カウントダウン

藤井四段は昨日も勝ち、これで26連勝。
いよいよ新記録へのカウントダウンが始まった感じです。

テレビでも話したとおり、最近の彼の将棋を観ていると、簡単に勝っている将棋はなく、いつも難しい将棋でミスが少なく、結果競り勝っています。
とすると疲労感も相当なものだと思うのですが、どうなのでしょうか。

ブログを書き出してふと、彼はたぶん今、学校に行ってるんだよなあ、と気が付きました。
いまの彼と同じ年の頃、僕は奨励会の初段で、月に2回、大阪に新幹線で通っていました。
例会前日は学校から帰ったらカバンを持ち換えて大阪に行き(当時は奨励会は平日だった)、将棋会館に泊まります。
翌日の例会が終わったら夜中遅くに広島に帰ってきて、次の日はまた学校に行く、という生活がちょうど6年ほど続きました。
中学生であればそれは当たり前のことながら、対局の前日も翌日も学校に行くというのは、それなりに大変だった気がします。

彼の場合はプロ棋士としての対局なので持ち時間もはるかに長く、東京か大阪に出かけて対局して、地元に戻って学校に行って、のコラボはかなり大変なはずです。
深夜に及ぶ順位戦を指して、その2日後にも対局があり、となると普通の棋士なら、今日は一日休むところです。
天才は、体力がなくては務まらないのだなと、いまさらながら思いました。

そういえば、「将棋は体力」という名言もありました。
言ったのはたしか、中京地区のスター棋士・板谷進先生だったはずです。
ここまで来たら大記録を見たい気持ちもあるいっぽう、早く誰かが負かしてあげなくてはという気もします。
これだけ強いと誰と当たっても簡単には負けない、と羽生先生が言ったそうですが、次はどうなるでしょうか。

C1に続いて昨日のC2も、熱戦、遅い終局の多い一日でした。
今週だけでいくつの名局が生まれたのでしょう。
一人のスターをきっかけにして、モバイル中継などで対局を観る人が増えてほしいですね。

順位戦とか

一昨日の順位戦。
粘りに粘った、つもりでしたがあとで他の将棋を観てみると、自分より遅い終局の将棋がかなり多く。
特に高橋先生が若手の永瀬君に持将棋指し直しで完勝していたのは驚嘆しました。

他にも島ー安用寺戦、福崎ー佐藤秀戦、平藤ー北島戦など、50代の先輩が大熱戦を演じている将棋を観て、30代の自分もまだまだ・・と気持ちを新たにさせられました。
次はもっと良い将棋、もっと気持ちのこもった将棋が指せるように頑張ります。

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渡辺竜王が「順位戦」というタイトルでブログを書いているので、てっきりご自分の将棋かと思ったら隣の将棋とは。
彼が観戦していた将棋のことをわざわざ図面入りで書くのは、珍しい、少なくとも久しくなかったことのような気がします。
もしこのところ僕がやっている影響だとしたら、ファンに良いことをしたかも。と勝手に思うことにしよう。

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子どもスクールが大盛況、という話題を最近ウェブ上でよく目にするようになりました。
月曜日に「ワイド!スクランブル」に出演したときにも、振られたわけですが1年間で360人が500人になった、というのは相当な数字です。

そのときにも話した通り、将棋界としてはブームに乗って増えた子供たちに、その後もずっと続けてもらうことが一番大事で、特に子ども向けの教室は進学・受験(ようするに塾との競争)という大きな壁が常にあります。
将棋を続けている子の進学率や進学先等を調査するのが良い(体感的にはかなり有意で優位なデータになるはず)と、以前からアイデアとしてはあるわけですが、これは今後の課題ですね。

それと「嬉しい悲鳴」というのはもちろんその通りなのですが、現場は本当に悲鳴なのも事実で、東京の将棋会館では、もう何年も前から土日の部屋が足りない問題がずっと続いているので、いまは特に深刻になっています。
時代の流れとともに奨励会が土日になり、中継等の観戦の都合を考えると対局も土日につけたほうが良い、となってくると当然ながらスペースは足りません。
根本的な解決としては将棋会館を大きくする(別の場所を借りる、もしくは別の場所に新たに建てる)しかなくてこれは結局お金の問題。
運営サイド(理事会)がかなり引っ張って、棋士もその目的に向かって進むという意識が醸成されないと実現しないことなので、いまの期待感を武器に強力なリーダーシップを発揮してほしいと、個人的には思っています。

あといまでもできることとしては、千駄ヶ谷本校だけでなく近くの分校や、棋士の開いている教室への参加等も合わせてオススメして、親御さんに検討していただけたらと思います。
特に東京近郊は近年教室も増えているので、それほど時間をかけずに通える場所もあると思います。

以上、教室関係は自分も事業部担当のときにすべての現場を回ったので、ちょっとした思い入れも含めて書いてみました。

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今日の中継はC2の後半戦、藤井四段の順位戦デビュー戦が注目を集めています。
瀬川五段本人もブログに書いているのと全く同じ気持ちで、僕もまさかここまで全勝とは夢にも思いませんでした。
ここまで来ると28という数字も現実味を帯びてきています。

思い起こせば10連勝でタイ記録、11連勝のとき新記録と話題になっていたわけで、いまから思うとあのぐらいで騒いでいたのはいったい何だったんだ?というレベルの、本当にとんでもない数字です。
戦型はまたも角換わり。今日はどういう結末を迎えるでしょうか。

負け

昨日の対局は、中盤以降ずっと苦しい将棋を、粘りに粘る展開。
辛抱し続けること、150手。
ついにチャンスが来た・・と思ったのも束の間、そこから一気に転落。

積み上げたものが、一気に崩れる瞬間ほど、儚いものはなく。

勝負は残酷なものです。ゆえに美しい。

最終手は我ながら、華麗なる見落としでした。
(投了以下▲1五同香は△1六桂~△3九馬、▲同馬は△2七香成で詰み。
全棋譜は名人戦棋譜速報でどうぞ)
別に形を作ったわけではありません。

ただ、最終手の△1五桂に気づいたとしても、▲4七馬~▲3六歩に代わる手は難しかった気がします。
その直前、153手目に▲4一竜と取ったのが一手パスの悪手でした。

負けたのは残念ですが、少なくとも22時過ぎまでは集中力を切らさずに指せたので、この調子ならいずれ結果はついてくると信じて、明日からまた頑張ります。

本日対局

予約投稿です。
今期順位戦の初戦、良い将棋が指せますように。

対戦相手の船江六段は、コンピュータ(電王戦)によって大きく変わった棋士の一人だと思っています。
また自分にとっても、彼のツツカナとの対局(第2回電王戦第3局)は、コンピュータ将棋というものに本格的に向き合うようになった原点でもありました。
その後のリベンジマッチも含めて、人間の強さと弱さ、いろんなものをまざまざと見せつけられた思いがしたものです。

あれから数年が経ち、コンピュータの影響がいろんな戦型の中に、あるいは流行の変遷に、色濃く表れるようになってきました。
けれど、本当はただコンピュータの影響だけではなくて、人間自身の成長によるところも大きいのですよね。
そんなところも、お見せできたらなと思っています。

カロリーナ関連の記事をひとつご紹介。
学校教育レポート

これからも対局を頑張ってほしいのはもちろんですが、こうやって彼女にしかできない役割を、たくさんこなしていってほしいと思っています。
藤井四段のおかげで将棋界が大いに注目されているわけですが、スター、タレントは他にもたくさんいます。
彼だけでなく多くの棋士の地位や知名度、イメージが上がるきっかけにしたいですね。

昨日はブログにも書いた通り、テレビに出てから夕方大阪に移動しました。
生放送の出演も3回目となると、すこしは慣れてきて、その半面うまく話さなくてはというプレッシャーも感じます。
どういうふうに見えているか、自分ではなかなかわからないので、感想など聞かせていただけたら嬉しく思います。

テレビと遠征

今朝もまた、同じ時間帯に、同じテレビ番組に出ることになりました。
(「ワイド!スクランブル」朝10時半頃~テレビ朝日)
繰り返しお声がけいただけるのは、嬉しい限りです。
ぜひご覧いただければと思います。

それにしても、普通の情報番組に出演するなどということは、ほんの数日前まで、まったく想像もしませんでした。
どんなきっかけで、どんなご縁があるかというのは本当に分からないものですね。

これからもできる限り、いただいたお話はお引き受けしようと思っています。
藤井四段のことに限らず、将棋界の良いところ、見どころについて、自分なりにお話できることはたくさんあるので、伝え方を考えながら、しっかり務めたいと思います。

明日は大阪で順位戦なので、今日はテレビ出演の足で、そのまま移動します。
簡単ですが、今日はこれだけで。