生放送とか

既報の通り、今日はNHK杯が生放送されるという画期的な一日。
なんとモバイル中継もあるのですね。
NHK杯森内-藤井戦生放送 携帯中継配信決定!

ニコ生ではこの生放送を観ながらさらに番組を立てるとか。
相当な注目度とは思いますが、全部でどれぐらいの視聴率になるんですかね。

 

昨日の青流戦は井出四段が昨年に続いて決勝進出という結果に。
2局とも熱戦で、力のこもった内容だったように思います。
藤井四段は勝てばもちろんのこと、負けても注目されるというのはなかなか大変なことでもありますね。

その頃、時を同じくして僕は宇都宮に向かい、支部関係者の結婚式に出席。
久々に乾杯の挨拶を務めました。
とても楽しい式でした。
おめでとう。

午後はちょうど長谷部三段(栃木県出身・在住)が準決勝の対局中だったので、周囲の人たちも応援していたのですが結果は残念。
ただ、局後のコメントがとても立派なものだったとあとで知りました。
地元の応援というのは本当に励みになるもので、彼の場合は近年プロ棋士が誕生していない地域でもあるのでいっそう思いは強いでしょう。
頑張ってもらいたいと思います。

 

今日はこれからとある収録があり、某テレビ局へ。
放映が近づいたら改めてお知らせしたいと思います。

詰将棋の話など

最近の日課として、毎日見開き2ページだけ「短篇名作選」を解いています。
当然ながら名作ばかりで、面白いです。
いま、自分が生まれた頃を過ぎ、もうすぐ将棋を覚えようかという頃なんですが、この手筋が当時初出だった、とか分かるのもいいですね。

(指し)将棋も、いまでは当たり前の手筋や囲い、戦術などが、当時は斬新だった、見たことのない手だったということはよくあります。
それは当然、名局あるいは新手・新構想としての価値を持つものです。
そういう棋譜と解説をひとつにまとめたら、意義のあることではないかと思いました。

また、「この詰将棋がすごい」という超マニアックな詰将棋雑誌があるんですが、あれの将棋バージョンもあると面白いのではないかと思っています。
「名局セレクション」があるじゃないかという声もありそうですが、あれはあれで良いと思うものの、ちょっと大衆的というか、特有のディープな熱量がちょっと及ばない感じがしています。
まあ、あまりマニアックすぎると採算ベースに乗らないかもしれませんが・・・

ところで詰将棋の本も、昨今の藤井ブームで売り上げが伸びてるんでしょうね。
もともとの数がそれほど多くないと思うので、そのぶんインパクトも大きいのではないかと思います。
我々プロ棋士はあくまでトレーニングのために取り組むものですが、普通の人にとってはその必要はなく、端的に感動できるものだと思うので、その世界が多くの人に知られたら良いなと思います。

 

昨日はA級の三浦ー行方戦、棋王戦の橋本ー黒沢戦、王将戦の菅井ー斎藤戦と、どれも終盤の詰む詰まないが超難解で、非常に面白い将棋でした。
中でも菅井ー斎藤戦は序盤の数手目から前例のない戦いで、しかも両者ほとんど玉を囲わないまま戦いに。
見たこともない不定形、かつ吹けば飛びそうな陣形で、150手も大熱戦が続くというのはすごいことです。

いま、プロ棋士に必要なのは研究よりも対応力かもしれません。
菅井王位はタイトルを取っても変わらず、これからもアイデアを見せてくれそうで楽しみです。

今日の中継は、青流戦に藤井四段が登場。
初の番勝負登場なるかは、かなり注目されているところと思います。

他に叡王戦もあり、札幌ではJT杯。
早指しをたくさん楽しめる一日ですね。

9月

昨日、今日と東京は涼しいを通り越して肌寒く感じますね。
もう夏も終わりでしょうか。
季節がめぐるのが早くなりました。

昨日は書道部、からの暑気払い(?)
最近は棋士仲間と会うことも前より少なくなっているので、久々で楽しかったです。

今日は防災の日。
日頃の備えを大切に、と口では言うし頭では思っていますが、なかなか簡単なことでもなく。
ただ、いつ何かあるか分からないということは、意識しておかないといけませんよね。

最近北朝鮮ミサイル発射のニュースが多くて心配です。
平和でこその将棋、なのでどうかこれからも世の中が平和であってくれることを切に願います。

短いですが今日はこれだけで。

新王位とか

王位戦第5局、菅井七段が快勝で新王位誕生。
本局もまた、見事な指し回し。
玉側から離れた金銀が次々にさばけていく様子は圧巻でした。

「堅さ重視」だった現代将棋の価値観が、変わってきているのを最近実感しています。
角交換振り飛車は、いわゆる「勝ちやすい」戦法というよりは、工夫しやすい、色を出せる戦法という印象があります。
その工夫を駆使して、タイトルを取ったという結果は、棋史に非常に大きなインパクトを残したと思いました。

一昨日から昨日にかけて、最近指された将棋を並べ返していたのですが、棋王戦の佐藤九段ー増田四段戦が、特に興味深くまた面白い内容だったように思いました。

図は中盤の局面で、先手は四枚穴熊で堅さ重視、後手は最近流行の雁木に似た陣形で広さや攻撃布陣重視。
ひと昔前ならば、先手が現代的ととらえられていたと思うのですがいまはむしろ逆なんでしょう。

僕の学んできた将棋の価値観から言えば、ここまで囲えれば先手は満足、あとは攻めるだけ。
いっぽうこれが40年ぐらい前ならば、先手の陣形は偏りすぎ、後手の陣形のほうが本筋と、とらえられていたかもしれません。
現代では、後手にも十分主張があって戦える、という感じでしょうか。

やはり将棋というのは異なる価値観や主張がぶつかるのが面白いんだなと感じる場面でした。
もちろんその上で、高度な読みがあってこそということになりますが。

「玉の守りは金銀3枚」「攻めは飛角銀桂」という有名で大切な格言があります。
駒をバランスよく配置するための教え、ととらえると良いでしょう。
しかし、実際にはこの先手陣のように金銀4枚で玉を囲うこともよくあります。
(と言うか、この20年ぐらい、実はそのほうが良いのではと考えられてきた)
それが原点回帰というのか、再び変わってきていますね。

将棋は相手があるゲームで、何が良いかは本当は常にケースバイケース。
なのでこういう感じで、元の価値観が復権してきたかのように見えることは、これからもたくさんあるでしょう。
異なる多様な価値観を、うまく吸収して、自分の将棋に役立てていきたいものと思います。

今日の中継は叡王戦と朝日杯。
スピーディーな対局を数多く楽しめる一日です。

弟弟子と妹弟子

王位戦第5局、菅井七段がまたやってくれました。
3一銀・3二飛・3三金の並びはかなりの珍プレーでしょう。
この泉のようなアイデアの数々はいったいどこから湧き出てくるんでしょうか。

関係者用のDBで軽く調べてみたところ、類型としては平成5年に森安秀光九段が指しているのが見つかりました。
(△3三同金までは本譜と同じで、次に△3五歩と突いてから12手目に△3二飛)
ちなみに、もしタイトルを取ると岡山県出身棋士としてはその森安棋聖以来だそうですね。

封じ手までの進行は、振り飛車に不満がないように見えました。
美濃囲いにしっかり囲えているのは大きいと思います。
序盤は独特でもその後の駒の使い方は基本に忠実で、見ていていつも参考になります。

 

表題は最近の棋戦の動きについて。
昨日の加古川青流戦で、弟弟子の西田君が三段陣を相手に連勝して、決勝進出。
昨年は井出四段が年齢制限ギリギリのプロ入りから1年目での優勝で、状況がすこし似ています。

反対の山からはその井出四段が出てくるか、あるいは藤井四段か、それとも三段かアマチュアか。
いまの若手棋士は棋戦が多くてうらやましいです。
チャンスを生かして頑張ってもらいたいですね。

今週日曜日のヤマダ杯では、妹弟子の石本さんが優勝。
こちらもプロ入り1年目で、大きな結果はさぞ自信になったことと思います。
ただ決勝戦の終盤は何度か形勢が大きく揺れ動いていて、30秒将棋なので仕方ないとはいえ、満足できる内容ではなかったでしょう。
強くなっている途上だと思うので、これからも頑張ってもらいたいです。

ちなみに男子のほうは、三枚堂五段が高見五段に勝って初優勝。
藤井四段に勝った星を生かしました。
決勝戦は流行の雁木模様で、早指しの公開対局という舞台で、ああいう超急戦でバランスの取れた内容になるのはすごいなと思いました。

 

今日の中継は王位戦2日目のほかに、A級順位戦が1局。
王座戦では妹弟子の室谷さん、叡王戦では弟弟子の糸谷君が登場です。
室谷さんの将棋は、序盤早々に角交換して打ち合う形に。
この将棋は数年前からずっと興味を持っているので、この後の進行が楽しみです。