コメントについて

再開から数日経って、だいぶ扱いに慣れてきました。
これからやってみたいこともあるので、勉強して、いろいろ試してみようと思います。

今朝はコメント欄についてです。
いまのところ、デフォルト設定そのままにしてあります。
承認制、かつメールアドレス要記入というのが、このブログの基本設定のようです。
メアドはもちろん公開されませんし、私がそのメアドを使うこともありませんので、その点はご安心ください。

すでに数人の方からコメントをいただきました。
↑のような面倒な手間をいとわず、どうもありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。

 

承認、返信等の方針についても、簡単に書いておきます。
まず、原則としては公開(承認)します。
(もちろん、一般的に見て悪意のあるようなものは、削除します。)

こないだ「羽生善治」という方からコメントをいただいたのですが、これは承認しないであります。
万が一同姓同名か、万々が一ご本人だったら申し訳ないのですが、何か別のハンドルネームでお願いします。
その昔には「daicham」という名前の投稿とかもありました。
紛らわしいものは控えるようにしてください。

また、「承認不要」のように、何か分かるようにしていただければ、承認しないで、僕が読むだけにします。
この方法で、メッセージ代わりに使っていただくこともできます。
twitterのDMは相互フォローでないと使えないので、この方法はなかなかに便利なのではと思います。

 

それからこのブログでは、将棋の解説をいろいろな形でやっていきたいと思っているので、記事で取り上げた盤面(指し手)に関する質問については、必ずお答えしようと思っています。
ぜひお寄せください。
取り上げた以外の将棋の場合は、可能な範囲でお答えしたり、あるいは別途取り上げさせていただこうと思います。
将棋に関係ない質問については、基本的にはお答えしないつもりです。
そのほかのコメントにも、一つひとつの返信は致しかねますので、ご了承ください。
ただ、手間をかけてコメントをいただけることは、ありがたいことと感謝していますし、必ず目を通します。

 

gooブログでの10年の間には、コメント欄でだけやり取りさせていただいていた方も何人かいました。
コメントがきっかけでリアルで指導将棋を指させていただくことになった方もいました。
いわゆる「炎上」も何度か経験しました。
いろいろと、懐かしいです。

これからも、考えながらやっていくことになると思うので、あくまで現時点での考えです。

 

日本将棋連盟モバイル

ブログをいまの形式で再開した理由の一つに、表題のいわゆる「モバイル中継」の、紹介・宣伝をしたいということがありました。
いまはおそらく棋士も大半が観ていると思われるこのアプリ、自分は立ち上げからずっと関わってきて、担当理事も務めさせてもらったので、人一倍思い入れは強いと思います。
いまは直接関わる立場でないぶん、より声を大にして言いやすくなりました。
手前味噌ではなく本当に素晴らしいサービスなので、このブログの読者はもとより、将棋ファンの方ならぜひ観ていただきたいです。
会員数がいまの10倍ぐらいになってほしいですね。

右側の「固定ページ」というところの一番下に、「棋譜中継を見るには」というコーナー(という表現で良いのかどうか?)があります。
たいした説明は書いてなくて申し訳ないのですが、青くなっているリンク先をクリックして進んでもらえば、たぶんそれほど難しくなく、入会できると思います。

またすでに会員の方には、ちょうど4月1日にアプリもリニューアル(という表現で良いのかどうか?)したようなので、アップデートが必要です。
自分はAndroidユーザーなので、「google playストア」に行って、「将棋連盟」で検索したらこんな感じになりました。

一番上は将棋連盟HPのアプリです。
ちょっと他のラインナップに比べて画像に疑問を感じるので(笑)いずれはかっこよく変えてもらいたいですね。
対局結果とかをチェックするのに便利だと思います。
ウォーズや24は、自分の場合は指すときはタブレットなので、スマホには入れていません。
一番下の「i羽生将棋」は、覚えて間もない方が将棋の基本的な指し方を覚えていけるようなアプリになっています。

で、モバイル中継のアプリをクリックすると、こんな感じになって、


更新ボタンを押すとアップデート完了です。

この土日は、もちろん電王戦が大きな注目を集めたと思いますが、リコー杯のアマチュア予選もあったので昨日、棋譜をチェックしてみました。
中でも山田ー山田戦は、動きの多い面白い将棋でした。
また昨日はAbemaTVをご覧になった方も多いと思いますが、この対局もモバイル中継でチェックすることができます。

こんな感じで観れます。
(※実際の画面は機種や、スマホorタブレット、あと設定によっても多少異なると思います)

3大攻め将棋、なるほど。

いま、僕はモバイル中継を観ない日は、たぶん自分の対局の日以外にはないはずです。
一棋士にできることとして、プロの対局と、中継の面白さをこれからも日々伝えていけたらと思っています。

 

藤井四段

AbemaTVで毎週日曜日の夜、「炎の七番勝負」が放送中です。
強いのはもう十分わかっていたつもり、しかし、それにしても今日のはすごかったですね。
天才少年、という僕があまり好きではない言葉を、使わざるを得ない局面でしょうか。

まず中盤で、△7六歩に▲同銀と取った手がびっくり。△6六桂の両取りが見えてますからね。
(図面略、すみません)

この手を見て頭に思い浮かんだのがこの将棋
(名人戦棋譜速報、要会員登録)
先日のA級順位戦最終局、渡辺ー行方戦。
43手目の感想戦コメントに「ここで△6六桂は▲6七金右で全然ダメ。金を取っても喜べない」と書いてあって、なるほどそういう感覚なのかと、感心したというか、驚いた記憶がありました。
桂で金の両取りをかけさせて、さらに後手を引いても悪くないという発想は自分には全くなかったので、吸収していかないといけません。

そこから数手進んで、▲6六桂△6三銀▲4六角というのがまた気づかない手順。
再び後手を引いて、悪くないという判断。6六の地点を埋めておくのが大事ということなんでしょう。
その後も比較的受け身の指し手が続いていたのに、気が付いたらうまく体を入れ替えていて、最後はきっちり一手勝ち。強いです。
あさっても新記録なるかで、また大きく報道されそうです。

ところで、谷川先生や羽生先生がデビューされた頃というのは、いまのように棋譜がこれだけ観られることはおそらくなかったと思います。
神秘的な部分が多いのと、こうやって強さがはっきり分かってしまうのと、どちらが得なのかはよく分かりません。
ともあれ、これからも将棋に注目して、自分も少しでも勉強させてもらおうと思います。

新年度

今朝は起きてから昨日のニュースをざっと読みましたが、やはり相当大きな反響があったようです。
電王戦では自分も数多くの対局を現地で観戦して、その都度何かインパクトのある出来事があり、報道を確認していたことを思い出します。
残すところあと1局。役目を終えた、というのはその通りなんでしょう。

それにしても、自分が一番意外だったのは個々の指し手や全体の内容、結果とかよりも、ponanzaが持時間を1時間20分ほどしか使わなかったことです。
たぶん、手数が短かったことと、佐藤名人が時間を多く使っていたからだと思いますが、それにしても、いやはや。
以前一成君から「プロ棋士は序盤に時間を使いすぎではないかと(コンピュータは)考えているらしい」と聞いたことがあるので、自力で学習していく上で、勝つためにより多くの時間を終盤に残すようになっているのかもしれません。

さて、年度替わりに伴う出来事をいくつか書いておきます。
加藤九段の引退が大きく報じられていますが、森師匠も65歳を迎えられ、まもなく引退となります。
それは決まっていたので以前から知っていたのですが、このたび東京将棋記者会賞を受賞されたとのこと。
映画のこともあってのことだと思います。
おめでとうございます。(ありがとうございます。と言うべきでしょうか)
祝賀会のお題目が一つ増えました。

カロリーナは先日晴れて正式にプロ入りを果たしたわけですが、女流2級に昇級したあとは、女流初段に飛び級する一番を逃したり、負けが続いていました。
ところが年度7勝ということで、女流1級に上がるそうです。
本人のブログ(※英語とポーランド語です)
なんだかフクザツですが、おめでたいことなので、良かったです。
今年は初めて、大阪の一門祝賀会にも連れて行きます。

森内九段のフリークラス転出は大きなニュースになっていました。
僕が将棋を覚えて間もない頃、大山先生は「A級から落ちたら引退」と公言して、順位戦を文字通り、戦っておられました。
中原先生はB1でしばらく指したあとに転出されました。谷川先生はいまもB1で戦っています。
永世名人のA級陥落は必ず大きなニュースになります。
そのときの判断は人それぞれで、そこが棋士の世界らしいところでもあると思います。
これまでの棋歴ももちろんですが、大きな決断をされたこともまた、すごいなと思いました。

昨年度の将棋大賞や、名局賞なども発表されています。
2016年度は特に印象に残る熱戦が多かったような気がします。
将棋世界の投票には〆切までまだ数日あって、迷っているところです。

今日から新たなNHK杯が開幕。
前期の佐藤会長の優勝は、内容・結果ともに大きなインパクトを残しました。
お仕事が忙しくても、強い人は勝てるということを証明されて、本当にすごいと驚嘆しました。
自分自身は、最近はなかなか予選を勝ち抜けず、残念な限りです。
将棋の勉強も徐々に本格的に再開して、今年度は何らかの結果を残せるようにと思っているところです。

 

電王戦

既報の通り、佐藤名人は敗れました。
当然ながら将棋界にとっての一大事ですし、大きなニュースにもなっています。

そのことについてはまた改めて考えていくとして、今夜は序盤の話を。
午前10時、ponanzaの初手は▲3八金!?でした。

この手は、プロ棋士の公式戦ではまずお目にかかれない手、はっきり言って、ちょっと悪い手だと思います。
一昔前ならただの挑発ですが、いまのコンピュータ将棋は、特に先手番だと出だしをかなり自由に指してくるらしいです。
そのほうが的を絞られにくく、また、さほど局面が不利になるわけではない(統計的にも、そこまで勝率を下げない)という考えなのでしょう。

続く佐藤叡王の指し手は△8四歩、対してponanzaの3手目は▲7八金!

まあ角頭を守るのは将棋の基本だし、この3手目は(初手▲3八金とは違って)実は普通と言えば普通なんですが、どこか人をおちょくったような印象も受ける、そんな局面です。

結局この将棋はわりと普通の相掛かりになりました。見た目は奇抜でも、なんとなく自然な駒組みで、なんとなく見たことあるような局面に落ち着いていくのは、コンピュータ将棋ならではです。
というのも人間の場合、強くなっていく過程である程度、形と手順をセットで身に付けていくものなので、3手目にして変な手を指す人というのは、その先普通の局面に持っていけないのです。

なので、この出だしは良い子はマネするべきではないし、強い人ほどマネしません。
結果的にこのあと勝ったのはponanzaが強かっただけで、▲3八金や▲7八金が良い手ということにはなりません。


さて、僕だったら初手▲3八金に対しては、まず振り飛車を考えます。
というのも本譜のように相掛かりになったら、▲3八金と上がる手は全く不自然ではないですし、一方振り飛車にして、普通の対抗形になったら、4九の金は本来5八に上がるべきものなので。

たとえばこんな感じになったら成功(振り飛車作戦勝ち)でしょう。

これをふまえて、自分がもし(人間に)初手▲3八金とやられたら、2手目は△4四歩か△4二飛と指すような気がします。
△3四歩とか△8四歩だと、あまりに普通すぎて、なんとなく気合負けだと思うかもしれませんし。

その場合、先手は糸谷流を目指してくるんでしょうか?
たぶん▲3八金が損にならない駒組みを目指すのだと思います。
(この「損にならない」というのも、別に良いという意味ではない。特に悪くはない、というだけのこと)

振り飛車側としては、もっと早めに△4五歩と突いてしまうタイミングがあるかどうか。
そうすると見たこともない乱戦になるのかもしれません。

実際の対局に役に立つ可能性は極めて低いのですが、今朝はこんなことを考えていたので書いてみました。

電王戦はタイムシフトでも観られますので、後からじっくりご覧になりたい方はこちらへ。

日本将棋連盟モバイルでももちろん棋譜を見ることができます。