順位戦とか

昨日のB2は大熱戦ぞろい。
大半の将棋が持ち時間を使い切るか、もしくはそれに近いような将棋になりました。

現在のルール(1分未満切り捨てではない、いわゆるチェスクロック方式)に変わってしばらく経ち、特に中盤以降の持時間の使い方には変化が生じているはずですが、いまだに最善手は分かりません。
もっとも、以前だってそれは同じだったわけで、都度最善を尽くしていくしかないでしょう。
ただ今後は当初に比べると、昨日のように残り1時間を切る将棋が、多くなるような気はしています。

全勝の野月八段が全クラスを通じての昇級1番乗り。
おめでとうございます。
昨日の野月ー阿部戦は、不定形の将棋だったので特に形勢判断が難しく、観ていた感じでは何度か揺れていたように思いました。

他では序盤から動きのあった横山ー北浜戦や、いつも大熱戦になる印象の藤井ー中川戦が面白かったです。
このクラスは自分より1世代~2世代上の棋士が多く、特に今期は上位3人を40代の先輩棋士が占めているのを見て、自分ももっと(若手に負けずに)頑張らなくては、と思わされます。

今日・明日は、順位戦ではA級があります。
今日の羽生ー佐藤戦は3敗同士なので、挑戦争いに生き残りを懸けた一番ということになりますね。

その他の中継では、竜王戦で藤井四段が登場。
叡王戦の本戦が1局と、棋聖戦ではわが一門の兄弟弟子同士の対戦があるようです。

昨日のクローズアップ現代、残念ながら同時出演ではなかったのですね。
井山さんのほうは国際棋戦があるので、対局日程はひときわ大変なのだろうと想像します。

囲碁は門外漢ですが、タイトル戦の結果や、国際棋戦のニュースはときどきチェックしています。
2月のLG杯、決勝に日本の棋士が出るのは久々だと先月「とくダネ」に出たときに知りました。
頑張ってほしいですね。

では今日はこのあたりで。

勝ち

昨日の対局は、中盤でうまく技が決まり、早い時間に勝つことができました。
幸先の良いスタートを切ることができて、嬉しいです。
良い一年にできればと思います。

終局後は事務室と中継室にちょっと顔を出して、その後は飲みに行くこともなく帰宅。
夜は他の対局をじっくり観戦しました。

長沼ー門倉戦の超難解な詰む・詰まないや、佐藤ー佐々木戦の最終盤での逆転劇が印象に残りました。
後者は中盤も全く羅針盤の利かない難しい戦いで、これが現代の横歩取りの醍醐味なのですね。

また全体的には、後手番が大きく勝ち越した一日だったようです。
先日紹介した(将棋世界とか)羽生先生のインタビューにあった「先手番が難しい時代」をさっそく体現したということになるのかもしれません。
先後の決まっている順位戦でこの星の偏りは、けっこう珍しい印象です。
力戦・不定形が多いというだけでなく、全体で見ても戦型がかなり拡散していることも、大きいような気がします。

今日は昨日に引き続いてB2の一斉対局で、対局数の多い日。
明日・あさってはA級があり、今週は順位戦週間ですね。
名人戦棋譜速報でお楽しみください。

それと今夜はクローズアップ現代に羽生永世七冠と囲碁の井山七冠が登場されるそうで、こちらも要チェックですよ。

新年初対局

いつものように、予約投稿です。

今日はC1順位戦の一斉対局日で、自分は日浦八段と。
調べてみると、順位戦だけで4度目の対戦でした。
C1に上がって以降、ちょうど3年おきに、しかも必ずこの季節に当たっているようで、ちょっと不思議な偶然です。

まずは指し分けに戻したいところ。
良い将棋を指せるよう、頑張ります。
棋譜は名人戦棋譜速報で、ご覧ください。

 

王将戦第1局は初日から激しい展開になり、2日目のかなり早い時間に、豊島八段の勝ち。
短手数での勝ちという結果もさることながら、後手番で、相振り採用での先勝は大きい感じがします。

1局目が四間飛車vs向飛車だったので、次は中飛車か三間飛車でしょうか。
面白い振り飛車がたくさん見られることを楽しみにしています。

あと今夜は銀河戦で解説した対局の放映があります。(Eブロック伊奈ー三枚堂戦)
良かったら、ご覧ください。

では、行ってきます。

12/28 岡崎六段戦

年末の対局を振り返っておきます。

この将棋では、初手に▲7八飛と振ってみました。
後手番で△3二飛とか△4二飛とかはやったことがあったはずですが、先手番で初手に飛車を振ったのはたしか初めてだったと思います。
実戦例も多い手なのでどうということはないんですが、指すときはちょっとだけフルえましたね。
今後はそういうことはないと思いますが、こういう新鮮な気持ちは大切にしたいです。

相手は意外にも玉頭位取りで対抗され、前局に続いて古風な将棋に。
もし中継されていたら、オールドファンには特に喜んでもらえたことでしょう。

経験の少ない将棋ながら、お昼すぎに迎えた図の局面は、いかにもさばけそうな感じ。
ここまで自然で指し回しで、我ながら見事な序盤だと思ったのですが。

ここから▲7七桂△8六歩▲同歩△同飛▲8五飛△同飛▲同桂と、これ以上ない自然な手順で飛車交換。
アマチュアの方にはぜひ覚えてほしいさばきの筋ですが、これが疑問。
以下△8八飛▲8二飛に△8六歩のと金攻めが早く、指せると判断していたのですが難しい形勢になってしまいました。

ここは▲7七角のぶつけが正しく、
(1)△同角成▲同桂△8六歩なら↑の手順で今度こそ優勢。
(2)△4四銀の角交換拒否には▲9六歩!がこれも銘記しておきたい手筋で、▲9七桂~▲8五飛の手順でさばきをはかる。
これが正しい手順でした。
感想戦で指摘されて、非常に勉強になりました。

このあともいくつか見落とした手があり、読みの精度に反省点が残りました。
ただ先日書いた通り、最後きれいに詰ますことができたのは良かったです。
今年はもっと良い将棋を指せるよう、頑張っていきたいと思います。

 

このあと数行空けて、1/3の解答を書きますので、自力で考えたい方は答えを見る前にリンク先をどうぞ。
実戦詰将棋とか

 

 

 

 

 

 

ちなみに問題の局面は▲4四歩(金取り)△6八竜(歩の壁を取り払った)▲4三歩成△同銀引と進んだところでした。
4八の香は動けない(玉を取られる)ので注意が必要です。

詰み手順は、▲4二角成△同金▲同竜△同玉▲5三金△3三玉▲4三金△2四玉▲2五銀(図)までは一本道。

これを△1三玉なら▲1四銀△同玉▲1五歩△2四玉▲1六桂として
(1)△3四玉は▲2五銀△同玉▲1七桂△1五玉▲2五金△1六玉▲2六金まで。
(2)△1五玉は▲2六銀△1四玉▲2五金△1三玉▲2四桂(開き王手)まで。
(3)△1三玉は▲1四金△1二玉▲2四桂△同歩▲2三銀まで。

実戦は図で△同玉を選び、▲1七桂△2四玉▲3四金までで終局。
以下は△1三玉▲2五桂△1二玉▲2四桂△同歩▲2三銀まで。

プロ的にはそれほど難しい手順ではないものの、どの変化もやけにぴったり詰むので、紹介したくなりました。
昨年は詰みに関するミスも多かったので、今年はそういうことのないように心がけたいです。

将棋世界とか

2月号の表紙はもちろん羽生永世七冠。
記者会見を見たときにも書きましたが、今回の永世七冠には普段淡々とされている羽生先生も、さすがに深い達成感を覚えておられるように感じます。

インタビューもいつも以上に興味深く読みました。
これまでのことや世代論、AIのこと、そして具体的な将棋の戦術に関することなど、必読の内容です。
先手番が難しい時代なのは自分も感じていて、そもそも主導権という概念が人間特有のものなので、そこに(感情のない)コンピュータ由来の局面評価が主流になりつつあることとの、ギャップがあるような気がします。

他にも豊島八段や藤井四段など、インタビューなどの読み物系がとにかく読み応えがありました。
藤井四段の
「対局は別に増えても苦にならないです。公式戦で対局することで、検討(研究)の材料になるので」
という一言は何気ないようで重要で、これからはこういう「トライ&エラー」式の勉強方法が主流になる(というかもうなっている)のだなあということを実感しました。

バックギャモンの世界では、「自分のプレイした棋譜をソフトに解析させて、エラーがついた部分を見返す」というのが一番の勉強法なのですが、将棋でも長い目で見れば、やがてそれと同じになっていくのでしょう。
将棋の場合、現在のソフトが出す評価値そのものは、将来的には必ず変化することが決まっているので、そこをどう評価するかが難しい問題なんですよね。

最近よく思うに、プロがさらに棋力を高めるために「ソフト相手に有意義な感想戦(局後検討)ができる」という能力が重要になってきています。
そのノウハウをそれぞれがバラバラに考えるようになって数年、方法論はいまだ確立せず。というのが現在の将棋界の実情だと思います。

 

子どもに「プロ棋士になりたい」と言われたら 親の心得
朝日デジタルの記事をご紹介。

以前も書きましたが地方からプロを目指すというのはなかなか大変なことで、石田君自身も語っているように親御さんはさぞ大変だったことでしょう。
僕は広島市内だったので彼らとは比べものにはなりませんが、両親にはとても感謝しています。

朝日デジタルは最近将棋の記事が特に多く、目を通し切れていないものもあるのですが本当に力を入れていただいている印象です。
「名人への道」の特集など、今後の展開にも注目しています。

今日・明日の日・祝で王将戦第1局、舞台は掛川。
タイトル戦の開幕で、ああ今年も始まったんだなあ、と改めて実感しますね。

再び将棋世界ですが、久保王将が藤井四段との対局のあとに語った
「彼は将棋を指すだけで普及になるのがすごいところ」
という一言は印象に残りました。
タイトル戦というのはまさにそういう舞台で、今期の王将戦もきっと面白い振り飛車が観られると思います。