、追加等はまたいつか、何かの折に考えたいと思います。
あとは、何らかの出演機会があればその際は直接サインしたいと思いますので、ぜひそのときまでに内容に目を通していただけるとありがたいです。

よろしくお願いします。

昨日に続いて囲碁界の話題ですが、最年少名人の芝野さんが今度は井山さんに挑戦しており、王座のタイトル奪取に王手をかけている状況のようです。
二冠となればこちらもおそらく最年少記録なのでしょうね。
よもや囲碁界で将棋界以上に最年少記録が生まれる年になるとは思わず、最近注目のニュースが多いです。

それとイセドルさんの引退の報には驚きました。
将棋界に比べて囲碁棋士の選手寿命が短いとは思えないので、日本と韓国の違いが大きいのだと思います。
自分より若い棋士が身を引く、というニュースにはやはり揺さぶられるものがあります。

竜王戦第4局は2日目に入りました。
矢倉で、しかもお互いにある程度囲っているのに前例の全くない展開、こういう形がまだあったのですね。
序盤から長考続きで平成中期頃までの2日制の雰囲気が出ており、こういう将棋も増えてきてくれると良いなと個人的には思います。

純粋なるもの

昨日は大熱戦の興奮が収まらないまま、一日が過ぎていきました。
改めて考えても、奇跡的な終盤戦でした。

この1年ほどの広瀬竜王は、羽生九段のタイトル100期を目前で止め、藤井七段の最年少タイトル挑戦を目前で止め、と世間の期待を背中ではなく正面から受け止め、跳ね返しました。
自分にとっても大きなものが懸かっているのだから一生懸命やるのは当然なのですが、そこでいつも通りの将棋を指して結果を残すというのはやはり大変なことで、超一流はすごいものだと改めて思いました。
今日からは早くも竜王戦第4局、移動日・前夜祭を考えると休みなしのハードスケジュールです。

お隣の囲碁界ではこの数か月ほどで、やはりトップ棋士の一力さんが、竜星戦で女性初の優勝を止め、名人戦では女性初のリーグ入りを止めています。
不思議とこういうことは重なるのかもしれません。
ちなみに広瀬竜王と一力さんは、偶然にも早稲田の同窓ですね。

本当に純粋に一生懸命やった結果、世間の期待通りに物事が進むことがあれば、それを上回ってさえくることもあれば、そうはいかないこともある。
だからこそ勝負の結果は尊いし、そこに将棋界の価値があるのかなと思います。

表題はこういう場面を見るたびに思い出す、名著のタイトルです。素敵なフレーズだと思います。

昨日は女流名人リーグの最終一斉対局が行われ、妹弟子の谷口さんが挑戦者に。
年明けからの仕事を断って、この女流名人戦に懸けているという話も人づてに聞きました。
力はつけているのだと思うので、里見さんは強いですが健闘以上の結果を期待したいです。