ここ数日、毎日暑いですね。
東京はちょっと出歩くのが大変になってきました。
用事のない日は外出は軽い買い物ぐらいにとどめて、ほぼ家で過ごしています。
夏バテしないように気をつけないといけません。

また九州の豪雨で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
地元の広島も報道されていたので心配しており、母に連絡してみたところ実家は無事だったようです。
最近大きな地震が続いたこともありましたし、自然は本当に怖いですね。
世の中が平和で、落ち着いて生活できてこその将棋なので、と思うようになってから、災害のニュースには特に敏感になった気がします。

 

昨日の竜王戦は、混戦の末佐々木五段の勝ち。
早い仕掛けのあとは茫洋とした展開が続いて、特に終盤が難解な将棋でした。
最近いわゆる「評価値」が取りざたされることが多いわけですが、こういう展開で時間も少なくなってくると、評価値はあんまり意味がないのではとよく思います。
でもその一方で、そういうときこそ形勢判断が大事なのだろうか?とも思ったり。

「評価(値)=形勢判断」と、「探索=読み」が、将棋の指し手を決定する上での二大要素、かつ不可分なのは人間もCOMもある程度同じだと思うのですが、「どう不可分か」という点がずいぶん違うという印象を持っています。
このあたりのことをもっとうまく説明したいのですが、残念ながら文章力が不足しており・・・

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最近アイデアとして世の中に出したい、知ってほしいと思っていることがいくつもあり、
(具体的には↑のようなCOM関連、それから教育関連、それと単純に技術的なこととかも)
実はときどき文章を書いてみたりもしているのですが、なかなか思うように形になりません。
これは自分の思っている理想と、自分の能力が乖離しすぎていることが原因で、平たく言うと文章がヘタだということです。
考えたことを書きだしてみると、全然書き出せてないんですよね。我ながら実に不思議です。

何かうまい方法はないものか・・と思うとだいたい新たな本を読んでみるという展開が多く、ちょっとした一人千日手模様です。
自己分析としては、アウトプットとインプットのバランスが悪いです。

これまでの35年あまり、自分ができそうなことは努力して、できそうにないことは避けてきました。
やりたいことより、いまやるべきと思うこと、やるべきと思うことより、やればすぐできそうなこと。
そうやって物事を選んできた気がします。
でも、せっかくやりたいと思ったことなら、実現したいという願望も、常に持ち続けていた気がします。
なんとかしたいと思うんですけどね。なかなか思うようにはいきません。

 

そんなわけで、まとまりのないまま今日はこのあたりで。

とりあえず詰将棋解こう。

最近の将棋とか

自分の対局は残念な結果でしたが、今週は特に熱戦が多く、観戦していて楽しい1週間でした。
中でも大きなところで、王位戦第1局は振り飛車の名局だったと思います。

あまり例のない出だしから長い長い駒組みが続き、基本的には居飛車が(一歩得でもあり)模様の良い将棋だったと思うのですが、駒がぶつかってから、ごちゃごちゃと戦っているうちになんとかしてしまいました。
まさに「ねじり合い」という言葉がふさわしい内容で、もちろん現代将棋のエキスもふんだんに入っている中で、大山先生的というか、昭和の香りのする力強い指し回しでした。
羽生先生を相手に、タイトル戦の初陣でこの戦いぶりは驚嘆の一言です。

順位戦はA級が2局とB2、C2が行われました。
名人戦棋譜速報
佐藤会長は特別としても、他にも力戦、乱戦が多く、これが最近の傾向かなという印象です。

目を引いた手筋をひとつご紹介。
C2の三枚堂四段ー小林九段戦より。

ここで▲9八香があまり見ない一着。
振り飛車の将棋で玉から遠いところではたまに見かけるぐらいの珍しい意味づけで、単に▲6六角だと△同角▲同歩△8八角が両取り、しかし▲9八香△9九角成▲6六角△同馬(△9八馬は▲3四歩)▲同歩なら大丈夫という仕組みと思われます。
いままでにない力戦だからこそ、こうやっていままでにない手筋が発掘されるのかもしれません。
特に桂香の手筋は、まだまだ知られていない(体系化されていない)手がたくさんありそうな気がしています。

こちらの図は、最近放映された将棋で、同じく香の手筋。
(※銀河戦は、テレビ棋戦なので放映で観ていただきたいところですが、放映終了後は囲碁将棋chのサイトでも棋譜が公開されています。)

この△1七香はよく見かける手筋で、▲同香は△2九金で詰み、▲同玉は△1九竜で寄り。
しかしここで▲1八香!が粘りある一着でした。
1七の逃げ道をふさがず、合駒もせず、1九を受けるにはこの手しかない、ということで論理的な手筋です。
創作次の一手では見たことあったような気がしますが、実際に現れるのは珍しいです。

香は、じゃなかった今日は土曜日ですが竜王戦の決勝トーナメントが指されています。
藤井四段の連勝を止めた佐々木五段がどこまで勝つか、というのが新たな注目ポイントでしょうね。
また藤井四段も連勝は止まったものの先日の順位戦にもたくさんの報道陣が集まっていたようで、引き続き注目は続きそうです。

7/7 阿部光六段戦

残念ながら1回戦負けとなってしまいました。
今朝はブログを更新しないで出かけたので、先ほどの対局のことを簡単に書いておきます。
棋譜はこちらで見ることができます。

三間飛車は先週に続いての採用。
序盤は軽い作戦負けと思っていましたが、図の局面ではチャンスが来たような気がしていました。

ここで△8三銀と埋める手は、プロなら誰でも第一感のはず、しかしこれが手拍子の疑問手でした。
モバイル中継でも確認したところ、案の定5秒で着手していました。

感想戦コメントにもある通り、代えて△7五歩の先着を急げば、難しい勝負でした。
7五・7六の地点を押さえるのが最優先だったのです。
解説の飯島さんに指摘されて、すぐに納得しました。
玉頭戦は対抗形の華、こういうところで正しく指せないと振り飛車は勝てませんね。

最近は若くて強い後輩との対戦が続いています。
次の対局もすぐあるので、気を取り直してまた頑張ります。

明日対局

叡王戦で相手は阿部光瑠六段。
今年に入ってから立て続けに2回負かされており、正念場です。
ニコ生の放映もありますので、ぜひご覧ください。
強敵ですし電王戦出場棋士ということで視聴者の応援も多いかと思いますが、なんとか頑張りたいと思います。

以前書いた通り、叡王戦はニコ生の放映がない対局も含めて、棋譜がすべて公式サイトで公開されています。
記録用のタブレットとの連携で、ほぼリアルタイムで更新されているようですね。
実に便利になったものです。

 

王位戦は2日目に入りました。
羽生王位が早々に端歩を突いたのがまず目を引きます。
その後もどことなく注文をつけた立ち上がりで、第1局であることも考えるとこういうのはかなり珍しい気がします。
封じ手の局面は私の感覚では居飛車持ちですが、この後どうなるでしょうか。

挑戦者の菅井七段、途中で和服を着替えたとのこと、これもあんまり例のない一着でしょうね。
8時間の練習将棋を指したがったという話とか、実にまっすぐな彼らしい話です。
リベンジマッチのときのことを、いろいろと思い出してしまいました。

王座戦はベスト4が出そろいました。
今期の本戦は毎局若いほうが勝ち上がっている印象で、「フレッシュなメンバー」という言葉はよく使いますがベスト4でここまで若いのはさすがに珍しいのではないでしょうか。
ここからは誰にとっても特に大きな戦いになりますね。

先日の竜王戦の話題。
7月2日の対局について、佐々木勇気五段のコメント
7月6日読売新聞朝刊に佐々木勇気五段 対 藤井聡太戦の舞台裏記事が掲載

棋士の対局前や対局後のコメントが掲載されるというのは、以前はあまりなかったので良いことと思います。
将棋もスポーツの世界を見習ってできることはいろいろあるはずで、これもその一つでしょう。
「対局結果・予定」のページには「棋戦最新トピック」というコーナーが増えたみたいで、今後も充実していくことと思います。

藤井四段は今日、初黒星以来の初対局。
C2順位戦で、いつもの名人戦棋譜速報日本将棋連盟モバイルに加えてabema、ニコ生でも放映があります。
報道陣の数はいままでよりはずいぶん減ると思いますが、それでも引き続き注目されていることには変わりないでしょう。
職人の振り飛車相手にどんな将棋を指すのか、楽しみにしています。

6/30 八代六段戦 ほか

そろそろ次の対局が近いので、前の対局(棋聖戦)について簡単に記しておきます。

図は終盤の場面で、6筋でぶつかっていた歩を取った場面。
実は数手前に△6六歩と突いた時点ではこの手が見えていなかったので、ちょっと焦りました。
直前に気がついて、秒読みの中で対策を練っておけたのが良かったです。
ここで△6五桂がピッタリの一手で、勝ち筋に入りました。

実戦は以下▲6五同歩△5六角▲6七桂合△6六歩▲5九飛に△6七歩成と進んで詰み筋に。
実は△6五桂のとき単に▲6七桂と打たれる変化が読み切れていなかったのですが、△5六角▲5九飛に△7七桂成▲同金△6六金と攻めて、どちらの角も取れないので勝ち筋です。
お互いに桂馬がよく活躍した一局でした。

全棋譜は日本将棋連盟モバイルでどうぞ。

昨日の竜王戦決勝トーナメント、▲8五歩と銀を呼び込んだら、△同銀~△8六同銀!と頭から突っ込んだのにはびっくりしました。
こうやってお互いの判断や価値観が真っ向からぶつかる場面というのはときどきあり、いやおうなく勝負どころになるわけですが本局は銀損しても歩切れや玉形の差が大きい、という見方が正しかったようです。
現代将棋の象徴みたいな一局でした。

 

昨日に続いてテレビの話題。

藤井四段の対局結果や当日の食事、といった報道が一段落した代わりに、将棋の特集を組んでいただくことが増えてきた気がします。
けっこうなボリュームの尺で、かなりの数の関係者に取材して、棋士もスタジオや収録で出演して、という感じでかなり大がかりな特集が多いです。
切り口はいろいろですが見ている範囲では好意的な内容の番組が多く、ありがたい限りです。

将棋用語とか、もちろんミスもありますがあんまり気にしすぎなくても良いのではないかと個人的には思います。
(×打つ→〇指す、とか)
個人的にはどうやって、どういう側面を取り上げていただいているかのほうを見ています。
プロになること、プロとしてやっていくことの大変さや、歴史と伝統、所作や作法、道具、あとは教育、そういったところに注目が集まってくれればと願っています。

あといつかのワイドスクランブルで「クイズの問題になると良いですね」みたいな話をしてきたことがあったのですが、最近見たクイズ番組で実際にあって、嬉しくなりました。
他の分野のことのたとえ話とかに使われたり、地味にそういうのも注目しています。

 

今日から王位戦7番勝負が開幕。
これから夏の暑い時期に、日本列島を文字通り転戦するのがこの棋戦です。
初挑戦の菅井七段がどういう時間配分で行くのか注目しています。

そのほかに今日はA級が1局とB2、王座戦の本戦があり盛りだくさんな一日です。