勝ち

一昨日の対局は、後手番で相掛かり。
▲3六飛のタテ歩取り狙いを△8四飛で受ける、令和になってからよく指されるようになった形で、小競り合いののち、5筋で飛車交換になりました。
図では▲6五桂と跳ねてくる手を警戒する必要があり、自然な手は△7三桂ですがそれには▲7五歩の桂頭攻めが来ます。

ここで△5四飛と打ちました。
持駒の飛車を一方的に手放すのは損ですが、▲5七銀と上がれない(7七の桂が浮く)のが付け目です。▲5七玉は一応ありますが、さすがに指しにくいだろうと。
実戦は▲7八金△9五歩▲8八角△5六飛と進み、難しい形勢ですが相手の駒を下がらせたことには価値があります。

以下は混戦になり、夜中までずっと形勢不明の大変な勝負が続きましたが、最後は入玉含みの先手玉を押し返して、なんとか競り勝てました。
一日を通して集中して指すことができて良かったです。

上の図をソフトにかけたら、△5四飛に▲5五飛!を指摘されました。
見た瞬間はパソコンが壊れたのかと思い、次に見間違いを疑いましたが、考えてみるとたしかに有力なようです。ちょっとそれは浮かばなかった。
将棋にはいろんな手があるもんだと思いました。

年内の対局はこれで終了。
今年も例年に違わず厳しい一年でしたが、師走の3局は良い内容で勝つことができて、来年に向けて希望が持てる結果になりました。

来場御礼

昨日は日帰りで鹿沼へ。
数年ぶりに大きなイベントに参加してきました。

栃木県支部連合会が立ち上がってから6年ほどになりますが、コロナ禍でこの数年はなかなか訪れることもままならない状況でした。
このたび久しぶりにイベントをやりたいという幹事長の熱意により、開催が実現しました。
盛況で、楽しんでいただけたようで何よりでした。
ご来場いただいた皆様方には、どうもありがとうございました。

タイミングは偶然ですが、今月に入ってから続けて、多面指しの機会に恵まれました。
久しく味わっていない感覚で、とても新鮮な感じがしました。
来年はこうした機会が多くあることを願っています。

勝ち

一昨日の順位戦は、先手番で矢倉vs雁木模様。
珍しく序盤で指しやすくなったのですが、1点のリードを守り切ろうと意識せずに、追加点を目指すつもりで指せたのが良かったです。

図は終盤入り口の場面。
▲3六歩と打って△2四銀と引かせたところなので、▲2六飛と出る手が自然にも見えますが、狙いは別のところにありました。

この局面は▲6四桂とセンタリングを上げることさえできれば、勝ちに持っていける状況です。
そのために▲4八飛△2七歩成▲9二馬と、攻撃陣のポジションを調整しました。

最初の▲4八飛は△4四飛~△4七歩成を警戒した意味が強く、次の▲9二馬ですぐに▲4六飛と出ないのは、△4三歩と受けられた後で△2八角が遠く6四に利いてくるのを避ける意味です。

以下は△4四飛(△3八と▲同飛△4七歩成の狙い)に▲4九香がピッタリの一手で、勝ちを意識しました。
8四飛が要のディフェンダーなので、動いてもらうことで飛車交換に持ち込めば、ゴール前がガラ空きになります。

今期の前半戦は苦しい星取りでしたが、久々に良い内容で勝つことができて、ひとまずホッとしました。

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サッカーはめったに見ない(ルールも細かいところは怪しい)んですが、テレビをつける時間にW杯がやっていると、さすがに自然と応援してしまいますね。
前夜のクロアチア戦は前半だけにしておこうと思ったところ、結局後半も見て、延長戦に入ったところで寝ました。
素人目にはとてもレベルの高い、拮抗したゲームに見えました。

90分通して見ていると、ゲームの展開だとか、選手はどんなことを考えて動いているのかとか、想像できて面白いということが初めて分かりました。
結果は惜しかったとしか言いようがないですが、それより何より、次のチャンスが4年後というのは厳しい、本当に特別な舞台なんだなあとつくづく思います。
次こそは夢が叶うことを願っています。

明日対局、訃報

明日は順位戦で西尾七段との対戦です。
名人戦棋譜速報

昨日は1年ぶりに連盟からお仕事の依頼があって、日帰りで天童に行っていました。
小学生名人戦の会場での指導対局で、久々にかなりのペースで指しました。6面指しを2周ぐらい×2セットで、たぶん二十数局指したと思います。

天童での大会・指導対局では必ず木の駒が使われていて、子供たちの作法や、片付けもしっかりしているのはさすが将棋の街、といったところです。
たくさんのご参加どうもありがとうございました。

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その数日前、「良い悪代官」こと花輪さんの、突然の訃報がありました。
仕事の打ち合わせで、電話した矢先のことだったので、本当に驚きました。

深い関わりを持った棋士は数知れず、僕自身もずいぶん良くしていただいて、宴席も何度となくご一緒しました。
中でも人間将棋にお招きいただいたときのことは、懐かしい、最高の思い出のひとつです。
今年の夏に、青森で行われた東北六県大会でご一緒したのが最後の夜になりました。

将棋も何局か指していて、直近はおそらく4年前の宮城山形対抗戦(@遠刈田)だと思います。
棋譜が残っていたので、追悼に代えて、図面をご紹介します。


銀冠穴熊のほうから端を攻めて来られて、図で▲9三香成!△7一玉▲5四桂!が鋭い寄せでした。
将棋界の応援者・地元の子供たちの指導者であることに加えて、ご自身で指されるのも大好きで、強い将棋でした。
そして、終わったあとはいつも熱心に検討しておられました。

あと、実はバックギャモンもやったことがありました。たしか仕事ではなく、プライベートで訪れたときだったような記憶があります。
将棋指導者の方とギャモンで対戦したのは、花輪さんが唯一のような気がします。

素敵な思い出は尽きず、本当に残念ですが、最後にお別れにうかがうことができたことにも、ご縁を感じます。
謹んで哀悼の意を表します。