栃木県のこととか

昨日は三段リーグ最終日でした。

新四段誕生のお知らせ
2人ともおめでとう。

1年半前に藤井現六段が1期抜けしたのは記憶に新しいところですが、あのときの星取りは13-5でした。
今期は13勝以上が4人でこの4人は全員最終日連勝というかなりハイレベルな結果になったようです。
リーグ戦ではときにこうしたことも起きるのが厳しいところです。

里見さんの退会も再び報じられていたようですが、その里見さんが同じリーグで四段になった長谷部君に勝っていることからも分かるように、三段同士でそれほど大きな実力差があるわけではありません。
いつの時代も三段リーグは本当に厳しいです。

 

長谷部君は地元紙・下野新聞などでも報じられている通り栃木県出身者としてはかなり久々の棋士で、近年地元の皆さんが彼に寄せる期待は相当なものがありました。

僕は縁あってこの10年ぐらい年に4~5回程度(多い年はもっと)栃木県を訪れていますが、出身は広島ですし、もともと何かゆかりがあったわけではありません。
一番最初は2004年、プロデビューの年に高文連の大会で審判長を務めたことがきっかけで、この大会にはその後毎年お招きいただいています。
そのときにはまだ生まれてもいなかった子がそろそろ参加してくれる年になるという計算ですし、長谷部君もその頃はまだ奨励会にも入っていなかったようなので、そう考えるとかなりの年月が経ったのだなあと思いますね。

その後は将棋まつりや支部活動など、人の縁でいろいろと関わらせていただいて、もちろんこれからも続くと思いますが今後は彼に中心になって地元の普及活動を頑張ってもらえたらと思っています。
郷土の星がもたらす影響は大きいはずで、栃木県内の将棋ファンがこれをきっかけにいっそう増えていくことを願っています。

 

A級プレーオフは豊島八段の勝ち。
将棋は今朝になってから見たのですが、お互いなんとも粘り強い内容で、体力の心配などいらぬお世話、という気迫を感じましたね。
特に終盤の入り口あたり、▲8八玉~▲8九金~▲8七角という手順は印象に残りました。
玉の下から金を打つ手は好手になりやすいし、玉の頭に角を打つ手も(普通は銀が「形」で角は悪形なのですが)プロが指すときはけっこう良い手が多いイメージです。

B2は森下九段の降級が決定。
他に青野九段もそうですが、長年トップ棋士でありつつ並行して理事職も務められた方の成績が振るわないのは、やっぱり見ていて残念な気持ちになります。
自分も理事になってから成績があまりに下がってしまうと、後に続く後輩のために申し訳ないので頑張らなくてはと思いましたが、なかなか思うようにはいきませんでした。
そういう意味でも(自分とは元のレベルが違うとはいえ)前会長の谷川九段や、現会長の佐藤九段の活躍は本当にすごいと驚嘆するばかりです。
自分自身のことは、まだまだこれからだと思っているので、今後はもっと巻き返していきたいです。

A級プレーオフの次戦は3月10日でその佐藤会長と豊島八段、どんな将棋になるのか楽しみです。

 

プレーオフとか

昨日のエントリ、数字がいろいろとおかしかったのであとで訂正しました。
あまりのことにちょっと興奮しすぎたようで(?)すみません。
とは言えとんでもないことが起きたことには変わりないですよね。

で、さっそく今日はプレーオフの第1局。
日程は本当に組めるのだろうかとか、観戦記はどうなるのだろうかとか、将棋世界にも載せきれないよなとか、対局料はどうなるのだろうとか、名人戦のポスターはいつ発注できるのだろうかとか、気になることはたくさんありますが何はともあれ追加で観れることになった5局を大いに楽しみましょう。
ただ体だけは本当に心配なので、個人的にはこれが最初で最後のお祭りになることを願っています。

そういえば名人戦第1局が今年は例年より1週遅いように思うのですが、まさかこの展開を予期していたのですかね・・?さすがにこれは単なる偶然でしょうか。

今日は日曜日ですがその他にB2の延期分も1局行われるようです。
名人戦棋譜速報でどうぞ。
またモバイル中継ではもう1局、こちらは棋王戦でプロアマ戦です。

 

昨日はひな祭りのイベントで弟子や妹弟子の対局が中継されていました。
カロリーナは女流名人戦を負けてしばらく対局がない状態ですが、こういうところで勝局がファンに見てもらえたのは良かったですね。

将棋世界の記事のことは明日書こうと思います。

今日はこれから上野の美術館に行きます。
第54回 菅菰書展に棋士の書を展示
正直言っていささかならず恥ずかしくもあるのですが、めったにないことなので楽しみです。

最近ネット上の話題で目を引いたのが「スマート」というファッション誌の付録で将棋がついていたこと。
あんまり自分には縁のなさそうな雑誌で(笑)こういうのは良いですね。
将棋と関係ない友人からもこんなのあったよ、とメールが来たりとか、将棋が将棋界の外に進出を続けているのを実感します。

では今日はこのあたりで。

将棋界の一番長いプレーオフ

昨日は宣言通り、のんびりと将棋観戦の一日でした。

A級順位戦、まさかの6人プレーオフ。
可能性としては語られていても、まさか本当に起きるとは。
またひとつ、現実が虚構を超えた。といったところでしょうか。
事実は小説より奇なり、と。

名人への挑戦者を決めるプレーオフは、同星で並んだ場合パラマス方式で決定するというルールになっているので、順位下位の久保王将・豊島八段は挑戦まで5勝を必要とすることになります。
5勝で残留、6勝でプレーオフ進出の、1年間の長いリーグ戦がいましがた終わったばかりと思うと、あと5勝は果てしない道のりに思えます。

その久保ー豊島戦は明日で、名人戦の日程を考えるとここから週1以上のペースで消化していくことになるのでしょう。
王将戦のタイトル戦も並行していることを考えるとかなり非現実的な日程で、体が心配です。
もっとも32分の1の目が出たばかりなので、ここから再びお二人のいずれかが32分の1の目を出しても、もうまったく驚きませんが。
(※↑渡辺ー三浦戦はプレーオフには関係がないので16分の1が正解でした。訂正します。)

 

もともと現行の規定だと、5-4が9人と0-9が1人で、10人中9人のパラマスプレーオフになるという可能性を毎年はらんでいました。
(※8-1、と間違えて書いていましたが5-4ですね。修正しました。すみません)
まあそんなことは現実には起こらないだろうということで、長年放置されていたのだと思います。
なにせ過去半世紀以上にわたって同じルールでやってきて、4人が並んだのが最高でした。
3局追加ぐらいなら(現場は大変でも)今年は盛り上がるなあ、ということで良かったのでしょう。

ちなみに万が一↑のようなことが起きた場合、現行のルール上は5-4の中から誰かひとり降級することになります。
プレーオフの結果は挑戦者以外翌年の順位に影響しない、というルールがあるので、順位下位から再び勝ち上がって挑戦者決定戦で負けたとすると、「本割5-4、プレーオフ7-1」で降級、という可能性もあったわけです。
まあさすがにこんなことは起きないだろうし、起きても救済措置が取られる気はしますが。

今回のことがきっかけで、パラマス方式は危険と認識されて、ルールが改まるのではないかと予想しています。
可能性があることと現実になることには大きな差があるし、これまで見直されずに来たのも仕方ないかなと思います。
こういうご時世ですし、トップ棋士にも働き方改革が必要でしょう。

 

6人プレーオフに加えて渡辺棋王の降級もあって、起きた現実に驚くしかない一日でしたが、盤面の話をすこしだけ書くと、深浦九段の指し回しが見事でした。
あと佐藤会長の剛腕もいつもながらすごかった。
個人的にはこの2局に特に注目しながら一日を過ごしました。

あと裏番組の(?)谷川ー村山戦(王位リーグ)の終盤がすごかったです。
まだ見てない人が多いと思うので、ここにひっそりと記しておきます。

すべての対局に死力を尽くすからこそ起きる人間ドラマ。
という将棋界の一番の価値を、改めて思い起こさせてくれるすごい一日でした。

3月、春。

今日はいわゆる「将棋界の一番長い日」ですがこんなに暖かい日の対局はかなり珍しいのではないでしょうか。
例年だと東京はむしろ雪が降っていることも多い印象です。

昨日から急に暖かくなって、びっくりしました。
三寒四温で、これからまた寒い日もやってくるでしょうけど、春が来た、という感じはしますね。

今年は一番長い日が東京でなく静岡で行われているためか、他の対局もついてるんですね。
名人挑戦者が決まる日に名人が対局しているというのは過去になかったのではないでしょうか。

 

昨日のマイナビ挑決は西山さんが勝って加藤女王への挑戦権。
飛車を成り込んだところはだいぶ先手が良かったような気がしましたが、そうでもなかったのかな。

将棋世界3月号に、カロリーナのことを書かせていただきました。(p190~)
書ききれなかった話とかを後日ブログに書こうかなと思っています。

 

2日続けて比較的長いエントリを書いたら、いくつか熱心なコメントをいただきました。
どうもありがとうございました。
じりつくん (カーリングとAI)
期待値と評価値の違い

なお、カーリングの戦術に関することは、僕には分かりません(笑)
家とか球場とかではニワカ評論家ぶりを発揮することが多いのですがね。

 

ぽかぽか陽気で、のんびりしたい気分なので、今日はちょっと短めですがこのあたりで。
午後からはボーっと観戦する一日にしようと思います。

 

最長手数

一昨日の中尾ー牧野戦(竜王戦)で420手!の末の持将棋、という死闘があったようです。
残念ながらリアルタイムで観ていなくて、翌朝知って驚きました。
将棋で異例の長手数「420手」対局19時間、決着は…(朝日新聞デジタル)

ちなみに自分自身は200手を超える対局は、公式戦では経験がありません。(持将棋もない)
たぶん奨励会でもなかったと思います。
練習将棋や、アマチュア時代ならもしかしたらあったかもしれませんが、記憶にはないので一度もなくても不思議ではないというレベルです。
その倍以上続くというのはちょっと尋常ではないですね。

玉を詰ますのではなく1点を争う展開が延々と続いたために起こった現象で、名局と呼べるのかは分かりませんが特別賞受賞は間違いなしという気がします。
ネット上では「現実がまた虚構を超えた」という声が多かったみたいですね。たしかに。

さらにびっくりしたのは、囲碁公式戦の最長手数をも上回ってしまったことです。
囲碁棋士の友人である大橋さんに教えてもらいました。

囲碁界は将棋界からこの記録を取り返すべく、今後は盤を25×25にするらしいですよ。
・・誰か良かったらエイプリルフールネタにどうぞ。

 

お知らせをひとつ。
今度の日曜日に書道部でちょっとしたイベントを行います。
第54回 菅菰書展に棋士の書を展示 
良かったらいらしてください。

たまたま(かどうかは知らないのですが)最近書道部に取材に来て下さった方がいました。
将棋連盟書道部に潜入インタビュー!プロ棋士はどうやって揮毫を選んでいるのか聞いてみた

僕は実は部長という名の世話役を10年ぐらいやってて、いまは後輩の門倉五段が引き継いでくれています。
門倉君は大変うまくなったのに僕はそうでもなく、その点はいささか残念なんですがいまも毎月楽しく続けています。

何事も続けてこそなのでこれからもレパートリーを増やしながらやっていきたいと思っています。