そろそろ次の対局が近いので、前の対局(棋聖戦)について簡単に記しておきます。
図は終盤の場面で、6筋でぶつかっていた歩を取った場面。
実は数手前に△6六歩と突いた時点ではこの手が見えていなかったので、ちょっと焦りました。
直前に気がついて、秒読みの中で対策を練っておけたのが良かったです。
ここで△6五桂がピッタリの一手で、勝ち筋に入りました。
実戦は以下▲6五同歩△5六角▲6七桂合△6六歩▲5九飛に△6七歩成と進んで詰み筋に。
実は△6五桂のとき単に▲6七桂と打たれる変化が読み切れていなかったのですが、△5六角▲5九飛に△7七桂成▲同金△6六金と攻めて、どちらの角も取れないので勝ち筋です。
お互いに桂馬がよく活躍した一局でした。
全棋譜は日本将棋連盟モバイルでどうぞ。
昨日の竜王戦決勝トーナメント、▲8五歩と銀を呼び込んだら、△同銀~△8六同銀!と頭から突っ込んだのにはびっくりしました。
こうやってお互いの判断や価値観が真っ向からぶつかる場面というのはときどきあり、いやおうなく勝負どころになるわけですが本局は銀損しても歩切れや玉形の差が大きい、という見方が正しかったようです。
現代将棋の象徴みたいな一局でした。
昨日に続いてテレビの話題。
藤井四段の対局結果や当日の食事、といった報道が一段落した代わりに、将棋の特集を組んでいただくことが増えてきた気がします。
けっこうなボリュームの尺で、かなりの数の関係者に取材して、棋士もスタジオや収録で出演して、という感じでかなり大がかりな特集が多いです。
切り口はいろいろですが見ている範囲では好意的な内容の番組が多く、ありがたい限りです。
将棋用語とか、もちろんミスもありますがあんまり気にしすぎなくても良いのではないかと個人的には思います。
(×打つ→〇指す、とか)
個人的にはどうやって、どういう側面を取り上げていただいているかのほうを見ています。
プロになること、プロとしてやっていくことの大変さや、歴史と伝統、所作や作法、道具、あとは教育、そういったところに注目が集まってくれればと願っています。
あといつかのワイドスクランブルで「クイズの問題になると良いですね」みたいな話をしてきたことがあったのですが、最近見たクイズ番組で実際にあって、嬉しくなりました。
他の分野のことのたとえ話とかに使われたり、地味にそういうのも注目しています。
今日から王位戦7番勝負が開幕。
これから夏の暑い時期に、日本列島を文字通り転戦するのがこの棋戦です。
初挑戦の菅井七段がどういう時間配分で行くのか注目しています。
そのほかに今日はA級が1局とB2、王座戦の本戦があり盛りだくさんな一日です。