JT杯など

昨日のJT杯開幕戦は、糸谷八段の勝ち。
何度も駒当たりを放置する手が出てきて、非常に面白い内容でした。
こういう将棋は特に、現地でリアルタイムで観ていたら、さぞハラハラして面白かったでしょうね。
僕も子どもの頃、日本シリーズはよく(というか毎年)観に行ってました。
ライブの良さを、多くの人にぜひ味わってほしいです。

ところでJT杯といえばトップ棋士によるプロ公式戦と、もうひとつの柱が子ども大会。
これも藤井四段フィーバー、将棋ブームの余波か、申し込みが多く満員御礼、定員オーバーになっているようですね。
2年前に参加者数が1万人を突破して、大きな明るい話題になりましたがこのペースで行けばそれを越えるのではと思います。
本当に喜ばしいことですね。

また加古川青流戦では、杉本新四段が初勝利を挙げていました。
苦労して三段リーグを抜けて、初勝利までまた苦労して、ホッとした気持ちが強いでしょう。
僕も初勝利のときは嬉しかったので、いまでもよく覚えています。
対抗形から、お互いの玉がよく動く大熱戦、こちらも面白い将棋でした。

今日は叡王戦で羽生三冠が登場。
もちろんニコ生の放映モバイル中継ともにあります。
午前中はNHK杯、午後からニコ生で、スキのない日曜日ですね。

ところでこの叡王戦では、放映・中継ができなかった対局も含め、すべての棋譜がすべて公開されています。
公式サイトはこちら
独自の盤面を使っているようです。
あとこのページ、他の中継サイトに比べて色彩が鮮やかな気がします。
トップ画像は、新時代の幕開けをイメージしてるんですかね。

今日はこれから青梅に出かける予定があり、普段より早めに、軽めに更新です。
(ちなみに登山ではありません)

テレビの話題など

昨日放映された「藤井聡太14歳」ブーム、喧噪の最中にあって、落ち着いたとても良い番組でした。
地元の東海テレビ制作で、事前の反響を受けて全国放送になったとか。
タイムリーで視聴率もさぞ良かったのではないですかね。
小さいときの映像もたくさんあって、当時からの期待の高さがうかがえました。

そういえば、ドキュメンタリー番組も、これまた最年少記録更新でしょうね。
(将棋界の枠を超えたら、他にも例はあるのかな?)
録画してあったクローズアップ現代も観ました。
(これまた最年少でしょう)
明日はNHKスペシャルに登場だとか。

これからもとうぶんは引く手あまたでしょうから、こういう特に目立つところで、将棋界の顔、看板になってくれると嬉しいですね。
全部引き受けていたらキリがないと思うので、周りがしっかりサポートしてあげてほしいです。

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個人的にも、相変わらず番組出演やちょっとした取材など、ちょくちょくいただいている状況です。
彼のことについて語ることももちろんですが、いかにして将棋界全体だとか、将棋そのもの、あるいは棋士の魅力や能力について知ってもらうか、ということを考えてお答えしています。
テレビ出演も、またありそうですので、これについてはまた明日かあさってに。

最近、あまり図面が貼れていないのは大げさに言えば人生の時間の使い方の問題で、将棋に関するアウトプットより、上記のようなことを考える時間を優先しています。
もちろん中継は毎日必ず見ているので、機を見てときどきは、盤面の話題にも触れたいのですが。
ただこの機会でないとできないこと、いまこそやるべきことを一つ思いついてしまったので、これから3か月ぐらいで形にできるよう、頑張ってみようと思っています。

 

昨日の中継では、棋王戦の三浦ー松尾戦が対抗形で山あり谷ありの大熱戦、面白い将棋でした。
またA級の2局はいずれも関西の若手が勝ち、相変わらず強くて勢いがありますね。
どちらも不定形の複雑な将棋でした。

今日は土曜日ですがJT杯日本シリーズの開幕戦、それと加古川青流戦の対局があります。

100年をつなぐ

まだ大記録の余韻冷めやらぬ感じですが、公式戦は他にも数多く行われています。
今日はA級順位戦が2局と、棋王戦本戦、それにリコー杯女流王座戦が3局。
名人戦棋譜速報日本将棋連盟モバイルでお楽しみください。

大きな対局では、王座戦の本戦が進行中。
一昨日の渡辺ー菅井戦はねじり合いが続く面白い将棋でした。
序盤で▲5七金~▲4六金と繰り出すなんて手があるんですね。
一見驚かされる、しかし読みの入った手が多く出てきて、すごいものだと思いました。

渡辺竜王が敗退して、残ったメンバーは竜王より年下の棋士ばかりに。
そして昨日広瀬八段が敗れ、とうとう20代の棋士だけになりました。
王座戦ではこれで5年連続、20代の挑戦者ということになるそうです。

 

表題は、ここ数日ふと、思い出していた言葉。
先輩との対戦から、後輩との対戦までで、世代をつなぐこと100年。
年齢に関係なく楽しめるのは、将棋の良いところのひとつです。

半年前、藤井四段が加藤九段との対局でデビューし、先日加藤九段は引退、その翌日に藤井四段が28連勝を達成。
歴史のバトンがつながった2日間、という気がしました。
藤井四段も50年か60年後、平成の次の次の元号生まれの新人と、対戦したりするのかもしれません。

今年は8つめのタイトル戦の誕生という、将棋界にとってとても大きな出来事もありました。
思い起こせば、他の7つのタイトル戦は、いずれも前身を含めると半世紀以上の歴史を持つものばかりで、主催新聞社には、本当に感謝しかありません。
100年をつなぐのも、なんといっても棋戦があればこそです。

 

叡王戦に次いで新しいタイトル戦にして最高棋戦の竜王戦。(前身は「十段戦」)
決勝トーナメント開幕を直前に控え、七番勝負の開催地が発表になったようです。
例年通り、全国各地を転戦します。
行く先々で、現地のファンに喜んでもらえたらと思います。

そういえば、将棋会館のある千駄ヶ谷は、能楽堂があることでも有名ですが、渋谷のセルリアンに能楽堂があったとは知りませんでした。
最高の伝統文化を発信する舞台として、実にふさわしいですね。

歴史的瞬間

藤井ー澤田戦、夕方の4時47分に終局。
そのとき僕は、NHKのスタジオにいました。
ちょうど、番組の切り替わりが4時50分だったので、その手前に入れるかどうか、という場面。
スタッフの皆さんが、とても慌ただしそうにしていました。

終局後すぐ速報のテロップが入って、その後まもなく、アナウンサーの方がニュース原稿を繰り返し読むのを、隣で聞いていました。
終局直後のインタビューや、その後の記者会見の映像もすべて、NHKのカメラを通して観ていました。
歴史の1ページに、このようにめったにない形で立ち会うことができて、光栄に思いました。

結局そこから1時間あまりの番組の間に、都合3回にわたってお話させていただきました。
臨機応変に対応せねばならず、さすがに緊張したものの、なんとか無事にこなせたような気がします。
もし次があれば、もうすこし上を向いて話せるようにしたいと思いました。
お世話になった皆様、どうもありがとうございました。

号外、出待ちなど、昨日も新たな伝説が生まれましたが、個人的には将棋のニュースで、他の予定が変更になるというのは初めての経験でした。
それだけ社会にインパクトをもたらす、反響の大きな出来事だったということだと思います。

その後、出番を終えて控室に戻ったら佐藤会長にお会いし、そのことをツイートしていたら今度は兄弟子の山崎八段に会いました。
将棋番組以外で、これだけ棋士がテレビ局にいるというのも、そうあることではないでしょう。
ただ、今後はこれが日常になれば、とも思います。

将棋の内容としては、一進一退の中から藤井四段がスッと頭ひとつ抜け出したと思ったら、そのままあっという間に勝ち切ったという印象です。
昨日のNHKや、今朝のテレビ朝日でもそのように話しました。

▲6四角ですこし良くなったかと、という藤井四段本人の感想がありました。
たしかに形勢が傾いた感じはしたものの、まだ勝ち切るまでには一山ありそうな感じで(実際、控室でスタッフの方々にそう説明していた)、あそこから1時間ほどで決着するとは思いませんでした。

お昼頃、テレ朝から帰ってきて、ネット・新聞・テレビ等での、昨夜からの一連の報道を追いかけましたが、まだ追い切れていません。
「記録」というのはやはり大きな意味を持つようで、いま思うと、これまでは注目度がまだまだ低かった気がします。
次は新記録がかかるので、いっそう注目が集まるのでしょう。
少なくとも月曜日の対局までは、こういう状態が続くと思います。

それにしても、いまだに現実のことだというのが信じられない気持ちです。
本当に、すごい人が現れたものです。
同じプロ棋士の端くれとして、ただ驚き感心し語っているだけでいいのか、という気持ちもあります。

僕も精進します。

28連勝

歴史が動きましたね。

昨夜の報道量は、それまでとは全く違いました。
やはりすごいことが起きたのだと、改めて思いました。
テレビでも話しましたが、すごすぎて、まだ実感がないというか、ピンときていない自分がいます。

今日も「ワイドスクランブル」にお招きいただいていて、出かけないといけませんので、とりあえず今朝の更新はこれだけにします。

自分の出番は第1部の冒頭、10時半頃~
その後第2部では、女流棋士特集でカロリーナも取り上げていただく予定です。
良かったらご覧ください。

では、行ってきます。