青流戦とか

この土日は加古川青流戦の決勝三番勝負があり、弟弟子の西田四段が×○○の星で逆転優勝。
1年目での優勝は快挙ですし、これまで三段リーグで苦労してきたことが報われたようで、喜びもひとしおでしょう。

西田君はだいぶ前から三段の中では上位だったと思いますが、なかなか結果が出ないまま、多くの後輩の卒業を見送ってきました。
そんな中でもあきらめずにやってきたことが、いきなりの優勝につながったのでしょうね。
おめでとう。

それにしても、10代の藤井四段・増田四段や、20代前半の若い棋士の台頭が続く中で、25歳・年齢制限間際でプロ入りした2人が決勝を争うというのは面白いものです。
それだけ、拮抗した中で戦っているという証なんでしょう。

いっぽうでAbemaTVの企画は、ここまで若手側がトップ棋士相手に4-0だそうですね。
基本的には、若い棋士が強くて勢いがあってよく勝つのは間違いないですし、ものすごく意外な結果というわけではないですが、さすがにこの偏りはびっくりです。

若手と一口に言ってもこういう企画に声がかかる人とそうでない人が出てくるわけですが、そうでない若手も、必死に戦っているし差はそれほどにはないということを、今回の青流戦は示してくれたのではないかと思います。

 

出張2日目は大会に参加するような強い大学生が多かったので、平手中心に、時計も使いつつの多面指しを何回転か。
駒落ちの指導対局とは違った、それ相応の指し方というものがあって、序盤から終盤まで、楽しく指せたのではないかと思います。
大学将棋に出ている時期というのは、多くの人にとって将棋が一番強くなれる時期なので、これからも切磋琢磨して頑張ってください。

その後は台風の影響を考慮して、予定を前倒しして帰京。
おかげで何事もなく、無事に帰ってくることができました。
山梨の皆様にはお世話になり、ありがとうございました。

東京は雨はかなり降ったもののそれほどの被害はなく、関西方面が大変だったようです。
個人単位で浸水に事前に備えることは難しいので、もしああいう事態になったら早めに避難するしかないなとニュースを見ていて思いました。
被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

竜王戦第1局は感想戦コメントによれば、やはり後手が十分戦える変化が多くあったところで、二択を続けて間違えてしまったと。
ただそれを差し引いても、早い終局には若干の違和感も残りました。
いっぽうで、前例のあまりない将棋で、興味深い内容でもありました。
第2局はさらなる熱戦に期待したいです。

現在地山梨

昨日、今日と久しぶりに、山梨県は甲府市の隣の笛吹市に来ています。

昨日は20局弱指して、夜は地元の方々と懇親会でした。
こちらではカロリーナがお世話になっており、僕も時々は足を運べたらと思っています。
今日も楽しく指してきたいと思います。

今回のイベントでは、急な衆院選が入り、場所等何かと大変な中でイベントをご準備いただき大変感謝しております。

さらに、台風も近づいているようで。
皆様どうぞお気をつけてお出かけください。

竜王戦は渡辺竜王が良いと見ていたら、まったく逆の展開と結果でちょっとびっくり。あとでもう一度じっくり見返してみます。

出張中ですので今日は軽めにこのあたりで。

スローペース

竜王戦第1局は相掛かりに。
予想の範囲内ではあるものの、どちらかと言うと意外な戦型。
といった印象です。

序盤早々に1時間近い長考が出るなど、かなりスローペースの立ち上がりになりました。
最近の相掛かりは定跡化されていない形が特に多いことに加えて、久々のタイトル戦での対戦、第1局、といったことも影響しているのかなと思って観ていましたが、実際のところはどうなんでしょうか。

夕方、突然の仕掛けから、数手で封じ手に。
こういうのは近年のタイトル戦では珍しいように感じています。
この戦前予想(前夜祭(4))は相当に秀逸だったのではないかと。

>羽生さんは、ちょっと私の感じなんですけど、ガンガンくるんじゃないかなと思ってるんですよね。
>今回は挑戦者ということもありますし、第1局から前向きにガンガンいくんじゃないかと。
さすが島先生です。

ところで、昨日見たのですが、ニコニコのPVで渡辺竜王が「最近の将棋の変化に自分はついていけてない」というような内容のことを話していて、びっくりしました。
竜王にしてそういう危機感はやっぱりあるんですね。
頂上決戦への思いや、ここ十年ぐらいのタイトル戦の流れに思いを馳せながら観ると、実に味わい深いPVだと思います。

今日は土曜日ですが、竜王戦(2日目)のほかに、加古川青流戦の第1局(とレセプション)、それに棋王戦のベスト4入り最後の一局も行われます。
いずれもモバイル中継あり、今日もお楽しみください。

 

熱戦多数、JT学校訪問、竜王戦

昨日は大熱戦の多い一日でした。
自分のいたブロックでもあった、叡王戦の六段予選は午前・午後と3時間オーバーの長期戦。
いずれも秒読みで形勢の揺れはあったと思いますが、どちらもバランスの取れた攻防が長く続いた好局だったと思います。
夜からの決勝戦は劇的なトン死だったようで、秒読みの中で長手数の詰みを読み切った金井六段はお見事でした。

王位戦の小林ー藤井戦は、藤井四段がまたも驚異の終盤力を見せてくれました。
棋譜コメントにも終局後のコメントにもありますが、飛車をタダで取らせて勝ちなんてことがあるんですかね。
他の場面も見どころ多数で、とんでもないものを見た感じがしました。

棋王戦はベスト4入りの大きな一番で、三浦九段が豊島八段に勝ち。
こちはら中盤以降ずっと三浦九段が優勢な将棋と見ていましたが、リードを守る技術、リードを広げさせない頑張り、双方の視点でとても勉強になる一局でした。

夜はB1順位戦。
谷川ー郷田戦の終盤がとにかくすごかった。
まさかあの後手玉が寄らないとは。

阿久津ー斎藤戦は中盤早々に盤の中央にと金が来る珍局。
最後は相入玉まであるかと思って見ていたら、よもやの千日手。
さすがにそこで寝てしまいましたが、指し直しも大熱戦だったようで。

全体的に成駒の活躍が多い一日だったような気がしました。
熱戦のバロメーターかもしれません。

 

僕は昨日は、JT将棋日本シリーズの関連事業である「学校訪問」で、足立区に行ってました。
お昼は打ち合わせをしながら給食をいただく。何十年ぶりかなあ。

5・6時間目をフルに使っての授業で、将棋の歴史・模範対局(作法を見て学ぶ)・指導対局・講話・質問タイムといった内容です。
個人的には小学校は久々でしたが、以前はよく行っていましたし、話すのは得意ですのでちゃんとできたかなと思います。
楽しみながら学んでもらえたら、それと将棋に限らず、何をやるにしても一生懸命取り組んでもらえたらと願っています。

決勝の東京大会はちょうど一か月後の11/19です。
将棋ブームの昨今ですので、子ども大会の参加者も過去最高を大きく上回るのは間違いないところでしょう。
ぜひ多くの子供たちに参加していただき、楽しい一日を過ごしてもらえたらと願っています。

 

そして今日から竜王戦七番勝負が開幕。
第1局の舞台は東京・渋谷のセルリアン東急。
いま舞台、と書きましたが能楽堂の、まさに舞台上での対局です。

昨日の前夜祭では歴代竜王がそろい踏みで、トークショー(前夜祭(5))などありとても華やかで楽しそうでした。
今日・明日のイベントや大盤解説、そして申し込まれた方は最高峰の公開対局を、どうぞお楽しみください。

順位戦とか

昨日は珍しく朝から夕方までずっと外出していて、用事をこなした一日。
ここからしばらくは毎日何がしかの予定があり、ほどほどに充実した日々になりそうです。

帰宅後、夜はB2順位戦を観戦。
戸辺ー中田戦の▲6五角がすごい手でした。
もちろんその一手だけで将棋が終わるということはなく、その後も見ごたえのあるねじり合いが続いて、面白い将棋でした。

戸辺七段はアマチュア・女流棋士の振り飛車党のお手本で、僕も(対局以外に指導のスタンスも含めて)いつも参考にしています。
ああいう個性と勢いのある将棋を指したいものですね。
簡単なことではないですし、結果を出すのはもっと大変ではあっても。

上位では首位の野月八段の将棋が、けっこうな逆転に見えましたが実際はどうだったのか。
最近の相居飛車は囲いの多様化が激しいので、形勢判断が難しく感じることが増えた気がします。

昨日のB2に続き、今日はB1順位戦。
名人戦棋譜速報でお楽しみください。

他に王位戦予選(藤井四段が登場)、棋王戦本戦、叡王戦枠抜け、マイナビ本戦と今日も盛りだくさんの一日です。
朝から夜までスキのないラインナップと言えそうです。

 

囲碁AIが「独学」で最強に グーグル、産業応用探る(日経)
大きなインパクトのある記事。
100戦100勝とか、人間にはありえない話だし。

囲碁のほうが将棋に比べて手数が長く、判断の要素があいまいで、詰みや必至という概念がないなど、人間にとって大変な要素が多いので、この先AIがどこまで進化するか、将棋以上に分からないのではないかと以前から想像していました。
記事に書かれていることはもとより、さまざまな未解決分野での活躍を彼ら(?)には期待したいですね。