タイトル戦関連イベント

今日はお知らせなどを中心に。
秋になるとニュースやイベントが多く、告知が追いつかないのはここ数年の傾向のような気がします。

王座戦は第4局で決着したため、第5局が予定されていた10/17に、日経本社でイベントが行われます。
王座戦イベント情報(自戦解説)

新王座の「会心の譜」は、やっぱり決勝点の第4局なんですかね。
もつれにもつれて最後は投了が敗着?の第1局から、徐々に手数が短くなっていって、どの将棋もそれぞれに印象深いシリーズでした。

竜王戦は第1局が来週、東京・渋谷で開幕を迎えます。
前夜祭に加えて、封じ手開封時等の観戦や、イベント参加等、いろいろなプランが用意されているようですね。
竜王戦プレミアム 特別観戦&交流プログラム

本物を観る機会は貴重ですので、ぜひ多くの方に参加していただきたいですし、これからもこういう試みが多くあってほしいと願っています。
なお、竜王戦はその後の予定を見ると、わりと新しい対局地が多い印象です。

まだだいぶ先の話題ですが、A級順位戦の最終局「将棋界の一番長い日」、今期は再び静岡市で行われるようです。
静岡市のリリースで知りました。
詳細などが固まったら連盟HPにも上がると思うので、そのときにリンクを貼ろうと思います。

第7期リコー杯女流王座戦五番勝負 対局者およびスケジュールについて
女流王座戦は今月末から開幕し、高知・大阪・静岡と転戦します。
他のタイトル戦でもそうですが、各地で対局が行われて、それに合わせてイベントが開催されることは、将棋普及という観点からも、とてもありがたいことと思います。

明日は女流王将戦の第1局。
こちらは毎年恒例で、都城で対局とイベントが行われます。
第39期霧島酒造杯女流王将戦 第一局都城大会イベント情報
対局は後日囲碁将棋chで放映されます。

タイトル戦とは関連はないですが、今日は大阪で谷川先生の会があるそうですね。
谷川九段と将棋を楽しむ会
棋士会や東竜門・西遊棋も相変わらず精力的に活動していますし、特にこの時期、イベントが多くなっています。
ご都合の許す限り参加されて、将棋の秋を満喫してください。

 

その他のニュース。

ジャポニカ学習帳『日本の伝統文化シリーズ』第5弾、『将棋』発売
ひとことで言って、とても嬉しいことです。
伝統文化として、相撲や歌舞伎と並んで、というのがまた良いですね。

新設 級位認定状
10級より下を新設したとのことです。
覚えて間もない方で、進級や卒業など、区切りのときに記念にといった感じでしょうか。

連盟HPのリンクを貼っているだけでけっこうな分量になりました。
今日はひとまずこのあたりで。

新王座

昨日の王座戦第4局、挑戦者が快勝で新王座に。
研究の深さに加えて、激しい変化に少考で飛び込んでいく勝負度胸に感服しました。
終盤、優勢と見られた局面での△7一歩にはびっくりしましたが、おそらくこれも妙手だったのでしょう。

中村新王座は自分よりすこし後輩に当たる世代で、タイトル戦経験は同世代の他の棋士より先行していただけに、さぞ喜びもひとしおだと思います。
衆目の一致する人格者のタイトル獲得は、将棋界にとっても喜ばしいことで、彼はきっと未来の会長候補でしょう。
関西の糸谷君らとともに、これからの将棋界を引っ張って行ってほしいと願っています。
この対照的な二人が同学年で、一緒に三段リーグを抜けたというのはなんだか象徴的な出来事のように、以前から感じていました。

菅井王位に続く新タイトルホルダーの誕生ということで、他に藤井四段の連勝記録もあり、2017年は棋史に大きく残る年になったように思います。
また戦術的にもこれほどの変化を感じた年は、いままでなかったような気がします。
将棋のメディア露出も目に見えて増え、将棋ファンも増加の一途です。
本当に、素晴らしい限りです。

 

その他の話題。

王将リーグ、豊島八段の矢倉を作っておいて自ら崩す戦略が目を引きました。
あんな指し方があるんですねえ。
ソフトの影響はあるのだと思いますが、どちらかと言うと読みの深さ・終盤の強さで勝ち続けている印象があります。
最近よく目にも耳にしますが、トップ棋士にあれだけ勝っていて、タイトルに手が届いていないのは不思議ですね。
今年度で見ても、藤井四段と同じかそれ以上の勢いを感じます。

A級は広瀬八段の勝ち。
渡辺竜王は、ずいぶん不出来な将棋だったように見えました。
羽生棋聖との竜王戦はどういう展開になるでしょうか。

今日の中継は、昨日に続いてA級が1局と、C2の後半分、それと叡王戦。

勝ち

昨日の対局は、序盤から苦しくしてしまいましたが、中盤でうまく粘ることができて逆転勝ち。
△6四桂から反撃に転じたあたりでは(82手目)、難しくなった気がしました。

どのあたりで好転したのか指しているときは分かりませんでしたが、直前の▲3二飛が△1五角の呼び水になったので、▲5四歩△同金▲5二飛の手順が良かった、という結論になりました。
読みにない手をたくさん指摘されて、面白い感想戦でした。
また改めて、検証しておきたいと思います。

順位戦は連敗スタートでどうなることかと思いましたが、巻き返して1つ勝ち越しに。
3-2もしくは2-3での折り返しはこれで7年連続です。
後半戦は例によって文字通り「順位戦」になりますが、一つでも多く勝てるように頑張ります。
上を目指すためにも、ひとつでも順位を上げて、来期はスタートダッシュを心掛けたいものです。

また年度成績も、これでようやく一つ勝ち越しになりました。
この調子で、次の対局も頑張ります。

 

一昨日の叡王戦四段戦は、3局ともそれぞれに見ごたえのある好局で、結果藤井四段が勝ち抜け。
終盤の強さが光りました。
この四段予選は「棋戦優勝」にはカウントされませんが、他の段位や棋戦とは違って、「四段の中で一番」を決める趣が強いので、超大型新人としての格を示す一つの実績ということになると思います。
いっときに比べると報道は落ち着いている印象ですが、この調子で勝ち続ければ、また社会的な注目を集める日も近いかもしれません。

そういえば昨日のC1では、AbemaTVで宮田ー佐々木戦が生放送されていました。
順位戦の中盤の単なる1局にも関わらず、と考えるとかなり異例のことと思いますが、昇級争いの大一番ということに加えて、佐々木六段にフォーカスしていこうということなのだと思います。
次代を担う若手棋士にこういう形で光が当たるのは本当に良いことだと思うので、藤井四段以外にもたくさんの棋士に、注目が集まってほしいですね。

 

今日は王座戦第4局。
舞台は横浜、戦型は角換わり。
いま観に行ってみたところ、とんでもなく激しいことになってますね。
(44手目△4五銀まで)
これでバランスが取れているのかどうか?
あるいは中村六段の研究が決まっているのかどうか。

その他の中継ではA級が1局、王将リーグが2局など、トップ棋士多数の豪華な一日です。

今日対局

いつものように、予約投稿です。

前の対局のあと、翌日はいろいろと用事をこなす日。
その次の日が仕事で、3連休はギャモンの大会だったのでけっこう予定が埋まっていたのですが、実はギャモンは早めに負けてしまい、昨日は予定がポッカリと空きました。
対局のことを考えると、結果的にほど良いスケジュールになったと言えるかもしれません。

バックギャモンのタイトルは、次の盤聖戦以降にお預けです。
出場を続けていればチャンスはあるはずなので、次は良い出目に期待したいと思います。

今日はC1順位戦の一斉対局日。
名人戦棋譜速報でご覧ください。

ブログで図面を紹介するようになってしばらく経ちますが、やはり全棋譜を観てもらえる機会は非常にありがたいです。
良い将棋が指せるよう、頑張ります。

10/4 藤倉五段戦

先週の勝局を紹介します。

藤倉さんとは、数年ぶり、数回目の対戦。
序盤のちょっとした駆け引きを経て、相手の四間飛車になったので、流行の銀冠穴熊を初採用。
以前にもこのブログに書きましたが、自分にとっては子供の頃によく指していた戦型でもあったので、往時を懐かしく思い出しながら指していました。

ちなみにその頃は7八金・7九玉の形は発想になく、舟囲いの形から▲7七角~▲8八銀~▲8六歩~▲8七銀と組んで、機を見て▲8八玉~▲9九玉としていました。
現代の工夫にはかなわなくとも、8八に玉がいる形をできるだけ避ける、という発想自体は現代とまったく同じです。

そして当時もいまもこの銀冠穴熊に有効な対策と目されるのが角交換型。
対して本局はこの▲3七角打が眼目の一手です。

この手で▲6六歩△同歩▲同銀とすぐ攻める手は△3九角があるし、4筋もがら空きになります。
この角を打つことで△6四角の先着を避けつつ、△4六歩の攻めも防ぎつつ、そして▲6六歩の攻めを有効にしようという狙いで、結果としてはこれがうまくいきました。

実戦は以下△8三銀▲7八金右△7二金▲6六歩△同歩▲同銀と進み、以下は攻め続けて快勝。
(1)▲6六歩のときに△3九角の反撃は▲5八飛△6六歩に▲5九飛もしくは▲4八銀で打った角を取れる。
(2)最終手▲6六同銀に△3九角は▲6八飛でピッタリ受かる。
この2つの変化がキモです。

この戦型はプロ間では近年になって急に指されるようになったわけですが、まだ雁木系ほどの圧倒的な流行はないので(そもそも振り飛車が少ないため)、今後ゆるやかに定跡が進化していくことでしょう。
増田四段の著書を再読して、復習しておきたいと思います。

王位戦はこれで3回戦進出。
過去最高成績に並ぶことができたので、次は更新を目指します。

明日は順位戦なので、そちらでもまた良い将棋が指せるよう頑張ります。