勝ち

先手番で相掛かり。
長い序盤を経て、玉の堅さvsバランスというありがちな展開に。
こちらの細い攻めがつながるかというところで、66手目△1九香成にはびっくりしました。
まさか▲3三馬を許す手があるとは。

一見こちらが勝ちの流れに見えますが、72手目△5一角がしぶとい受けで、難しい形勢です。
そこで▲2二竜だと△6一玉▲3三桂成に△1一角という手があります。

これではっきり切れ筋とも言い切れず、難しい形勢なのですがやや自信なしと見ました。

ということで73手目は▲3三桂成を選択し、以下進んで89手目の▲6一成桂がピッタリの一手で勝ちを意識しました。これで後手玉に詰めろが続く形です。
73手目の長考以降はおおむね読み筋通りに事が進んだので、快勝だったのかと思いきや、ソフトには82手目△6一金を示されました。それは気づかなかった。

良さそうに見えても難しい終盤が続いていたようで、とはいえ実戦的な勝ちやすさはあったか、という内容でした。
全体としては、まずまず満足のいく将棋が指せたので良かったです。

これで最終戦は勝ち越しをかけて臨めることになりました。

負け

一昨日の将棋は、先手番で相掛かり。
中盤でお粗末な見落としがあり、いきなり終わってしまいました。

序盤はあまり例のない形ながらバランスが取れていて、これから面白くなるという矢先のポカでした。
競り合いにならず、残念な限りです。

このところ負けが込んできてしまい、内容も下降線で2月は正念場になりそうです。
次の公式戦対局は週明けの順位戦です。

臨時総会

昨日は臨時総会があり、現将棋会館の売却が決議されました。
令和4年度臨時総会のご報告

およそ1年半後の新会館への移転に向けて、着々と進んでいるところですが、その中でもとても大きな一歩です。

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議案以外に関する質疑の機会もあり、その中で先日の裁定に関する報告もあったので今後のことも含めて質問しましたが、結論として、自分の考えているのとは異なる方向に進んでいるようでした。

将棋の素晴らしさは自分で負けを認めるところにある(勝ちを宣言するものではないし、審判の判断を仰ぐものでもない)―というのが自分がこれまで先輩方から教わってきたことであり、自分自身でもその通りだと思っていて、プロになってからというもの、数多くの子供たちにそう伝えてきました。
しかし今後は(少なくともプロの対局においては)競技としての正確性を重視する観点から、その点が変化していくということだと思います。

これは自分にとってはかなり大きな、かつ残念な変化であり、過去の価値観が覆されるような話なのですが、それが将棋界の総意であれば、やむを得ないのかもしれません。
個人的には、多数の棋士がこのような変化を納得して受け容れているとも思えないのですが、単に自分の考えが少数意見という可能性もあります。

自分自身の対応としては、価値観自体は今後も変えるつもりはないし、これからも将棋は自分で負けを認めるゲームなんだよ、将棋は勝ちましたじゃなくて負けましたなんだよと、伝えていくつもりです。
その一方で公式戦の対局を指す際には、変化が起きたという事実を受け入れて臨む、というスタンスになると思います。
とはいえそう簡単に切り替えられるものではないので、心に留める意味で今日は時間をかけてブログを書くことにしました。